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【商品考察】THEO(2) ~NISA調整機能の衝撃~

人生3度目の万博イヤーが静かに始まった。THEOのNISA対応は、昨年末から既に始動している。

システム屋視点だけど、『NISA調整機能』、す、すごすぎる。他社のNISA口座で購入したTHEO投信(THEO グロース・AIファンド)とリバランスできるなんて!

『NISA調整機能』には、2つの機能がある。
・THEO投信とTHEOの資産を統合管理できる。
・NISA口座のTHEO投信を考慮して、THEO側で資産配分を自動調整できる。

この仕様は、ロボアド、ラップ事業者を、ざわめかせているに違いない。NISA枠なんて完全無視している対面証券のラップ屋さんは、THEOの爪の垢を煎じて、飲んでいただきたい。


リリースは、3ステップ展開
・第一弾(2024年12月18日):THEO側からマネックス証券のサイトへリンクする。
・第二弾(2025年1月下旬予定):THEO側からマネックス証券での保有資産を含めたトータル資産残高、リターンを確認できる。
・第三弾(2025年3月中):THEOとTHEO投信を一つのポートフォリオとみなし、資産全体を調整できる。

私は、使用できる環境を既に持っているので、3月から試行しようと思う。第一弾は、単にマネックス証券の投信サイトに飛ぶだけ。ちょっとショボい。

実際の機能から考えてNISA調整機能の名称が微妙だ。

NISA枠優先機能なので、Geminiくんに提案を求めたら、いくつかカッコいい名称を提示してくれた。
・NISA-First Allocation
・Intelligent NISA Routing
Proactive NISA Management

個人的には、3番目のPNMが好みだ。

ここまでやるなら、マネックス証券のON COMPASSとも連動して欲しい。THEOで最適化したあとにON COMPASSで再検証させ、勝つ確率を高められれば最高だ。2つのロボアドエンジンで最適化するマルチロボアドまで攻めこんで欲しい。

ということで、お金のデザインさんの冒険的な試みを考察してみようと思う。


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衝撃の序章


よく考えてみれば、NISA口座側の購入口数をTHEO側にインターフェイスすれば実現可能だ。リバランスは、THEO側で実行するので、技術的には難しくない。

でもそこまでやるのか!

経験上、異なる企業間のシステム結合は、困難を極める。たとえるなら、朝鮮半島と九州をトンネルで接続させるようなものだ。

業界標準のインターフェイスで通信する場合は、ほぼ問題ない。もし個別開発が必要で、接続先のシステム屋が、コンペだった場合、こちらが失敗するように、いたるところに罠を仕掛けてくる。できることなら、やりたくない仕事だ。

この仕様をデザインした人と、ゴーサインを出した人のお話を聞いてみたい。

昨年の5月頃に概要が公開された時は、もうTHEOは終わったと理解した。NISA制度の制約でTHEOの未来が見えなくなっていた。ところが、想像を超えてきた。これは、もしかすると序章なのかもしれない。

今回の設計は、

・特定口座
・NISA積立枠
・NISA成長枠

を1つに統合するアーキテクチャだ。コンピューターシステムの仮想記憶管理に似ている。

ETFラップのWealthNaviも表面上は同じだが、NISA口座を占有してしまう。

NISA調整機能の主な対象顧客は、既存のTHEOユーザーになる。だからこの機能だけでは、THEOの延命は難しいだろう。

接続先にiDeCo口座(MYDC)を追加すれば、夢のような非課税投資基盤が完成する。iDeCoであれば、枠を気にしないで売買できる。

ということで、この新しい世界観を、もう少し深堀したい。


衝撃の本質


NISA調整機能は、3つの顧客課題を解決した。結果的に、NISA制度の弱点を改善している。

1)積立枠、投資枠からの解放


NISA対応しているTHEO投信(THEO グロース・AIファンド)は、両枠対応だ。保有しているTHEO資産とあわせて、リスク許容度に応じ、投資しやすい。

2)簿価上限からの解放


特定口座のTHEOと連携することで、NISAの簿価上限が気にならなくなる。投資金額の自由度が増し、投資を継続しやすくなる。リバランスの売買は、THEO側なので枠上限も気にしなくてよい。

3)証券会社制約からの解放


売買するNISA口座は1社しか持てない。この制約の為に証券会社ごとの特典を活用しずらい。ネット証券では、株式売買手数料0円のSBIと楽天の2強状態ではあるが、NISA口座を使うだけなら松井やマネックスも視野に入る。THEOのSMBC日興証券と、好みの証券会社(現時点はマネックスのみ)を組みあわせて運用できる。


現状では以下に記載のある仕様までしか公開されていない。その為、詳細の動きは不明だ。


細かい点だが、サポート窓口に3点質問した。

①フィー優遇制度との関係
今回連携したとしても、THEOのフィー優遇制度の評価残高に、THEO投信分は加算されない。NISA優先で投資する場合、THEO側の資産の株式の比率が低くなるハズだ。この状態で現状のままのフィー体系では、バランスが悪いので、今後の改善に期待したい。

以下2点は現時点不明という回答だった。

②THEOとTHEO投信のデータ連携タイミング
データ連携のタイミングは、THEO投信売買の約定段階で連携されそうに資料は読めるが、現時点は未定のようだ。売買ごと約定段階で連携されるなら、保有資産の確認は、THEO側だけでよいだろう。

③THEOとTHEO投信のリバランスのタイミング
月1回のTHEOのリバランスに合わせて、THEO投信の資産とリバランスするかどうかも、現時点は未定のようだ。個人的には、月1回でよいのではと思う。

ロボアドの手数料が高いと批判しているネット記事をたまに見かける。まだサービス全体の洗練度が低いのも事実だ。各社バラバラに競い合っている。ただ今回のNISA対応で1歩前進した。

衝撃の未来


最後に、THEOの次期バージョンの5つの機能を予測したい。

※1~5)は、私の単なる希望的妄想。2)の1部の機能は検討されているようだ。

1)新ユーザーインターフェイス

トップのユーザーインターフェイスを、日興フロッギーの基盤の中に組み込む。親しみやすい基盤上に置くことで顧客体験を向上させ、老若男女、幅広いユーザーを取り込む。


2)iDeCo調整機能

iDeCoの制度設計は非常に複雑だ。普通に考えて、一般人は制度の全容を理解できない。税制に深く絡むからだ。その一方で、iDeCoは、現状の制度でも95歳まで運用できる非課税投資基盤だ。

NISA同様に制度設計上の課題を『iDeCo調整機能』で包含することで、iDeCo制度のフル活用を促進させる。この機能がTHEOの無二の強みになる。iDeCoのポートフォリオと統合管理できるアプリは、非常におもしろくて挑戦的なアプリになると思う。

3)家族間調整機能

DIE WITH ZERO(ゼロで死ね)と言われても、難しすぎる。

DIE WITH Maximizing inheritance

真逆の「家族資産を最大化して死ね」が、iDeCo調整機能で視野に入る。THEOの中にパーソナルポートフォリオとファミリーポートフォリオを作る。

非課税枠のイメージとしては、家族1人が他界するコトで、3000万円/1人相当?の非課税枠(NISA+iDeCo)か消失する。逆に1人生まれれば、家族非課税枠が復活する。

BIRTH WITH 非課税枠(非課税枠と共に生まれる

の世界観を新たにつくる。

家族単位で、
・特定口座
・NISA口座
・iDeCo口座

『家族間調整機能』で統合管理することで、新しい資産運用モデルが誕生する。

このアーキテクチャが示す社会保障制度の未来形は、現在の1つの論点である、昭和型夫婦から令和共働き夫婦への調整ではなく、3世代家族を視野に入れた制度設計になる。国民年金の第3号被保険者などの不思議な制度の代替案になる。

4)決済調整機能

故山崎元氏は、ご子息へ向けたの著書「経済評論家の父から息子への手紙」の中で、投資に関する遺言とも言える助言をされている。


[お金の運用方法]
①生活費の3~6ケ月分を普通預金に確保する。
②残りは、全額、シンプルに、全世界株式インデックスファンドに投資し放置する。
③お金が必要になった時、必要な分のみ投資分から切り崩す。

上記著書より。多少修正あり。


まさに、ほったらかし投資の集大成。ただ新しい考え方ではない。ひと昔前の日本であれば、全世界株式インデックスファンド⇒郵便貯金だっただけだ。

私は、山崎氏が超苦手だが、THEOへ応用できる。

THEOの管理下に普通口座を取り込む。つまりポートフォリオの中にキャッシュを持つということ。THEOならできる。

決済時にキャッシュが不足していたら、THEO資産をリバランスし現金化する。この仕組みにより、フルインベスト状態を維持できる。

助言①の生活費は、必ずしも個人で確保する必要はない。家族で分散させて持つことが可能になる。家族全員、THEO1本で運用できる。

楽天証券提供の新ツール『iGrow』は、既にNISAやiDeCo、楽天銀行の預金残高、楽天ポイント保有残高を管理できるようになっている。

あぁ、iDeCo口座は楽天さんにすればよかった。大反省。既に受給フェーズなので戻れない。。。

整理すると、

家族単位で、
・特定口座
・NISA口座
・iDeCo口座
・銀行口座
加えて
・各種ポイント口座

を統合管理するということ。

欲をいえば、100歳まで生きることを前提にした年金資産も管理下に置きたい。NISA調整機能を実現できたTHEOさんならできる。

5)支払い最適化機能

上記4機能を前提として、さらに進化させTHEO Payを提供する。

もうxxPayや電子マネー群にはうんざりだ。それぞれの陣営の期間限定キャンペーンへの個別エントリーも最悪だ。

THEO Payは、1つに統一する。

リアル店舗、オンライン問わず、支払いをTHEO Payにするだけで、決済時点で最適な決済方法、クレジットカード、ポイント、決済時の口座と減額する資産を最適化し処理する。

各社のキャンペーンへも、顧客プロファイルから自動エントリーする。

ユーザーは、まるでロボアド電子財布のような感覚で、THEO資産をベースに利用できるようになる。

これらの新機能実現の課題は、開発費用とユーザー規模だ。SMBC日興証券にシステム移行したばかりだが、現状の規模ままではユーザー側にもメリットが少ない。

今は、ホンダと日産、ホンダとソニーが協業する時代だ。

マネックス証券のON COMPASSとシステム統合すれば、docomoと組める。ロボアドは、『投資』というより、貯金箱的な立ち位置で良い気がする。

docomoインベスタークレジットカード、年会費5万円。年会費に月3,000円分のTHEO グロース・AIファンドの積立金含む。

ぐらいまでは攻めて欲しい。

超攻撃的に攻めるなら、

ドコモ金融機能強化の最後のピース、銀行機能にTHEOのシステム基盤を組み込んで欲しい。


まとめ


海外では、ワールドIDという人間であることを証明する仕組みのプロジェクト(ワールド)が進行しているという。

1人の人間に一意のID(World ID)を割り振り、そのIDに紐づいたウォレットへ仮想通貨を配布することで、世界規模でUBI(ユニバーサル・ベーシック・インカム)を達成しようという壮大なプロジェクトだ。

THEOの未来と重なる。

個人にTHEO IDを割り振り、THEO IDごとのパーソナルポートフォリオと、そのTHEO IDに紐づいたファミリーポートフォリオを管理する。

ポートフォリオの中身の資産が、特定口座にあろうと、NISA、iDeCoであろうと個人は意識することなく、THEOのエンジンが最適化する。センスのない制度は、THEOでラップし、使いやすくする。

そして、家族内で資産を循環、継承させることで、家族規模でのベーシックインカムを実現する。

金融業界にはビジョンがないと思う。

日本最大・最強の証券会社の代表は、不祥事に対して、

『常にお金の誘惑にさらされている』と述べた。

胸が痛い。

利権のスパゲッティ構造を具現化した制度を保守するだけの政府は無視し、新しい金融モデルのアーキテクチャを民間で議論してほしい。

本来目指すべき世界、議論すべき課題のメインテーマは、NISA対応ではないはずだ。

オルカン屋さんには、この議論は期待できない。

HONDA0シリーズのコンセプト動画にはゾクゾクさせられる。ワクワクじゃあない、鳥肌レベルだ。

ホンダのM・M思想をベースに、

Thin, Light, and Wise

EVは分厚くて重いという固定概念を破壊し、薄くて軽く、しかも賢い。さらに「ASIMO(アシモ)OS」搭載だ。ソニーとは、HONDA0で組んでほしかった。アイボOSも検討して欲しい(○_○)!!

「失われた30年? 嘆いているなら動けよ。俺が変えてやる!」
(ホンダ 三部敏宏社長)

お金の誘惑に惑わされるのではなく、まずアーキテクチャを!

今こそ、お金の再デザインが必要だ。

THEOならできる。

【今日のひとこと】


一度きりの人生、自分らしく生き、高次の充足を得る。

(お金のデザイン社のトップメッセージより抜粋)


お金の究極の用途は、2つだ。
・自分が生きる為 
・大切な人を助ける為

THEOのパーソナルポートフォリオとファミリーポートフォリオで、新しいお金との関係を夢見る。

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逢坂リュウ
読んでいただきありがとうございます。サポートいただいたお金は、大和ネクスト銀行の応援定期に投資し各種団体を支援します。

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