世界の倫理観を崩しちゃダメ!【急な不良やごろつきに要注意】
ピンチは物語の山場として重要です。
でも世界観を壊すようなピンチは、
読み手からすれば理解しづらいものになり、
逆効果となってしまうでしょう。
その主たる例である、
「倫理観」について今日は簡単にまとめます。
《倫理観と悪役》
倫理観とは。
分かりやすく言えば、
「善悪をどう捉えるか」ということ。
どんな物事を善とするのか、
どんな人間を悪とするのか。
そういった部分は個人以外にも、
世界観・社会においても存在しています。
例えば「咳をする」という行為は善か悪か?
2019年の現代日本なら、
手や肩で口元を押さえるだけでも、
ある程度善いエチケットと捉えられていました。
しかし2020年の現代日本では、
その行いは善ではなくなっています。
短絡的には、
マスクをしていなければ悪となっています。
このように善悪は、
状況に応じて変化しますよね。
もっと大きく違う世界観でも考えてみよう。
現代世界では、
生物を傷つけることは悪である。
ただし食料になる家畜や害ある生物などには、
その倫理観が大きく薄れている。
ドラクエみたいなファンタジー異世界では、
生物を傷つけることは悪ではない。
善とも言いきれないが、
傷つけなければ死ぬ可能性が高い機会が多く、
現代に比べれば希薄である。
これらのように、
倫理観は一定のものではありません。
世界観、社会のあり方、文化の発展具合、
諸々の影響を受けて倫理観は構成される。
そして人々はその倫理観に沿って成長し、
各個人なりの倫理観を得ていく。
人にも世界にも密接に関わる要素と言えます。
だからこそ物語を考える場合において、
「世界観」と「倫理観」がズレるのは、
非常に危険なことなのです。
《倫理観を壊す=ユーザー離れ》
2021年の現代日本に、
人を斬る侍が出てきたら世界観は壊れる。
でも現代における悪の一例である、
不良だったりチンピラだったりは、
実際のところ存在していますよね。
だったら出てきてもいいのかな?
とも思ってしまいますが……
それによって、
世界観が壊れる可能性は十分にあります。
もちろん治安の悪い町が舞台だったり、
作品内容が任侠ものや、
シリアスなものであれば大丈夫かもしれません。
しかし普通のラブコメであったり、
不良やチンピラが出る必要のない作品なら、
それは一瞬で異物となってしまう。
すると定められていた世界観が崩れ、
読み手の想像していたものと剥離して……
理解できないからこそ興味も薄れるでしょう。
結果、読み手は満足せず離れていく。
絶対とは言えませんが、
十分に予想がつく可能性ですよね。
《不良や犯罪者は安易に出すな》
この一例として恋愛もので時折あるのが、
不良や犯罪者が出てきて、
ヒロインがピンチになるというシーン。
これは本当にやべえです。
平和だった世界が、舞台である町が、
一瞬で読み手にとって未知のものなります。
そもそもヒロインとの仲を割く存在は、
物語におけるストレス因子。
ストレスは必要なものですが、
使い方を誤ると非常に危険です。
その上で世界観がぶっ壊れると、
完全に興味をなくすでしょう。
もしも離れずにシーンが終わったとして、
これから読み手は警戒か期待をしてしまう。
「また悪いやつが現れるんじゃないか」
「ヒロインが危険な目に遭うんじゃないか」
それが期待であれば、
また不良や犯罪者を出さないと、
欲求を満たしにくくなる。
それが警戒であれば、
ずっと緊張していなければならないから、
次第にストレスや疲れに繋がってしまう。
主人公とヒロインが、
じれじれと仲良くなる物語なら……
「こんな危険な場所なのに、
なぜ主人公は付き合わないのか?」
と思われて信頼を失う可能性もあります。
ゆえに気を付けなければなりません。
世界観と倫理観を意識し、
それをむやみに壊す存在を出さないこと。
出すのなら相応の効果を期待すること。
そもそも本当にそれが必要かどうか、
見極める目を養っていくことが大切です。
《今日のまとめ》
・倫理観とは「善悪の捉え方」
・世界観と倫理観がズレると危険
・特に悪役には最大の注意をしよう!
ということで、
今日は倫理観に関するお話でした。
あくまでも持論ですので、
こういう考えもあるんだなーくらいに、
インプットしていただければ。
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では、また次回お会いしましょう。