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シーリングファンについて

中学生の頃、友達の家に遊びに行った時。その友達の家にシーリングファンがあった。

シーリングファンとは、お金持ちの家なんかにある、電気の上でくるくる回っているプロペラのことである。芸能人のお宅訪問で見たことはあったが、まさか友達の家にあるとは思わず、興奮した。

当時、シーリングファンという言葉を知らなかったので、家に帰ってすぐに家族に向けて「将来は電気プロペラを家につけられるような人間になるわ」と宣言した。

あれから10年余りの月日を経て、住宅業界で仕事をしているが、シーリングファンの有用性が全く分からない。仕事柄、様々な人の家にお邪魔するが、設置している家はほとんどない。まぁサーキュレーター的な役割くらいは果たしそうだが、基本はオシャレインテリアとしての側面が強いのだろう。

たしかに、中学生の僕が惹かれたのもオシャレな家具の極みという印象を抱いたからだと思う。 小洒落たカフェとか南国のリゾートホテルとか。その辺の空気感が醸し出されるので、すごく余裕がある家に見える。

こんな記事を書いていたら、急に我が家にも欲しくなってきた。9畳一間の1Kという、決して余裕がある間取りではないが、なんか気持ちの余裕が生まれそうな気がする。

ということで、よく使う家具通販サイトで検索をかけてみた。底値で20,000円ほど。思ったほど高くはなかった。

僕が憧れたシーリングファンは、金額が高いから手が出せないものではない。あれを設置しようと考える人は、生活的・時間的・気持ち的、あらゆる余裕に満ち溢れた人である。

要は、余裕を極めし者がたどり着ける空中世界へ誘うプロペラなのである。

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