相手を知りたいならまずは自分から自己開示をすること
相手をもっと知りたい。
相手を知りたいと思う気持ちは素敵だし、相手も同じ考えであれば、事はスムーズに運ぶ。相手を知れば、相手が嫌がることや喜ぶことがわかり、良好な関係を築くためにどう動けばいいかもわかるようになる。相手を知る行為が、すこしずつ仲を深めていくし、逆を言えば、相手を知らなければ、仲は深まらないことも事実だ。
でも、自己開示をまったくしない人に、自分について話したいと思うだろうか?
未知の人間に対しては、怪しさを感じる人が多い。未知は怪しくて。怖いものだ。「知らない人には付いていくな」と子どもの頃に親から教わった人が大半だ。相手を知ったからといって、相手を信用していいわけでないけれど、その話についてはここではあえて割愛させていただく。
知らない人はなにをしてくるかがわからない。もしかしたら悪い人で。自分に悪さをするために近づいているのかもしれないと考えるとやっぱり怖い。知らないは怪しいで、怪しさは未知が連れてくるもの。怪しさを安心に変えるためには、まずは相手を知る行為が必要なのだ。
とはいえ、相手に興味を持ったからといって、相手が自分に興味を持っているとは限らない。いきなり知らない人に話しかけられる行為はやっぱり怖いし、そこには怪しささえ感じる。
もし仲良くなりたいと思った人ができたときは、相手を知りたいと思った側から自己開示を行うべきだ。自己開示は相手に自分を知ってもらう行為であり、相手が持つ自分に対する怪しさを、興味に変えていく作業でもある。
怪しさが興味に変われば、相手も自分と仲良くなりたいと思うようになり、自己開示をしてくれるようになる。人と仲を深めるためにはお互いが自己開示を行う必要があり、興味を持たせるためには、まず興味を持たせなければならない。
怪しさが興味に変わるからすこしずつ距離が近くなっていく。人が人を知りたいと思う気持ちは、その人に対する興味であり、興味を持った側が相手に近づいていく。
自分はこんな人間なんだよと知ってもらうことで、相手が自分に興味を持ってくれる。だからまずは自己開示をすること。それが距離を縮めるもっとも有効な手段なのである。