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2024年の旅〜多分今年はこれで最後 9

図書館の中は本棚が浮かんで見える吹き抜けの空間がずっと上まで続いていた。SF映画に出てくるような空間が館内に広がっている。ガイドブックで写真を見て行ってみたいと思っていた場所だった。地下鉄でアクセスできるから行きやすいし、図書館へは時々行く場所なので気軽に行ってみた。ここでは書棚で本を探すこともできるし、すぐち近くにソファもデスクもあるからそこでゆっくり本を眺めたり、あるいは書き物をすることもできる。

日本の図書館でよく見かける分類は人文科学、自然科学と社会科学、そして工学に別れている。これ以外の分類を見たことがなかった。ところがこの図書館は当然ながらスペイン語で書かれているのだけど日本とは分類が異なっていて、基礎科学と応用科学そして社会科学がそれぞれ同じグループ分類だった。サイエンスの分類が3つだったのはいいとして、工学と自然科学ではなくて応用と基礎で分かれていたのも面白い。基礎には農業も数学も物理も含まれるほか、ありとあらゆる自然現象の不思議を取り扱っていた。そしてなじみのある分野の化学と物理、物質科学の書棚を探した。スペイン語で表記された本たちは英語や日本語とは違う表記で別の顔をしていた。そしてその本たちを眺めた。同じ分野とは思えない。読めなくても中身は同じなのだけど。

ずいぶん長い時間をそこで過ごした。2時間以上は建物にいて全ての階を見て回った。なんだかまたここへ来たいような気分になり、その後建物を後にした。メキシコシティ3日目はこんなふうにすぎていった。来た道を戻り地下鉄でホテルまで帰った。夕食は近くにあるアルゼンチン料理の店へいった。そしてワインといくつかの料理を食べ、なんとなくあまり食欲がなく、肉料理を頼まなかった。アルゼンチン料理は肉料理がメインらしく、確かになんだかバランスの悪い印象の夕食になってしまった。

こういう風にあきらかに足りない要素が気になるき、その後改めて旅することになる。アルゼンチンとは銀の国という意味だから銀鉱山の歴史に興味があることもあり、メキシコとともに将来再訪するのだろう。もう一度そのレストランへ肉料理を食べに行く機会はその後の数日間にはなかった。だから宿題を持ち帰ってしまったような気分になった。

翌日はプエブラへの現地ツアーに申し込んでいたから朝早い予定に備えて早めに休んだ。朝の7時半にホテルへピックアップの車がくる予定になっていたから、朝の7時過ぎにホテルのフロントへ行きコーヒーとパンを食べて出発に備えた。外に小型のバンが泊まり、中から人が降りてきた。ホテルのスタッフが話をしている。どうやらこの週末はメキシコの独立記念日らしくて土曜日のツアーは高速道路が渋滞すると予測されているらしい。そしてプエブラ行きのツアーは帰って来れないからという理由でタスコへ変更になった。プエブラは世界遺産に登録されている街なので行くのを楽しみにしていたのに、変更された。まだ支払いをしていないし、行きたくなかったら行かなくてもいいのだけど、タスコは銀鉱山があり、こちらも行ってみたいと思っていたからその変更されたツアーに参加することにした。やれやれ、いろんなことが日本とは全然違ったやり方で進んでいく。でも不思議と嫌な気分にはならない。予測不可能なことも含めて旅の楽しみだと思っているから、これはこれでいい。別に危険な目にあったわけではないし、タスコへ行ってみよう。

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