【商品考察】個人向け国債 ~国債を買うとは?~
春も近くなりましたので、購入した金融商品の考察を自分なりに整理していこうと考えました。
2月に個人向け国債を購入しましたので、今回は国債について書きます。
個人向け国債を購入した理由
個人向け国債というと、
元本割れしないけれど、現在は低金利の為、物価上昇したら実質マイナス
となる微妙だけれど有名な商品です。
購入した理由は、新しい投資先のアイデアが沸かなかったので、普通預金の金利(年0.1%)よりも少しでも利率の高いところに余剰資金を一旦預けようと、単純に考えた為です。
2月の時点の金利は0.05%で、最低金利の状態でしたが、
3月から金利が上がる(10年債:0.05%→0.09%)為、購入キャンペーンを加算して、まあいいかという感じでした。
ところが、知識不足で。。。
購入してから気づいたのですが、変動金利型の10年債の金利が改訂されるのは、年2回であり、2月購入分については、次回改訂月(8月)まで、0.05%の最低金利であることが分かりました(涙)
そんなふうに、少しがっかりしていた時に、
視聴したMUFG社の株主セミナーの中で、2021年度の一般会計当初予算案について解説されていたのですが、
2021年度の一般会計当初予算案の内訳 ;
[歳入]
・経常的歳入(63兆) ・・・主に税収
・国債発行(44兆)
[歳出]
・経常的歳出(83兆) ・・・主に政策経費
・国債費(24兆)・・・主に国債償還、利払い
つまり、2021年度の国債は、
経常的歳入ー経常的歳出=20兆の赤字
と過去の国債費(24兆)を賄う為に44兆発行されるということを知り、微妙な気持ちになりました。
個人向け国債を買うということは、
コロナ対策にも使われるものの、財政赤字を支援するということ??
ということで、
個人向け国債を買うということが、どういうことなのか?
単に普通預金金利(年0.1%)以上ならいいということではなくて、
自分の国債の理解が、ドーナツのように穴があいていて、
SONYの4Kテレビを買うような単純な話ではなかった気がしたので、グーグルで調べることにしました。
個人向け国債とは?
財務省のHPでは『ワタシ向け国債』として宣伝しています。
でも、
どこにも国の財政赤字支援をお願いします等の記載がありません。
イメージキャラクターのコクサイ先生、個子(ココ)ちゃんが登場していますが、こんなデザインやコンテンツにコストをかけるなら、1円でも赤字を減らせばいいのにと感じます。
コクサイ先生、個子ちゃんではなく、借金先生と赤子と命名するくらいの危機感が欲しいと考えるのは私だけでしょうか??
日本政府の国債のキャッチフレーズは、
”国債は「手軽」で「安心」。選ばれる理由があります。”です。
選ばれる理由って何??
普通預金は換金性が高く、手軽でまあ安心だけれど選ばれないの??
財務省のHPでの定義は、
個人向け国債とは?:
個人向け国債は、個人の方に購入しやすいよう工夫された国債です。
主な特徴は、変動10年、固定5年、固定3年の3タイプから選べ、1万円から購入でき、一定期間が経過すれば請求に応じ国が買い取る中途換金制度がある点です。
一方、販売側の一般的なキャッチフレーズは、
購入キャンペーンがあるのは、主に大手証券会社だけですが、
・最低でも都市銀行の定期預金の5倍以上の金利
・国が発行しているので民間の普通預金や社債より安心
・元本保証、1万円からの投資、1年後中途解約可能
・購入キャンペーンで”対象金額により現金プレゼント”
販売側のHPのコンテンツも読みあさっても表面的な記載だけで、本質的な記述がどこにも見つけられませんでした。
購入側の視点からは、
・最低金利0.05%
・購入キャンペーン利用 +約0.1%
さらに
・家族紹介キャンペーン利用 +3000円程度(双方に)
(新規口座開設と50万以上程度の指定金融商品購入)
ぐらいの組合せで、初年度、年0.1%以上は確保できますが、うーん、何か腹落ちしないです。
株のように、”企業へ投資する”という明確なイメージがわきません。
先述のMUFG社の株主セミナーの中で、以下のような、MMT理論も紹介されていて、
債務の大半が自国通貨建てあるなら、公的部門の赤字はすべて通貨増発で手当てできるから、債務がどんなに膨張しても、国家は破綻しない。
簡単に言うと、
政府が、お金を印刷して、国債の利子などを支払えば問題なし。
という考え方もあるらしいです。(私には難解です)
また、あるサイトの記事では、
日本が破綻状態になれば、超円安となり、
超円安を利用して、日本政府が持つ潤沢な外貨資産を
円に換金し、累積した借金を完済できる為、
不死鳥のように無借金状態で日本が復活する
(国債で日本が破綻することはない)
という仮説も読んだことがあります。
赤字国債は問題ないという派と、問題ありという派、諸説あるようです。
いずれにせよ、あまりヒヤヒヤしないように平穏な日々が続くことを切に願います。
さらにグーグルで検索してみると、財務省の面白い資料を見つけました。
(第19回)国債トップリテーラー会議 配付資料(令和2年6月10日)
国債の販売検討会議用の資料のようなものが公開されていました。
詳しくは、資料を参照して頂ければと思いますが、以下の記載部分が面白かったです。
・発行後1年経過直後の中途換金率は、年々上昇傾向にあり、平成30年度においては、発行後1年経過直後に、発行額の約3割が中途換金されている。
・2020年10月発行債から、募集発行事務取扱手数料を引き下げるとともに、新たな手数料として、管理手数料を導入する。
・個人向け国債の購入者については、50代以上が大半を占めるが、年限が短いものほど、その割合が高まる。一方、40代以下の若年層の購入は数パーセントにとどまる。
なんと会議議事録も公開されており、各社の販売状況など、生々しいです。
少し国債からそれますが、財務省のあやしい動画も見つけました。
個人向け国債を調べるのも疲れてきたので、このあたりで終わります
まとめ
調査した結果としての自分なりのまとめとして、
国債を買うということは、
販売者の戦略に配慮しながら、
一時的に個人資産を国に託すことで、
日本政府が立案した赤字政策の実施を支援すること
としました。
日本政府の役割:
個人が購入しやすいように国債の商品設計をするとともに、広告や販売会社へ事務取扱手数料を支払うことで販売促進し、政策経費を賄う資金を確保する。
販売者の役割:
国からの国債発行事務取扱手数料を元手に購入キャンペーンを実施し、顧客へ購買意欲を喚起し、自社の預かり資産を増やすとともに、他の商品販売機会を得る。
SMBCさんの個人向け国債のHPで、グリーンプログラムという取り組みを見つけました。
SMBCさんの国債販売収益の一部を『温室効果ガス排出削減』等につかうようです。
国からの発行事務取扱手数料の一部を使うのかもしれません。国債がグリーンボンドのような意味合いも持ちますね。
私の本音からすると、
国債の広告にかけるコストや、購入キャンペーン、利払いも
すべて赤字から支払うのであるなら、
正確な情報提供を行った上で、
仮想通貨のようなものでの低コストになるように商品設計し、国の直販方式にするのが理想では?と思いました。
【今日のひとこと】
鳴かず飛ばず
[補足]
意味: 活躍することなくずっとうだつがあがらない様。
元々は、
三年も飛ばない鳥は、
いったん飛んだら天を突かんばかりに高く飛ぶ。
三年も鳴かない鳥は、
いったん鳴いたら人を驚かすような勢いで鳴く。
というような意味らしい。
国債(日本の財政赤字)も、鳴かず飛ばずになるように、
LINEのような無料サービスを使用しておきながら、セキュリティ上の不備を非難するような日本政府だけれども、
微力ながら、
税金をたくさん支払うことは、今はできないものの、
国債を購入することで応援します。