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今回はこちらの書籍を読んだ。非常に長い一冊で、内容も難解だったがコンフォートゾーンの外に出る読書になった。
思考をまとめていく。

「一人が四十七人斬った話なら面白いけど、四十七人かかって一人のジジイを斬って、どこが面白いんだ」

鬼の筆/春日太一

→難易度、ハードル、それが面白さにつながる。

「一たんダメだと思ったものをやり続ける〈力〉みたいなものがないとプロにはなれないんだと、みていてとても勉強になりましたね」(山田洋次 =『シナリオ』七四年五月号)

鬼の筆/春日太一

→あきらめずにやり切る。そのことが大切。

それで、字さえ書きゃいいのかなというふうに思って始めて、一日にペラ三十枚だ四十枚だ、平然とそれを書き続けたらやっぱり書き手としての腕は太くなるよ。要するに字を書けってことだな。それは野球の選手のキャッチボールみたいなものだよね。絶えずやってて、それに慣れるということだと思うんだ。そうしてやって来たのでね。やっぱりそれをやってきた強さじゃないかな。これはなかなかできないよ。実際に実行できるかどうか。僕はそれをやってきたわけ」

鬼の筆/春日太一

→やりこむことが強さにつながる。筋トレも同じ。仕事も。

実際に腕力をつけること、長く座り続ける耐久力をつけること。書き手にとって何より大事なのは、そうしたフィジカル面の強さだと橋本は考えていた。たしかに、そうでなければ黒澤と何日間も籠って『七人の侍』を書き上げることなど、出来なかっただろう。それだけに、弟子への指導でも技術や映画論は伝えない。ひたすらフィジカル。書き手の腕力を鍛えさせている。

鬼の筆/春日太一

→健康な精神は健康な肉体に宿る。フィジカルの強さは重要。

それはね、運というものは目に見えなくて、曲線を描いて、ある一定方向へ回りながら動いているんじゃないかと。これに当たるか当たらないかは、目に見えないんだから目では追えない。自分でその方向だけを見て、とにかくまっすぐに進むと、運のほうで当たってくれる。

鬼の筆/春日太一

→大きな学び。成功への距離や難易度を気にせず進み続けることが大切。

どんなに値切り、ケチといわれ、それが評判になっても、出来た映画が面白くて当れば、逆に美徳になる。また尊敬もされる。1万円値切っても、それはフィルム 100呎になる。100呎の絵が、その映画の大成功になる場合がある。フィルムを惜しんではいけない。ただ明らかなムダ使いは問題にならない。

鬼の筆/春日太一

→仕事の完成度と結果。そこにこだわること。プロセスにこだわりすぎないこと。

いろいろなものを(人、物を含め)利用することは結構で有難いが、それはあくまでも利用であると割り切れ。責任は全部、自分と自分達にある。

鬼の筆/春日太一

→主役は自分。自責であれ。自分以外は利用。その範疇を超えない。

公開後、しばらくして橋本から桃沢に手紙が届く。そこには、こう書いてあったという。「苦難は忍耐を  忍耐は練達を  練達は希望を生む」

鬼の筆/春日太一

→耐え、やり続けることが希望につながる。

以上だ。

読むのは大変だったが、非常に解像度の高い学びを得られた。
ぜひ、読書好きな方には手に取っていただきたい一冊です。

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