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自分が書いた物語は、何を意識して読み直せばいい?【確認作業】
どうも、シナリオライターです。
私は一度書いた物語や作品に対して、基本的にすぐ興味をなくすタイプなんですが……されど「確認作業」は仕事上で必要だよね。
そんな時に何を意識しながら見ているか、というお話をしていきます!
■見るべきは2つの点
確認作業で何を意識すべきか。完成形をイメージした上で「何が足りていないか」「何を削るべきか」を考えることが重要です。
足りないものってのは意外と簡単に見つかる。
伝えたいことが伝わるようになっているか、出来事へのキッカケは納得できるものになっているか。既に書いてあるものから逆算して考えられるからね。
しかし削るべきものは意識すること自体難しい。
何故なら書き終わった時点でそれは自分の中の完成形だから。「これでOK」と1度判断したものを、必要かどうか疑っていく作業になります。
1度判断したものにはどうしても固定観念が生まれてしまい、疑った上で再判断を下すのは思っていた以上に難しいものです。
これら2つの点、
・何が足りていないか
・何を削るべきか
をしっかりと確認することが出来れば、作品や物語の質をグッと引き上げられます。ということで具体的な解決法に参りましょう。
■足りていないものは逆算で把握せよ
先ほども述べた通り、足りていないものは逆算」
で考えると分かりやすい。しかしここで問題になるのは、「何を」逆算で考えればいいのかという点だ。
ここの捉え方は難しいんだけど……私の場合は「物語・シーンの結論」と「物事・キャラクターの変化」の2つで考えています。
○物語・シーンの結論
物語・シーンの結論とは、物語全体またはチャプターごと、または1つずつのシーンで「何を伝えたい、見せたいのか」ということ。
よく自分が「テーマ」と呼んでいる部分になります。大体はこの3段階を常に意識する感じで、執筆も確認もしてるかな。
・物語、企画全体(コンテンツ)のテーマ
・1つのまとまり(チャプター)のテーマ
・1つの場面(シーン)のテーマ
この作品を通してユーザーに何を伝えたいのか、その為にこのチャプターでは何を伝えるのか、それを成す為にまずこのシーンで何を伝えるのか。といった感じで考える訳だ。
これをやるためには執筆前からしっかり準備をしておこう。外注であればクライアントが何を伝えたいのか、しっかりと聞き出して認識を共有することが重要です。
○物事・キャラクターの変化
物語は変化なしに描けない、と言えるくらいに「変化」は必要なものです。
成長、退化、心情、状態、場面、進展……様々な変化によって物語が進んでいく。その変化を捉えたら分かりやすいかなと思います。
例えば場所の変化は分かりやすい。家→通学路→学校といったような変化があるなら「家→通学路」の変化した瞬間、「通学路→学校」の変化した瞬間を捉えよう。
そしてその変化に対して理由やキッカケがしっかりあるか、という思考で確認していきます。
「家→通学路」という変化なら、
・学校に向かうための準備をする
・平日、学校に行くことを示唆する
・靴を履く、玄関を開ける
こういった次の変化に関する要素があるかどうかを確認する感じだね。
「物語・シーンの結論」と「物事・キャラクターの変化」。この2つを意識して確認出来れば、一定の質は保たれます。
では更に良くするための方法として、削るべきものについての捉え方に移ろう。
■削るべきは3つの意識で見えてくる
何を削るべきか、私は以下の3つを意識してます。
・同義、重複ではないか
・無意味ではないか
・ストレスを与えすぎていないか
残念ながら感覚的な部分が大きいため、そこまで詳しくは説明できないかも。軽くだけ触れていきます。
○同義、重複ではないか
これは前にも記事にした部分かな。印象付けなどの工夫ではない同義の単語や文章、重複している単語や文章などが基本削っていきます。
○無意味ではないか
無意味なものは別にいらない。どんな意味があるかを考えた上で、意味のないものは削っていこう。
例えばバトルものにあるまったりシーンなら「緊張を解すため」、日常ものにある若干のシリアスは「最低限の抑揚を付けるため」といった感じで捉えてるかな。
○ストレスを与えすぎていないか
ストレスは重要だけど無闇に与えるのはご法度。ユーザー視点もしっかりと考えた上で、必要不必要を判断します。
このストレスに関してはまた記事にまとめたいね。必要不必要をどう考えるべきか、みたいな感じで。
以上3つのことを意識して、何を削るべきか考えることがおすすめです。
私は無駄かどうかを判断することが多いけれど、たまに感情優先で削らなかったりもするので……迷ったらここ3つを最低限やっておくのがいいかもね。
■今日のまとめ
テーマ:
確認作業では何を見るべきか、意識すべきか
方法:
■何を足せばいいのか
・物語・シーンの結論
・物事・キャラクターの変化
から逆算して考える。
■何を削るべきか
・同義、重複ではないか
・無意味ではないか
・ストレスを与えすぎていないか
の3つを最低限意識してみる。
なお創作においては正解なんてものが存在しないので、全てを効率的に増やして削るべきとは思いません。しかし適度な目安を持っておくことで、思考の無駄を減らすことが出来るのオススメ。
時間は有限だからね、特に外注案件は効率も求められるので捉え方が参考になれば幸いです。
他にも創作に役立つ考えなどを記事のしてるので、よかったら下のマガジンから読んでみてください。
では、また次回お会いしましょう。
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