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読み手との情報差を意識せよ。
■はじめに
創作において難しいのは、
読み手(ユーザー)の立場で情報を考えること。
作り手側と読み手側、これは近いようで全く違う情報を持っている。
細かい設定やこの先のアイデアなんかを作り手は持っており、それを踏まえて作品を作り上げていく。
しかし読み手はタイトルと概要、あらすじといった限定された情報だけを持ち、作品を読む中で少しずつ情報を得ていく。
このように持っている情報の質や量は全然違うのだ。
だからこそ作り手として「制作する時に読み手の情報をどれだけ意識できるか」は非常に大切なプロセスとなる。
しかしこれが難しい。
何故なら私たち作り手は、もう全ての情報を知ってしまっているから。
記憶を消すことは出来ないし、完全に読み手側に立つのは不可能だ。
その上で「読み手側が持っている情報」を意識し、それを前提としつつ制作をする……というスキルが必要である。
この問題に対する具体的な対策は2つ。
・無意識に読み手の情報を捉えるスキルを身に付けること
・読み手として協力者に頼むこと
どちらかの手段を取ることで、解決することは可能だ。
■スキルの身に付け方
読み手の情報を意識する。
そんなスキルはどうすれば身に付けられるか。
いくつか方法はあるが、オススメなのは……
・別作品の読み手となること
・初めから読んで要点整理を行うこと
・1日以上寝かせること
この3つだ。
・別作品の読み手となること
読み手がどう情報を得ていくのか。
それを理解するには、まず自分が読み手になってみることが大事だ。
もちろん、ただ読むだけでは意味がない。
「自分はどういう情報を得ているか」「どういう感情になっているか」「どういう思いを抱いているか」という点を意識して、ゆっくり読み進めること。
メモは取らなくていい。ただ少しだけ意識をして「どうなったら読み手の状態や情報がどう変わるのか」を知っていこう。
・初めから読んで要点整理を行うこと
自分の作品に対して、自分自身で擬似的な読み手になってみることも方法の1つだ。
しかしただ読んでも無意味というか、読み手になることは出来ない。情報差について学ぼうとしているのだから、この方法でもそこを意識しなければならない。
その為に「要点整理」を行うことが重要だ。
要点整理とは、作品から要点をまとめること。
それ以外の情報は捨てるが、要点だけでも内容がしかり分かるようにする。
ここでまとめられたものは読み手が最低限得ているか情報と言える。その情報だけで作品が成立しているなら、ひとまず問題はないだろう。
しかしそれだけでは話が分からなかったり、何を言いたいのか不明な場合は……読み手の情報がまとめられていないということになる。
この要点整理を何度かやっていけば、次第に読み手の情報という部分が分かるようになるはずだ。
経験としては悪くない方法だと思う。
・1日以上寝かせること
これはよく言われる方法だ。
作品に触れることをやめて、それについて考えることなく1日以上の時間を置こう。
そうすることで作業中よりも冷静に、客観的に情報について理解が出来る。
完全に忘れることは出来ずとも、少しは読み手視点に近づいて触れられるはずだ。
このように1度足を止めてみるのは意外と効果があるので、オススメだ。
こういった方法を通して、自分の中での判断基準を作っていこう。
何度か行っていく内に手癖になっていき、無意識の内に捉えられるようになる。そこまでスキルを培えば必ず役に立つ。
■読み手として協力者に頼む
最後に、もっとも簡単な方法。
読み手になってくれる人を募集し、
実際に読んでもらって意見を聞くというもの。
読み手にとっての情報が分からないなら、実験してみたらいいじゃない。という安直な話だ。
最悪、最初は読み手のこと考えながら書かなくても、後からこの方法を取れば解決できる。
しかし他の方法と併用して使うと、より読み手に寄り添った作品に出来るようになるのでオススメだ。
なお、なるべく同じような作風が好きな人に頼む方がいい。そもそも波長が合わなければ参考にならない可能性が高いから。
仲のいい知人にお願いするといいかもね。
……いないなら、Twitterとかで募集したらいいんじゃないかな。
■まとめ
作品の作り手は、「読み手側が持っている情報」を意識するべきである。
何故なら作り手と読み手の情報量には差があるから。そこを前提に考えておかないと、読み手にとってよく分からない作品になってしまう。
その為には、
・別作品の読み手となること
・初めから読んで要点整理を行うこと
・1日以上寝かせること
といったものを通して、無意識に読み手の情報を捉えるスキルを身に付けることが大事。
また、読み手として協力者に頼むことでも確認が出来るので活用しよう。
という感じで今日は以上。
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