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毎日更新のススメ〈ブログ〉
本格的に「ことばを磨きたい」と思いはじめたのは、〈書く〉で生きていくことを決めた時からです。ことばを自由に扱えると、喜んでくれる人が増えます。喜んでくれる人が増えると、お声をかけてくれる人が現れます。出会いが生まれ、新しい物語がはじまる。その一つひとつが楽しいんです。
ことばには力があります。人のこころを動かすこともできれば、行動を促すこともできる。時には、いのちを救うことだって。薬と毒が表裏一体のように、当然その力は反対方向へ働かせることもできます。こころを傷つけることもできるし、動きを拘束することもできるし、人を殺めることもできる。
世界中のあらゆる物語が示唆するように、魔法を使う時は慎重にならなければいけません。
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個人的な意見ですが、文章力を上達させたいのであれば、毎日書くことをおすすめします。「継続」や「蓄積」は、こよなく堅実で、愛おしいものです。確実に成果をもたらしてくれます。
たとえば、365日書き続けたとします。書きはじめた1日目と2日目の文章にはそれほど違いはないかもしれません。あるいは、364日目と365日目の文章もまたほとんど同じに見えるでしょう。でも、1日目に書いた文章と365日目に書いた文章を見比べてみると、そこには歴然とした違いを発見できる。一日ごとの塵のような微差も、積もれば大きな成長となります。
毎日書き続けるだけで上達するのです。とてもシンプルで、簡単な方法です。専門的な知識や技術は必要ありません。〈書く〉に対する情熱さえあれば、誰にでもできてしまう。
ただ、何も考えずに文章を書くだけだともったいない。ちょっとしたコツで、密度の高いトレーニングになります。そのいくつかのポイントを書き記しておきます。
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1.人に見せる
「人に見せる」というのは身だしなみと同じで、他人の目があると細部に気遣いが働きます。リアクションをもらえると、書く時のこころの姿勢が変わります。しゃんとする。読んでもらうことで、〈書く〉が磨かれていく。そういう意味では、noteのようなプラットフォームはとても便利ですね。
2.工夫する
何も考えずにのんべんだらりと書くよりも、何か一つでも工夫を入れるだけ〈書く〉に対する濃度は変わります。たとえば、文体のテーマを考えてみたり、全体の構成を整理してみたり、あっと驚くタイトルをつけてみたり、いつもより一文を短くしてみたり、比喩にこだわってみたり。工夫の数だけ、文章の質は高まります。
3.ことばの定義
「いちいち」がつくくらい、ことばの定義にはこだわることをおすすめします。普段何気なく使用していることばでも、あらためて自分のことばで説明してみると意外と難しいことに気付きます。辞書で調べることはもちろん、自分でも考えてみる。ことばを定義すると、思考の解像度が高まります。「自分が何を考えているのか」が明確になっていく。
また、ことばを再定義することは、概念を拡張することでもあります。それはアイデアにもつながる。新しい視点を獲得できるクリエイティブな営みです。
4.ことばの仕入れ
同じことばだけを使っていると、表現力の限界が見えてきます。ことばは〈書く〉ための素材です。いろんな本を読んで、ことばをストックしてください。ことばは人類の共有資産です。
様々なカルチャーに触れると、その世界(業界、コミュニティ)ごとに使われていることばが異なることに気が付きます。ことばを知ることは、考え方や品性を知ることでもあります。勉強にもなるし、表現の幅も広がります。
同じコミュニティのことばしかストックされていなければ、周囲と溶け込んで意外性のある表現は生まれません。遠くからことばを仕入れてください。それはあなたの独自性に光を当てます。
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ぼくもnoteで毎日更新を続けています。一緒に毎日文章を書いて、ことばを磨く仲間が増えればと思っています。励まし合って、一人でも多くの人が喜ぶ世界を共につくっていきたいです。どうぞよろしくお願いします。
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