どうか他人にやさしい人であってください
ずっと他人に弱さを見せられない人生でした。弱さを抱えない人間など、この世には存在しない。誰かに頼られるのが好きなくせに、誰にも頼ろうとしない。本当は弱いくせに、へらへら笑うことで、強がりばかりをする。そんな自分に嫌気が差してきたこの人生。弱さを公開して、「うわ、まじかよ」と他人に拒絶されることが怖かった。拒絶されるぐらいであれば、1人で抱えた方が楽。頼られるのは嬉しいくせに、自分は頼れない。
でも、最近は少しずつ弱さを公開できるようになってきた。「29年生きてやっとかよ」って感じなんだけど、僕にとっては大きな前進であり、とても勇気のいる行動だった。そして、弱さを公開するようになってからすごく生きやすくなった。拒絶を恐れていた時期もあったけれど、それはただの幻想で、世界は思っているよりもやさしい。
温かい人に恵まれているのは、きっと過去の自分が誰かのために生きた証でもあるんだと思う。自分本位で生きることに憧れることもあったけれど、誰かのために生きるを実践して本当に良かったといまは思っている。だからこそ過去の自分を褒めてあげたい。
世の中は綺麗事だけじゃ生きていけないし、強がりでは乗り越えられない出来事がたくさん起きてしまう。弱さを公開するにはとても勇気を要する。その事実はきっと弱さを公開できないと思っている人にしかわからない悩みだ。
人は弱い。誰もが誰かと共に生きている。それは僕もそうだし、いまこの文章を読んでくれているあなたにも言える話だ。人という文字は2人の人が支え合うことで文字として成り立つ。だから、誰かと支え合うことが人の使命であり、支えられて生きてきたと実感できる瞬間をこれまでに幾度となく味わってきたはず。だからこそ、弱さを公開することをどうか恐れないでほしい。あなたが誰かの味方であるように、あなたにもちゃんと味方がいる。その事実だけは忘れないで、ずっと胸の中に刻んでおいてほしい。
まだ弱さを公開することには抵抗があるけれど、少しずつ弱さを公開できる人間になろう。そして、助けてもらった分だけ困っている誰かに無条件で手を差し伸べられる人間でありたい。困ったときはお互い様だ。辛かったらいつでも頼ればいい。吐き出すだけで楽になることをある。だから、ありのままの自分で、心の声に従う人生であってください。
あなたも必ず誰かを支えている。あなたが弱ったら今度は誰かに支えてもらう番なのである。そして、そのループをずっと回し続けてください。そうすればきっとやさしい世界があなたを包んでくれる。これから先も他人にやさしい人であってください。