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読書感想文的な 5 『結婚させる家』桂望実
40歳以上限定の結婚情報サービス会社で働く桐生恭子はカリスマ相談員。彼女の企画で、交際中の会員がしばらく一緒に暮らす「プレ夫婦生活」がはじまる。中高年ならではの問題を抱えながら、人生を再スタートする50代男女の滋味あふれる婚活物語。
桂望実だいすき。
桂望実が描く女の人がとても好き。
婚活の話、ちょっと心折れるかなと思ったけど全然大丈夫でした。笑
「プレ夫婦生活」とは、その名の通り何日か夫婦として一緒に暮らしてみること。
申し込んだカップルと、それぞれが連れてくる家族や親戚も一緒に。
これめちゃくちゃおもしろそうだなと思った。
実際にもあるのかな?こんなサービス。
豪邸で試しに暮らしてみるの楽しそう。
(同時にすぐいやになりそうな気もするけど。笑)
一緒に過ごすだけじゃなくて、暮らすってとても大切なんだなと思った。
暮らしてみて「あれがいや、これがいや」という参加者に「それちゃんと言ったの?」と恭子が問いただす場面が印象的だった。
どう思ってるか、言わなきゃ伝わらないんだった、そーだった!って。
恭子が受け持つ会員たちにもいろいろな過去があって、だから結婚相手にするならこういう人がいいという希望がある。
年齢を重ねたから条件が厳しくなったというより、より自分を理解した結果の相手への希望なのかな。
もちろん例外もいるけど。読んでみてほしい☺笑
あと、自分の希望する相手が自分に合ってるのかって、意外と自分ではわからないのかなぁと思うなどした。
わたしは誰になんと言われてもオラにゃん系のチャラ男がタイプなんだけど、(絶対幸せになれなさそうでうけるけど笑)
友達には絶対に年下のちょっと抜けてる男の人がいいよって言われる。
1人2人じゃないから、客観的に見てたぶんそうなんだろうなと納得はしてる。
それをふまえた上でだれかを好きになるのって難しいって、大人にならなきゃ理解できない感情だったかもしれない。
条件で人を好きになれたらいいのにね、みんな。
オラにゃんはおいといて、恭子のようにズバズバ言ってくれる相談員にいてほしいなと思うことは多々ある。
あなたにはこういう人が絶対合う!って言われたら好きになれそう。
たぶんこの流されやすそうな感想がもうだめなんだろうけど。
桂望実が描く人間って、人間らしさがあってすごく好き。
現実ではこんな素直でまっすぐでいることが困難だともう知ってる。
登場人物がひねくれながらも、過去になにかあったりしても、ちゃんと自分に向き合おうとしてるから好きなんだと思う。
たくさん本を読んでわかったけど、わたしは何かを頑張ってるとか、自分にちゃんと向き合って逃げない人が好きなんだろうな。
だからやっぱりわたしも、なにかを頑張り続けるべきなのかもしれない。
話は戻って、婚活が特別じゃなくなった最近、結婚相手の条件という言葉をよく聞くようになった気がする。自分の市場価値とかも。
どういう層にならアプローチする意味があるのか、どういう相手とならマッチングするのか。
一般論(ともう言ってもいいと思うけど)では、55歳のおじさんが子供がほしいという理由で20代を希望するなら、絶対的に資産という武器が必要になる、みたいな。
40代の女性の専業主婦希望は20代のそれより困難になる、とか。
婚活ってそういうのを割り切らないとうまくいかないんだろうけど、
割り切るって想像よりすごく難しい。
もしかしたら偏見かもしれないけど、今までの人生でそれなりというか普通に付き合ったり別れたりとかの経験がある人のほうが難しそう。
若い頃モテた人はさらに難しそう。
一度上がった生活水準を下げられないのと同じで、過去に付き合ってた層より劣ると思ってしまったら、どんなに相性がよくても好きになるのって難しくない?
すごく上から目線で嫌な考え方だけど。
これが理由で結婚というゴールが遠のいても、無理だと思う人は無理だと思う。
問題は自分がどっちかなんだよな~~~
あとはもう結婚しないという決意ができるかどうか。
べつに独身って悪いことじゃないし。
でもこの田舎ではまだまだ言われる。
「結婚しないの?」「孫は?」「ご主人のお仕事は?」とかね。
いろんなものも情報も選択肢もあふれている世の中に見合った人間の多様性は、いつになったら容認されるのだろうか。
というか、わたしはいつかどういう選択肢も周りを気にせず選べるようになるのだろうか。