入院の短期化〜知らないと損!日額保障より一時金が必要な理由〜
過去記事では医療保険をご検討いただく際に
知っておきたい「公的医療保険制度」や「がん」
「先進医療」についてご紹介しました。
本日は医療保険を検討するにあたって、
知っておきたい「入院事情」についてです。
皆さんご加入されている医療保険の入院保障は
いくら付けられていますか?
そもそもの医療保険の保障である入院保障に
ついて初めに押さえておきましょう。
入院保障とは、証券などに記載のある正式名称
的に言うと「入院給付金」と呼ばれます。
名前の通り、入院した際に受け取れるお金です。
このお金は入院した際、1日にいくらお金を
受け取れるかご加入の際に決めて加入されて
いるかと思います。
これが「日額」というものです。
入院給付金日額が5,000円であれば、
入院した際に、1日につき5,000円が出ます。
多くの方が、この日額は5,000円〜10,000円、
経営者の方で手厚い保障として20,000円など
ご加入いただくことが一般的ですね。
ではどれくらいの日額を準備すれば良いのか。
この日額を考える材料になるのは「差額ベッド代」
と言われるものです。
皆さん入院される際には個室を選びますか?
それとも大部屋を選びますか?
実は、5人以上の大部屋に入院した場合であれば
保険適用のため自己負担はありません。
しかしながら、皆さん入院生活はなかなか
ストレスを伴うセンシティブな場面も多いため、
個室を希望される方も多いです。
一般的には、病室の面積が6.4㎡以上の4人以下
の病室に入院された場合、その分のお金が追加
で取られるようになってます。
これが「差額ベッド代」と言われるものです。
この差額ベッド代は平均で約6,000円ほど
かかると言われています。
他にも、過去記事でご紹介した「高額療養費制度」
では1ヶ月の自己負担限度額があるとお伝えしま
した。
多くの方が当てはまる基準である、
80,100円 +(公的医療保険適用前の医療費-267,000円)×1%
を30日の日割りで計算すると、約2,700円ほど。
プラスで食費や交通費が別途かかってきます。
これらを加味して考えると、日額としてであれば
約10,000円の入院保障が1つの目安になります。
また、入院保障の注意点として
・免責期間
・日型制限
です。
免責期間は入院何日目から保障されているかに
ついてです。
最近の医療保険であれば「日帰り入院」から
保障されることが一般的ですが、昔の医療保険
ですと入院2日目、4日目、8日目からなど、
保障が開始する期間が遅いパターンがあります。
そのため、免責期間があるかどうかで1つの
見直し材料にもなります。
日型制限は少しややこしいのですが、
1回の入院に対して何日間保障が受けられるのか
についての制限です。
例えば、60日型と書かれている入院保障だと
1回の入院に対してもらえるお金は60日まで
となります。
ここがリセットされるのは90日後や180日後
など会社によってバラバラです。
それ以上入院した場合は対象外です。
※三大疾病などは無制限という場合はあります
しかし、これは同一疾病に対してですので、
例えば、心筋梗塞で60日入院してもう枠を
使い切ったという場合でも、別疾病である
脳卒中などになったという場合は、新たに
60日カウントが1日目からスタートする
という会社もあります。
この辺の比較は保険のプロにお任せあれ。
少し長くなりましたが、そもそも医療保険で
得られる保障部分の整理はこの辺で。
では、実際に今どれくらいの入院が一般的で
あるのかについてです。
近年の医療技術の進歩はめざましく、
入院日数はどんどん短期間傾向にあります。
「がん」なども最近は入院日数は少なく、
外来などの「通院」治療が増えてきています。
2017年の厚生労働省 患者調査データでは、
病院
0 〜 14 日:68.2%
15 〜 30 日:15.7%
一般診療所
0 〜 14 日:83.5%
15 〜 30 日:8.1%
ほとんどの方が1ヶ月以内、半数以上の方が
2週間以内に退院していることがわかります。
今後はさらなる医療技術の進歩や、オンライン
診療などの普及、予防医療などにより入院日数
はどんどん短くなるのではないかと思います。
以上から、医療保険を検討する場合には、
入院した際に受け取れる給付金日額を高くする
よりも、「入院一時金」といった入院をしたら
一時金がいくらか貰えるといった特約などで
一時金を手厚くする方が好ましいと言えます。
この日額と一時金のバランスをどれくらいで
設定すれば良いかについては、また別の記事
にて検証したいと思います。
それでは。
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