その言葉は、人を生かす言葉だろうか
言葉は本当に難しい。そして言葉は偉大である。言葉がいつの時代も誰かの心を動かしてきた。人類は言葉があるから、コミュニケーションを円滑に行うことができるのだ。
言葉には相手を傷つける言葉もあれば、相手を励ましたり、喜ばせたりする言葉もある。
人を傷つけるのは簡単だ。相手が嫌がる言葉を掛けてやればいい。でもそんな愚かなことでは、誰も幸せになんてなれやしないから、できるだけ傷つけないようにと、僕たちは言葉を選んで相手に投げ掛ける。
相手を励ます言葉を投げかければ、相手は喜んだり、励ますことができたりする。でも相手を励ます言葉は、タイミングによっては相手を殺してしまうことがあるから、使うタイミングを考える必要がある。
全てはタイミング次第。タイミングを間違えてしまえば、言葉で相手を殺してしまう。
タイミングの見極めは難しい。相手が何を求めているかを知るためには、相手のことを知る必要がある。相手に興味を持ち、相手の言葉に耳を傾け、何を求めているかを察する。
相手を生かすのも言葉だが、相手を簡単に殺すのも言葉だ。
そのため相手が求めていないタイミングで、優しい言葉を掛けても、相手がその言葉に甘えてしまったり、時に追い込んでしまうことだってある。投げかけられた言葉のせいで再起不能になる可能性もあるわけだ。
でもタイミングと投げかける言葉がマッチングすれば、相手を救うことになり、相手が前を向くきっかけとなる。
逆に相手を傷つけるような言葉も、時に相手を救う言葉と化すことがあるから、言葉と人間の関係性は本当に奥が深い。
言葉は時に薬となり、言葉は時に刃物と化す。言葉の持つ魔力に魅せられ、言葉の持つ危うさに恐怖を覚えながら、今日を過ごす。
言葉を掛けるタイミングを間違えないよう、誰かのことを傷つけてしまいませんように。