漫画は最高のメディアなんじゃないか、『聲の形』を読んで思った。
8月は例年、先の大戦ものの作品を手にとってしまう。
今年はこちら。
これまで2周して読んでます。
新刊が出ていて微妙にお得なポイントもついてたので購入。
ほかの巻はコンプリートしてるので、買わないわけにはいかない。
約80年。たった80年前にこんな風に戦争してたなんて。
こちらも今読んでるんですけど。
ペリー提督一行が琉球上陸してたのが1850年頃。今から170年前。
この時代は黒船やら火を使わない銃やらに琉球民は驚いていたのに。
100年も経たないうちにその国と戦争してるって。日本の近代化は猛スピードだったんだなと。
『ペリリュー』はかわいいキャラクターなんだけど想像を絶するペリリュー島での戦場の描写がつづいて、そのギャップがすごい。80年前に当時20代の青年たちがこれほど過酷な経験をしてきたのかと。
来年もまた読み返そう。
過酷な経験は日本側だけではなく。
ペリリュー戦のアメリカ側の視点からみた作品もあわせてみたい。
さて、最近みた作品でこころのフックに引っかかった作品がこちら。
まずは映画みて、それから原作を。
小学校のいじめの話でスタートです。
主人公のクラスのいわゆるガキ大将が主犯で、いじめの対象は耳の聞こえない転校生。
この二人の高校生になってからの青春ストーリー。
たぶん、大方の人はいじめる、いじめられるを経験してきていて、冒頭のいじめのシーンは読んでてモヤモヤするし、その後の「いじめるーいじめられる」の関係から友だち、恋愛関係への展開もそうなるか?ほんとにそうなるか??が続く。
アニメの2時間超は綺麗な映像が続くんだけど、ところどころ省略されていて、観終わってからもモヤモヤ。
このモヤモヤを解消するために原作へ。
やはり全7巻、情報量が多くて、それぞれの登場人物のその言動の背景まで描かれていて、あのシーンはそういうことだったのか!って発見も多い。
とくにヒロインの母親はセリフがキツいなと感じてまして。原作では冒頭とくにひどいんだけど、彼女がなぜ冷たいかが中判以降になって描かれている。
この作品、いじめをテーマとしてぎりぎりのラインで友情とか恋愛とか、いわゆるアオハルストーリーにまとめられている。
が、リアルだったら、一歩間違えたら事件になっていただろうし、実際はもっとドロドロするだろうなって思えたり。
そもそもヒロインの少女は序盤からいじめられた相手を受け入れるんだけど、そもそも受け入れられるか?いじめの加害者を。ってのも思う。
高校生になって加害者が突然目の前にあらわれて、彼の目をちゃんと見れるかな。受け入れられるかな。
映画版をみてモヤモヤするから原作を読んだけど、モヤモヤは解消されない。
が、それが狙いなのかもしれない。読者に印象づけるという点で。
ちなみに、原作を読み終えた後、こんな本を見つけてしまって。
レビューによると作者自身が作品について解説してるらしい!斬新!
原作を読んだら絶対読むべし!みたいなレビューが何件もあって、買ってしまったよ。これじゃ出版社の思う壺だよ。。
さてさて。
今回『聲の形』をアニメ、漫画と続けて読んで思ったのは、
アニメの方は2時間超、長いなって。
2時間でも長いのに、2時間超って今やキツイ。
映像は素晴らしいのに。
1時間をすぎてから休憩はさんで、2回にわけて鑑賞しました。
一方で、漫画の方は一気に引きこまれてほぼノンストップで読破。
7巻って漫画ではそれほどボリューム多くはないけど、読書時間は2時間は余裕で超えてる。
漫画の方が集中できたことに自分でも驚いてます。
この差はなんだろうと。
原作の方が惹きつける魅力があったのか?
これって、アニメの方はみるスピードを原則変えられない。
いや、今だったら2倍速もできるけど、それだと音楽が楽しめない。
映画だと自分好みのスピードに調整できない。
それに対して、漫画だと自分でスピードを調整できる。
頭の中で物語をイメージしながらページ送りをできる。
しかも文字数多めで読むのが面倒だったら飛ばすこともできる。
このあたり、漫画ってすごいって、今回改めて思いました。
だったら文字オンリーの文学もいいかというと、こちらはイメージする負担が大きいからか、漫画よりもはやく疲れる。か、かなり読み飛ばす感じでざーっと読むことになる。
やっぱり漫画みたいに絵があった方がわかりやすい。
ダラダラと書いてしまったけど、漫画は最高のメディアなんじゃないか!って改めて気づいて一人コーフンしてます。
漫画って本だと場所とって仕方がないから、避けてたんですよね今まで。
でも電子書籍だと逆にキケン。いくら買っても場所取らないから安心。しかもやたらセールも多いし。つい買いすぎちゃう。
さて、『聲の形』はまだ自分の中で未完成でモヤモヤがずっと続いてます。
はたして「ファンブック」を読んで納得できるか。
追伸、ファンブック読みはじめました。
高校生になったヒロインのまえに元いじめ加害者の主人公がやってきたとき、彼女が彼と話ができたのは、忘れようとしていたノートを彼が大事にもっていて、また彼が手話を勉強していたからだと。
これが原作者の解説。
うん、あらためてヒロインの女の子、このとき彼を受け入れられたなと。冷静に。自分だったらパニクってその場から逃げ出してたかも。物語が始まらない。
『聲の形』は誰かに対してそして自分自身に対しての赦しのストーリーですね。