本格ホイコーローのレシピ!行者ニンニクと味噌の人気中華が絶品で美味しい献立
先日、豚丼を作った際に買ってきた豚バラ肉を半分くらいしか使わなかったので、せっかくだから回鍋肉片(ホイコーロー)を作ってアップしようと思いました。
肉塊から始めなければ厚切りのホイコーローは作れませんので茹でたりする分ちょっとばかし手間が掛かりますが、その分他では味わえないような絶品に仕上がりますのでご自宅で料理をなさる方にはオススメのレシピになります。
もくじ
1 回鍋肉は四川料理
1.1 回鍋肉の意味
1.2 とにかくにんにくが肝
1.3 葉にんにくが無ければにんにくの芽を使えば良い
2 作り方
2.1 材料(2人前くらい)
2.2 作り方
3 カロリー
4 上手に作るコツ
4.1 豚バラ肉は厚さに応じて処理方法が異なる
4.2 豆板醤と甜麺醤のブレンド比率は基本的に1:1
4.3 炒め調味料は予め合わせておく
4.4 中華料理の炒め物は水分を嫌う
5 回鍋肉に絶対に欠かせない調味料
5.1 酒醸は高いものを選ぶべし
回鍋肉は四川料理
回鍋肉の意味
湯通しした肉や油通しした野菜を一旦鍋から引き揚げて、中華味噌を油で炒めて肉と野菜を手早く煽ることから「鍋に回帰する肉=回鍋肉」と言います。
中華料理では食材がこびり付きやすい鉄鍋を使いますので「油は壺からお玉で掬って鍋に馴染ませ、調理に不要な分は壺に戻す」という方法を採ります。
このような厨房ですと油通しが非常が楽なのですが、油は酸化という意味で鮮度が大事ですし日本の一般家庭では回鍋を実現するのは結構な負担になりますね。
なので私のレシピではキャベツは油通しせず、肉のみ湯通ししてから炒めるという方法を採用しています。
とにかくにんにくが肝
日本でホイコーローと言えば豚肉、キャベツ、ピーマン、長ネギですよね。
これをクックドゥか何かの炒め味噌で適当に炒めて「はい完成!」ってイメージがあります。
誰がどう作っても旨いホイコーローなのでそれでも結構なのですが、本場四川ではとりわけニンニクの風味を大事にする料理なんだそうです。
葉にんにくが無ければにんにくの芽を使えば良い
【行者ニンニク】と呼ばれるものは【葉ニンニク】とも呼ばれ、うるいを細く小さくしたような形状のものです。
私の尊敬してやまない陳健民さんが故郷である中国の味を日本の家庭でも再現し易いようにとアレンジしたところから、キャベツやピーマン、長ネギなどが使われるようになったのだそうですが、本場中国のホイコーローはニンニクと豆板醤が強烈とのことです。
さて、ではでは行者ニンニクをたっぷり使ってホイコーローを作りたいと思います。
作り方
材料(2人前くらい)
豚バラ肉 200g
キャベツ 120g
行者ニンニク 80g
豆豉(トウチ) 10粒程度
酒醸(中国米麹) 大さじ2
紹興酒 大さじ1
醤油 小さじ1
オイスターソース 1~2滴
サラダ油 大さじ2
四川豆板醤(トウバンジャン) 小さじ2
甜麺醤(テンメンジャン) 大さじ1
作り方
豚バラ肉を塊のまま20分茹でる。
粗熱を取って冷まし(出来れば重石をして)、脂肪の層が潰れないように肉を横にして包丁を入れ、3~4mm厚に切り分ける。
キャベツは何枚か外して葉を4cmほどの角切りにし、行者ニンニクは斜めに包丁を入れて半分に切り分ける。
小皿に紹興酒、醤油、オイスターソース、酒醸を合わせて炒め調味料を作っておく。
中華鍋を中火で熱し、鍋肌からサラダ油を注いで鍋によく馴染ませ、トウチ、豆板醤、甜麺醤を入れて炒める。
②の豚バラ肉を加え、⑤の味噌の水分を飛ばしつつ馴染ませながら肉の内部を加熱していく。
行者ニンニク、キャベツ、炒め調味料を加えて強火に切り替え、一気に煽る。
行者ニンニクとキャベツの表面が油を纏ったら火を止め、器に盛って完成。
カロリー
りょうりんの回鍋肉(ホイコーロー)一人前は大体 576 キロカロリーくらいです。
上手に作るコツ
豚バラ肉は厚さに応じて処理方法が異なる
私は厚切りの豚バラ肉で作ったホイコーローが好きなので必ず下茹でしますが、薄めの豚バラ肉で作るのがお好みの方はわざわざ茹でる必要はありません。
厚切りですと熱伝導が悪い鉄鍋の中華鍋ではなかなか手際良く中心部まで火を通す事が出来ず生焼け気味になってしまいますので、厚切りの豚バラ肉を使いたい場合は下茹では欠かせません。
油通しして素揚げみたいにすれば表面がカリカリになってテクスチャの違いを楽しむ事が出来るので、カリカリの肉がお好きな方が油通しして作る場合はこの限りではありません。
薄切り肉なら、鉄鍋に張り付かないように多めのサラダ油で最初に炒めれば事足りるかと思います。
私のレシピでは火が入り過ぎて豚バラ肉が固くなってしまうのを避けるために、最初に豚バラ肉を炒める事をせずに下茹でによって火を通すわけですね。
豆板醤と甜麺醤のブレンド比率は基本的に1:1
中華味噌の割合なんですが、1:1が基本です。
やや甘めに仕上げたい場合は甜麺醤の割合を多めにすれば良いでしょう。
豆板醤の量が多過ぎると辛いだけでなくホロ苦くなってしまうので使い過ぎには注意してください。
トウチは発酵した豆の旨味と塩気でパンチを与えるために加えるわけですが、食感が気になる方は刻んで加えると良いでしょう。
炒め調味料は予め合わせておく
これは中華料理を作る際には必ず守って欲しいルールなんですが、【炒め調味料】は予め合わせておいて欲しいんですね。
電子ガストロノミーが存在しない時代に長い年月を掛けて発展してきた中華料理です。
「低温で長時間火入れする」という技術が無かった時代には「短い時間で高火力で仕上げる」というのが最も料理を美味しくする火入れの仕方なんですね。
特にフランス料理やヌーベル・キュイジーヌ・シノワといった皿の美しさを競うような分野においては出てきた料理の温度は軽視されがちですが、中華料理の炒め物が熱々でなかったら話になりません。
この短時間に火加減をコントロールするためには調味料を1つ1つ加える時間など無駄でしかなく、より合理的に調理を進めるためには欠かせないのが炒め調味料なのです。
中華料理の炒め物は水分を嫌う
最初に豆板醤と甜麺醤を油で炒めるのは、中華味噌に含まれる水分を飛ばすためです。
酒や醤油は最小限に留め、野菜から出る水分はもっての外。
野菜に水分を留めたまま短時間に高火力で火入れをするから中華料理の炒め物が美味しくなるわけで、長時間ダラダラ炒めては台無しになってしまうと心得ましょう。
とはいえ家庭のコンロでは限界がありますから、水分を飛ばすにも時間が掛かるのは仕方ありません。
極力手際良く作りたいものですね。
回鍋肉に絶対に欠かせない調味料
何と言っても白飯です。
白飯は調味料……!!というのは冗談で、まぁそれも間違いではないんですが。
米は米でも【米麹】なんですね。
酒醸は高いものを選ぶべし
欠かせないというのは中国の米麹こと【酒醸】です。
これは米麹入りの甘酒みたいなものなんですが、酒醸が加わる事によってホイコーロー全体に柔らかな甘味がプラスされるんですね。
甜麺醤の甘味だけでは出せないフンワリとしたお米の甘味がプラスされ、豆板醤とのバランスを崩す事無く甘味を足す事が出来るので1つ持っておくと非常に便利です。
私は本格中華食材を購入する時は【上野地下街】や【日本橋古樹軒】を利用しますが、今回使用した酒醸は上野地下街で購入したものです。
安いのと高いの2種類あったんですが、そもそも高いものでもないし150円くらいの差なので迷わず高価な方を選びましょう(笑)
以前、安い方も試してみようと思って買った時は
「だいぶ品質が違うなぁ?何だコレ全然違うなぁ?」
といった印象でしたので、800円くらいの方を選ぶと良いと思います。