心音は重ならない
心音が鳴る。体が重なる。心がズレる。獣みたいな声が鳴り響く。事後に掛けられた「ごめん」の三文字。本当に欲しかったのは「好き」の二文字。どうにもならない関係に、どうにもできない関係。この恋はあなた次第。横に並ぶ2人は出来損ない。
体に這わせた指が心臓に近づく。ドクン、ドクン、徐々に早まる鼓動。徐々に離れてく気持ち。濡れたシーツに使い捨てられた合成ゴム。失ったのは感情で、手に入れたのは絶望で。どうにもならなかったのが事実で、どうにもできなかったのが私で。
重ねた体に感じた温もりと君との隔たり。そこにあったのは恋心で、そこになかったのは愛情で、1人歩きしてしまったのが恋心で、そこにあると錯覚していたのが愛情で、恋愛として成り立たなかったのが現実で、求めていたのは2人の未来で。
恋と愛が重ならなかった事実を忘れられず。必要だった恋心は報われず。好きにならなきゃ良かったと、好きになって良かった、そのどちらも選べない私はやっぱり出来損ない。
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