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実習生を迎える、それは人生に関わることです
10月になると、養護学校高等部の生徒が現場実習に来てくれます。現場実習は、例年、春と秋にあります。今年度は、コロナの影響で春の現場実習がありませんでした。この実習は、とてもたいせつな事業です。コロナ対策にも気をつけて、実習を受けます。
私は障がいのある人が利用する事業所を経営しています。事業所を利用する人は、本契約をする前に、実習(学生)や体験(在宅の人)をしてから契約を結びます。
養護学校の実習生
今回、実習に来てくれるのは、養護学校高等部の3年生です。この実習で、卒業後の進路先を決めます。この実習では、ご本人と事業所の相性を確認したり、本契約後の具体的な支援を相談します。
養護学校に通う生徒は、実習先を決めるためにあたり、高等部1、2年生のときにいろいろな事業所を見学に行きます。つまり会社訪問です。その後、3年生になってから、春と秋の2回、実習をします。
今回の実習生は、お菓子作りにチャレンジします。あらかじめ検便も済ませて参加します。お会いするのが楽しみです。
写真は、クッキーを作っているところです。
これは宣伝です。一袋、100円で販売しています。
将来を決める
養護学校の生徒が卒業後に利用する事業所は、ご本人の希望で選んで契約をするとができます。しかし、選択肢がたくさんありません。また、その事業所と一度契約をしてしまうと、簡単に他の事業所に移れないのが実情です。そのため、この実習は将来を決める大きな意味を持ちます。
私の法人の利用者の中には、私より前から事業所を利用している人がいます。今の社会福祉法人になる前は、無認可の小規模事業所でした。私はそこに就職をしました。利用者の中に、そのときからお付き合いが続く人がいます。年齢が私より一つ上の男性で、30年以上のお付き合いです。
利用者が働いたり活動したりする場所は十分な数がありません。また、希望の事業所があっても、そこまで移動する手段がないために行かれないこともあります。結果、一度、契約をすると生涯、同じ事業所を利用する人がたくさんいます。この現状の中で、私たち支援者は、利用者の思いや体の変化にあったサービスを工夫します。いつもの場所で、安心して活動ができる、そのうえで変化や選択肢があるようなサービスが理想です。
実習生を迎える責任
また、契約をして福祉サービスを利用すると、サービス内容に応じた自己負担が発生します。(負担額の上限や免除等もあります)その意味でも私たちが提供する支援やサービスは、利用者が満足できるものにします。
実習生を迎えるということは、利用者の人生に影響を与える重大な責任があるということです。実習を受けるにあたり、その意味、目的を支援者たちと再確認していきます。
実習先として選んでくださった利用者、またそれを後押ししてくれた、利用者の家族や学校の先生に感謝です。