卵巣嚢胞が小さくなった話
先日病院に行ったら卵巣嚢胞が驚くほど小さくなっていたので、今までのことなどまとめてみたいと思う。
※婦人科の話なので、生理や内診、ナプキンやピルなどといった女性特有の婦人科用語が多数出てきます。苦手な方は読むのをお控えください。
当方アラフォー女性です。独身。恋人いない歴は…かれこれ16年くらい?(ほぼ)処女みたいな状態。元々生理痛は重く、生理以外の排卵期にも痛みがあり、月のうち半分くらいは腹痛があった。でも婦人科に行くのは嫌で嫌でたまらなかった。あの診察台に乗って足を開くことを考えると、とてもじゃないけど行く気にはならなかった。なので、痛みはなんというか、長いこと放置してしまっていた。
「痛み止めはあんまり飲まないほうがいい」と中学生くらいの頃から至る所で色んな人から言われ続け、そうなのかと信じてしまっていて、痛み止めもできるだけ飲まないようにしていた。今は分かるけどこれはいけなかった。
卵巣嚢胞が見つかったのは6年ほど前だった思う。
よく覚えている。その前日は大好きなアイドルのコンサートで、良席で、特大ファンサをもらって私は浮かれていた。
そんな浮かれた気分は腹痛により徐々に吹き飛ばされることになる。
突然襲ってきた腹痛はあっという間に激痛に変わり、私はしゃがみこんだ場所から一歩も動けなくなり、しばらく経ってから一階に来た父により、ようやく救急車を呼んでもらうことができた。
特大ファンサをもらったがために周りにいた子達から呪いを浴びせられたのかと思っていたけど、運び込まれた先での診断は「胆石と尿管結石、あと子宮と卵巣にもなんかあるから早急に専門医のところに行って検査して」というものだった。夜間で、その日の担当医は整形外科医。その病院には産婦人科も、胆石の検査ができる科も無いとのことだった。3日分の痛み止めを処方してくれて、その日は帰ることになった。
胆石と尿管結石の方はわりとすぐに検査に行き、特に治療の必要はないと言われた。自然に流れたのか治療するほどでもない、ということだったのかもしれない。
しかし婦人科はなかなか行けなかった。救急車で運ばれても尚、婦人科で内診を受けるのがどうにもこうにも嫌で仕方なかった。
でも、2ヶ月後、息ができないくらいの生理痛に襲われた。病院からもらった痛み止めを飲んだらだいぶ楽になった。
薬を飲むだけでこんなに楽になるなら、病院に行くべきかもしれない、と思うようになり、覚悟を決めた。
ネットで検索して「先生も看護師さんもとても親切」という口コミのところに決めた。
約10年ぶりの婦人科の内診はめちゃくちゃ痛くて、終わった後パンツを履きながらちょっと泣いた。でも口コミ通り、先生も看護師さんも親切だった。
診断は「卵巣チョコレート嚢胞」というものだった。既に10㎝ほどになっているので、手術が必要だけど、その病院では手術はできない、紹介状を書くから大きな病院に行くといい、とのことだった。
良いと提示された「大きな病院」2つを実際に見に行って、通いやすそうなほうに行くことに決めた。大きな病院だから予約が必要かと思い電話をしてみたが、初診は予約は必要なく、受付は午前中のみということだった。
大きな病院は婦人科だけで5、6人の医師がいた。女医さんがいいなあ…と思っていたら運良くたった一人の女医に呼ばれて安堵した。
小さな病院で検査はしてきたけど、大きな病院でもまた一から検査が必要とのことで、また内診、血液検査、レントゲンも撮ったかと思う。
やっぱり卵巣チョコレート嚢胞とのことだった。
「手術はオススメしますけど、どうします?」
優しい女医さんが優しく聞いてくれて、半泣きになりながらできれば手術はしたくないです、と伝えたら、「では次の診察でもうちょっと詳しく検査してみてからにしましょう」というようなことになったと思う。このあたりのことはあまり記憶にない。
ただ、(すぐに手術しなくていいんだ…)とホッとしたのを覚えている。
それからしばらくは毎月のように検査に通った。MRIも撮ったし、血液検査も何回もした気がする。
痛み止めは処方されていたので、痛くなると薬を飲んだ。
「痛み止めはバンバン飲んでください。消炎作用も入ってるので。痛くなりそうかな?くらいの時に飲んじゃっても構いませんから」と言われた。そんな話を聞いたのは初めてだった。かつて、どうしてあんなに痛み止めを悪く言う人たちがいたのだろうか。。痛み止めのなにが良くないのか、今後同じことを言ってくる人がいたら医学的に説明してもらおうと思う。
詳しく検査をした結果、やはり「手術か投薬治療」との診断だったが、手術にも投薬治療にも抵抗があった。
投薬治療というのは、ディナゲストというピルみたいなお薬で生理を止めることだった。その薬には嚢胞を小さくする効果も認められているので、「生理を止めつつ嚢胞も小さく、、なればいいかな?」(先生談)というものらしかった。
ちなみに一般的な低用量ピルだと血栓ができやすい副作用があるのだが、ディナゲストにはそれがなく、長期に渡って安心して飲める、という説明だった。
生理を止めてしまうことが怖かった。以前誰かから言われた「生理は最大のデトックス」という言葉に囚われていたかもしれない。デトックスできなくなったらどうなっちゃうの…?と当時は結構本気で思っていた。デトックスと生理に医学的な関連があるのかどうかはちょっと分からない。今度先生に聞いてみようか。
手術がどうしても嫌なら投薬治療しかないのだが、3ヶ月くらいは迷っていたと思う。先生は気長に待ってくれた。
なんでそんなに手術が嫌かって、一つは猫が当時で既に5匹いて、父にお世話を任せるのは不安しかなかったことと、単純に手術が怖かったこと、あとは以前看護師をしている人から聞いた、「腹部の手術をしたら絶対腸が癒着する」という話を信じていたからかもしれない。(今はそんなことはないと思う…)
手術になれば、「腹腔鏡でやってみるけど、無理だと判断したらその場で開腹手術に切り替えます」という説明も受けた。腹腔鏡だと入院は5日、でも開腹だと最低でも10日、場合によってはそれ以上、と変わってきて、やってみないと分からないというのも、猫たちのことを考えると不安だった。
腹腔鏡での事故のニュースをそれまでに何件か聞いていて、それも不安だったのだが、先生曰く、腹腔鏡での事故は「いけそうかな?無理そうかな?やってしまえ!」と無理に進めた結果起こるもので、その場での判断を間違えなければそうそう事故は起こらない、うちの病院は難しそうかな?とちょっとでも思ったらすぐに開腹手術に切り替えているので、事故は今のところ起きていない、というとても真摯なものだった。あと、手術になるとチームを組んで、事前に複数の医師たちで相談して手術の方法や段取りなどを決めているので、万が一主治医が担当できなくても万全で、事故が起きにくい体制が整っている、とのことだった。
こんなこと聞いたら気を悪くするかな?と思われるような質問にも笑顔でひとつひとつ答えてくれる本当に良い先生だ。
結局投薬治療に踏み切ったのは、初めて大きな病院に行ってから半年ほど経ってからだったと思う。
病院に行き始めた当初10㎝だった卵巣は12㎝近くになっていた。
生理で出血が起こるとその血の何割かが外に排出されず、卵巣に回ってしまう。卵巣からは外に出せない。ほっといたらどんどん大きくなるんだ…と怖くなり、そこでやっと投薬治療を開始した。
内診は相変わらず痛かったものの、(ほぼ)処女であることを伝えたら先生も配慮してくれて「なるべく痛くないようにするから」と言ってやり方を工夫してくれて、本当に良い先生に巡り会えたものだと思う。
この頃は常にお腹が張る感覚があって、お腹のガスを解消する漢方などを飲んでいたけど、この張りは卵巣嚢胞によるものだったと気づくのは後のことである。
漢方はなぜかずっと大好きで、ちょっとした胃の不調なども漢方を利用してきた。
行きつけの漢方薬局があって、アトピーが良くなって以来、私のかかりつけ医はこの漢方薬局の先生みたいものだったけど、なぜか生理痛を相談した記憶がない。お腹の張りとか下痢をしやすいとか、咳が止まらないとか鼻水が出るとかそんなことは相談していた記憶はある。忘れているだけか、本当に相談していなかったのか、不明である。
投薬治療を開始してからは、3、4ヵ月くらい不正出血が続いた。ずっとナプキンが手放せなくて、この状態が一生続くような気がしてちょっと怖かった。
でもなんせ先生が親切で優しくて、どんな疑問にも嫌な顔せず丁寧に答えてくれたのがすごく良かった。
この不正出血がディナゲストの最大で唯一の副作用らしかった。でもいつかは止まる、そして嚢胞は小さくなる、そう信じて毎日薬を飲み続けた。
投薬治療を開始してからやっと、漢方の先生にも嚢胞のことを相談した。田七人参を勧められてハーブティーを飲み始めた。田七人参には血液の流れを良くして嚢胞のようなものを小さくするような力があるらしい。小冊子をもらったのだがどこかへいってしまった。興味のある方はお近くの漢方薬局で相談してみてください。
最初の一年くらいはほとんど大きさは変わらなかったと思う。なんでもっと早く投薬治療を始めなかったのかと後悔した。だけど、本当に少しずつ少しずつ、時間をかけて卵巣嚢胞は小さくなっていった。
検査のためにほぼ毎月だった診察も3ヶ月ごとになった。二回に一回は受けていた血液検査の結果も安定していたので、投薬治療は続けていった。
不正出血も落ち着き、おりものシートすらも必要なくなった頃から、痛み止めを飲む回数も減っていった。
卵巣は超音波で縦×横を測定するのだけど、
当初12×10㎝が
11×9㎝になり
8×6㎝になり…
そして、先日の検査でなんと!
4×3㎝になっていた!!!
4㎝くらいになればいいなあ…と思ってはいたけど、まさか本当にここまで小さくなるとは!
現代医学すごい。お薬すごい。
今、婦人科系の悩みがあって困っている方は、なるべく早く病院に行くことをオススメします。一軒目の病院の先生がどうにも合わないと感じたなら二軒目、そこもダメなら三軒目、、と諦めずに自分に合う先生を選んでください。
私は今の主治医じゃなかったらこんなに通えていなかったと思う。本当に運が良かった。
どうしても手術が怖かった私だけど、50歳くらいになってからの手術でも良いと言ってくれていたのはすごく心強かった。
でも5㎝くらいになった頃から、もうこれなら手術しなくても良いかも、と言われるようになった。
痛み止めは最初はロキソニンを処方されていたのだけど、ロキソニンを飲むと必ずものすごい下痢をしていたのと、飲んでも痛むことが続いたため、途中からジクロフェナクに変えてくれた。カプセルと錠剤があって、カプセルのほうが効きは長く続くけど私は胃腸が弱いため、カプセルを飲むと気持ち悪くなってしまう。なので今は錠剤のジクロフェナクで落ち着いている。
生理はないのだけどなぜか生理痛のように月に数日痛くなりそうな時があって、その時に予防的に痛み止めを飲んでいる。
動けなくなるような痛みはもうない。
「チーズ好きの女性は婦人科系の問題が出やすい」なんて言う人もいたので、控えたほうが良い食材も婦人科の先生に尋ねてみたことがあった。「特にありません」とのことだった。私の食性を記しておくと、甘いもの大好き、野菜大好き、牛肉アレルギーもあって元々お肉は苦手でタンパク質は主に豆腐で摂っていた。ここ最近はハムやソーセージが大好きになった。チーズも大好き。豆乳はほぼ毎晩飲む。フルーツも大好き。米も好き。でも家系から糖尿病になりやすいと思うので食事の時はサラダファーストを心がけている。
「このままの生活で改善していかないなら、何か変えなきゃいけないかもな…」と思いながら治療を始めたけど、どんどん改善しているので食生活などあまり変えてない。
投薬治療と併せて、自分で行っていたのは呼吸法と瞑想。どちらも、卵巣のチョコレート嚢胞が小さくなるのをイメージしながら行った。特に呼吸法は、突発的に痛くなってすぐに痛み止めが飲めない状況の時には助けられた。
痛みを感じるとつい呼吸を止めてしまったり、呼吸が浅くなったりする。しかし呼吸が浅くなって酸素が脳に充分に供給されなくなると不安感が強くなり、ますます痛い気持ちになってくる。私は不安になりやすいので、意識して呼吸法を行っていた。
吸うときは鼻から吸って、吐くときは口から。『痛み』が吐く呼吸と一緒に外に出ていくイメージで行っていた。呼吸法はオススメです。
ということで、まとめ。
飲んでいるもの:ディナゲスト、痛い時には痛み止めのジクロフェナク、ジクロフェナクによる潰瘍予防のためのサイトテック、ジクロフェナクで胃が痛くなるのでファモチジン、漢方の田七人参
(※追記 今はディナゲストの後発薬のジェノゲスト飲んでます)
やったこと:呼吸法、瞑想
長くなりました。最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。
(追記)
(2025年1月現在、左の卵巣は2×3センチになっています!)