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気兼ねなく使えるように
対人援助、支援において、相手やそのご家族等に気を使わせないということも大事なことの一つです。
今日は、日本国憲法第13条に関係することを書きます。まず、日本国憲法第13条の条文を引用します。
すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
ここに幸福追求と書いてあります。私たちは、公共の福祉に反しない限り、つまり社会に迷惑をかけない範囲で幸福を追求することができるということです。
私は、障がいのある人が利用する事業所を経営しています。今年は、コロナの影響で新しい支援者の雇用が遅くなり、今が研修の真っ最中です。新人の研修は、私にとっても基礎を思い返す良い機会になります。
気兼ねしています
利用者のご家族は、気兼ねしています。支援者は、事業所で困ったことがあると連絡帳にそのことを書いて、ご家族に連絡をします。そんなことが繰り返されると、ご家族はなおさら気兼ねしてしまいます。
支援者に「何で、わざわざ書いたの?」と聞くと、「報告した方がいいかなぁ…と思って」とあいまいな返事が返ってきます。ご家族に報告するときは、よく吟味してから報告しなければいけません。また、連絡帳に書いて、親に報告をしても問題は解決されません。
普通に暮らしたいだけ
支援者同士の打合せで、あの利用者は言うことを聞いてくれない、わがままだ、と話をしていることがあります。しかし、利用者は、わがままを言っているわけではありません。迷惑をかけようとしているわけでもありません。また、支援者が、無理なことを言っていることもあります。利用者は、ただ普通に暮らそうとしているだけです。
私たちは、幸福を追求する権利を持っています。誰しもが普通の暮らしをしたいと思っています。
私たちの仕事は、利用者やそのご家族がなんの気兼ねなく、普通の暮らしができるようにお手伝いすることです。