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スマホ脳

今回は、アンデシュ・ハンセン(2020)『スマホ脳』(訳 久山葉子)新潮新書を独断と偏見でまとめます。

あなたのスクリーンタイムは大丈夫ですか?

突然ですが、あなたは1日に何時間スマホを触りますか?

現代人は、平均で1日に4時間、若者のうちの2割は、7時間もスマホを使っていると言われています。

睡眠時間が8時間だとすると、起きている時間の4分の1の時間をスマホに費やしている計算になります。

おそらく、読者の方はすでに気づいているとは思いますが、
現代人のこういったスマホの使い過ぎは危険です。

著者であるアンデシュ・ハンセン氏は、スマホの使用時間は最長でも1日に1時間~2時間に抑えるべきだと主張します。

ところで、そもそも、なぜスマホの使い過ぎは良くなのでしょうか?

その一番の理由は、人間の脳がデジタル社会に適応していないからです。

私たちの脳の構造は、20万年前に東アフリカに出現した祖先と、そう大きくは変化していません。
つまり、私たちの脳はサバンナでサバイバル生活をしていた時と同じ構造だということです。

たとえば、ネガティブバイアスと言うものがあります。
これは、ライオンや蛇がいるサバンナでは、常に危険と隣り合わせで、周りを警戒しておかなければ生存できなかったから備わったものだと言われています。
その影響で、私達は少しのことでストレスを感じたり、チャレンジや積極的な行動を避けてしまいます。

こういった脳の構造や機能は、無意識のうちに私たちに刻み込まれています。

そんなサバイバル状態から進化していない私たちの脳みそは、ここ10~20年で起きたスマホの普及や技術進歩に適応できているはずがないのです。

では具体的に、スマホを使い過ぎるとどういった悪影響が出るのでしょうか?

第一に、学力や集中力が低下します。

ある研究では、頻度にスマホを使う子供の方が、スマホをあまり使わない子供よりも圧倒的に、学力が低い傾向にあるという結論が出されています。

また、スマホを使用することでドーパミンが大量に放出され、依存症のリスクが高まります。
その影響により、衝動や欲求を制限する役割がある前頭葉が発達しなくなり、集中力の低下に繋がります。

第二に、ストレスに弱くなり、うつ病、精神的な病気になりやすくなります。

20代およそ4000人を対象にした実験で、熱心にスマホを使う人ほどストレス問題を抱えている率が高く、うつ病になるケースを多いという結果が分かっています。

また不安とスマホ使用過多に相関性が見られたという研究が数多くあります。

こういった研究により、スマホがうつ病や精神問題の危険を高めているのは、明白のようです。

第三に、睡眠障害になりやすくなります。
スマホの画面から出されるブルーライトには、メラトニンというホルモンの働きを抑制する効果があります。

通常は夜にかけてメラトニンの分泌が最多になり、眠りやすくなります。
しかし、スマホ使用過多により、夜になってもメラトニンの分泌が制御され、脳の覚醒状態が続きます。これにより睡眠障害を起こしやすくなります。

上で見たようにスマホの使い過ぎは、人間に様々な悪影響を与える為、スマホの使い方には注意する必要があります。

まとめ

今回は、アンデシュ・ハンセン(2020)『スマホ脳』(訳 久山葉子)新潮新書を独断と偏見でまとめました。

本書で、アンデシュ・ハンセン氏も指摘していますが、
スマホが人間の脳に与える影響は、まだ研究段階であり、100%はっきりしたわけでは無いそうです。
しかし、これまでの研究を見る限りでは、スマホの使い過ぎは、脳にかなりの悪影響を与えているようです。
現に、スティーブ・ジョブズもビルゲイツも、子供にはスマホを使わせなかったそうです。

それはさておき、
この本をきっかけに、私もスクリーンタイムを確認してみました。
するとなんとビックリ!自分ではそんなに使っていないと思っていましたが、平均スクリーンタイムが3時間15分でした。

皆さんも一度スクリーンタイム確認してみてはいかかでしょうか?

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