全社新人賞に輝いた僕が、その後鳴かず飛ばずになってしまった理由。

こんにちは。
新卒で入社し3年弱ほど働いた株式会社オプトを本日付けで退職し、明日から新しい環境で働くことになりました。
厳しくツラいこともありましたが、就活生が良く気にしている”入社前後のGAP”も全くと言っていいほどなく、人にも組織にも恵まれたとてもありがたい環境でした。

なので、「社内外問わず本当に多くの人と関わることができ、充実した3年弱でした!」という書き出しから、キレイに始めてキレイに締める退職エントリにすることもできたのですが、それだとツマラナイかなと思ったので、オプトという会社についてではなく、その中にいた自分の立ち居振る舞いという視点から、本日はこんなエントリをお送り致します。

「1年目とは思えない!」という評価に喜んでいた新卒時代もいつの間にか過去になり、あれだけ評価されていたはずなのに、2年目以降今ひとつ思うように結果を出せない。これなら最初から評価されないほうが良かったんじゃないかとさえ思いもがき苦しんだ僕が、その理由に気づき転職を決断するまで。

それでは、お時間をいただきます。目次はコチラです。

目次
0.はじめに/略歴
1.スタートダッシュは完璧だった
2.入社2年目も順調と思っていた勘違い
3.気づけば知ってることを切り売りする人に
4.停滞しないために
5.さいごに

※追記:ラジオでもそんな話したので良かったら!

0.はじめに/略歴

・京都府丹後地方出身
だれもがイメージする京都から特急使っても2時間超はかかる”The 地方”
・早稲田大学・大学院を卒業
心理学・社会学を専攻し、7年も学生やってました(休学してイギリスに語学留学したりもした)
・卒業後2016年新卒として株式会社オプトに入社
WebPRを中心に、デジタルマーケの仕事をする(1年目の終わりに新人賞をもらう)
・2019/1/31付けで退職し、明日から新天地 ← イマココ

1.スタートダッシュは完璧だった

僕は2016年新卒入社なんですが、大学院卒だったため同級生・同期と比べると既に3年も社会人経験として遅れていました。一緒にサークルやゼミでバカしてたヤツらがもう3年目になり、既に役職がついているなんてことも。そんな背景もあったので、とにかく早くいろいろ経験して活躍してやろうと密かに企んでいました。

入社前に募集がかかった内定者バイトにも即応募(多分今よりも早いレススピードでメール返信したと思う)。入社後の研修でもいいところを見せようと、グループワークを仕切ろうとしたり偉い人に質問したりと張り切る、などなど。いま思うと同期にそんなヤツいたら結構ウザいですね(笑)(ちなみに内定者バイトは先着順ではない)

とはいえ、内定者バイト3ヶ月間の経験、院卒としての知識、年齢メリットなどがあったので、他の新卒同期と比較してもまぁ仕事ができる方だったと自負しています。

そんな中、最初に評価されたのは、入社3ヶ月後。新卒ながらも大きなクライアントのコンペの企画会議に参加させてもらい、資料もなんとかまとめる。ロープレを重ねて提案の場にも参加させてもらい、コンペに勝利。もちろん僕一人の力ではないが、勝利に貢献したことを評価していただき、自身の所属する領域で特別賞として表彰していただきました。
一度表彰をしてもらったことで社内の目は少しやわらかくなり、1年目だけど仕事できるヤツとして認識してもらえるようになりました。そうすると、それなりに新しい仕事や大きな仕事も任せてもらえる独り立ちも近づく活躍の場も得られるということで更に評価されるチャンスがある。こんな好循環が起きていたのが1年目でした。

この当時僕は1つ心に決め、指針としていることがありました。それは、「同期と比べたりせず、常に1期上の先輩ができることが当たり前にできるように」ということです。任せてもらえる仕事が増え、関わる人が増えていく中、1人前として仕事をするためには自分と同じように勉強フェーズにいる同期を基準としては危ない。既に1人前になっている先輩たちからパクろう・盗もうという意識を強く持ち続けました。

高いレベルで打席に多く立てればそれだけ経験も詰めますし、見てもらえる機会も増える。そしてヒットの数も当然増えます。そのサイクルにうまく乗ることで、結果として1年目の終わりに全社新人賞をもらうことができました。

社会人生活のスタートとしては、とても満足度の高いものでした。


2.入社2年目も順調と思っていた勘違い

満足度も高く幸先の良いスタートを切れたことで、(OJTの先輩やチームの上長にサポートされてではなく)1人だけで社内の様々な人と仕事する機会が爆発的に増えました。社内の企画会議やキックオフMTGに参加するにも、サポートの先輩はおらず1人。お客さんのところへ提案やレポーティングのアポに行くにも上長はおらず自部署からは1人。同行というシーンは皆無と言っていいほどでした。

1年目の時に強く意識していた、「1期上の先輩ができることを当たり前にできる」ということが実践できている。むしろ1期上の先輩たちとも対等に仕事ができるとも思いました。十分独り立ちできていると実感できる状況で、目標の設定は間違ってなかったと思い返しながら、自身のキャリアの順調さを噛み締めていました。

1年目に評価されることの影響はそれだけでなく、すごい新人という評価の延長で仕事の幅も広がり、”後輩新卒に教える”という仕事すら任せてもらえるようになりました。いわゆるOJT担当というやつです。
「教育なんて難しい仕事をまさかこんなに早く任せてもらえるなんて」と思いつつ、自身のキャリアの延長にマネジメント職を意識しながら、嬉々として後輩新卒とのデイリーMTGをこなしていました。わからないことを噛み砕いて伝えたり、悩んでいることに一緒に頭を悩ませたり。

時を同じくして、同期が評価されはじめます。別の部門で評価されたり、別の領域で表彰されたり。社内で聞こえてくる「〇〇ってイケてるらしいよ!」という名前が同期であることが徐々に増えてきたのです。僅かな焦りも確かにありましたが、ようやく追いついてきたかと思いつつ、「僕はすでに教育担当まで任せられてるからな」と、自分に慢心していました。

今思うと、1年目の自分への評価2年目での同期の評価の違いに気づいていませんでした。「1年目なのにこんなにできてすごい!」と「(それを乗り越えた2年目以降での)一般社員として評価に値する!」では雲泥の差があります。
振り返ると 2年目(特に後半)以降、自分が評価されなくなってきていることに気づかなかったことが最大のミスでした。(しかも1期上の先輩と同等に!とか言っておきながらガッツリ同期と比較してる自分(笑))


3.気づけば知ってることを切り売りする人に

こうして2年目になってから、”教えること”はスゴい仕事!と思い込み、それに心血を注いでいましたが、ある日突然気づいたのです。

「あれ。新人賞以降、賞らしい賞もらってない。しかも部内・領域内・社内で新しい結果残せてない。もしかして、停滞してる?」

そこからは冷や汗の連続でした。

・知っていることをどう教えるか・伝えるかしか考えていないことに気づく。
・新しい知識やスキルが仕入れられていないことに気づき、前線で戦えない感覚を突如として実感する。
・前線でガツガツ活躍して評価されていく同期。そして追いついてくる後輩。
・1年目で評価されたがために、先行してしまってる「優秀って聞いてるよ!」オーラ。
・実態の伴わないオーラに応じて降ってくる高難易度の仕事。

2年目の自分は、1年目に立った打席で得てきた知識「1期上の先輩が当たり前にできることを」という基準に沿って得たスキルを、噛み砕いて後輩新卒に説明するマシンと化してしまっていました。
1年目の打席で得た知識は所詮新卒レベルで、当時の1期上の先輩が持つスキルは基本的なビジネススキルの話でしかなく、2年目になって新しく得られている高度・専門的な知識やスキルは乏しい。

1年目と同じ知識・スキルレベルで、1年目よりも少し説明上手になった程度の人が活躍できるほど、仕事の世界は甘くありません。当然のごとく僕は評価されず、「あいつすごかったのに落ちぶれたなー」的な空気に押しつぶされそうでした。

1年目の目標設定は間違ってなかったけど、2年目も同じ人を目標にしてちゃダメだ。もっと専門的な知識を持っている人や、すごく経験を積んでいる人なんかに目標をスライドするべきだった。これが反省点です。


4.停滞しないために

全く停滞せずに成長し続けるのは至難の技だと思います。人間誰しも、知ってることをもっと効率よくやることが一番ラクなはず。今いる環境や作り上げた人間関係にも甘えたい。でもそれだと能力は拡張されていきませんし、評価もされづらいです。(もちろん評価が全てではないかもしれませんが。)

一度評価され、その後停滞した人は、それ相応の苦しさを味わいます。もちろん苦しさは人それぞれで一概に比較はできませんが、ずっと評価されない人と、一度評価されその後鳴かず飛ばずになった人では、苦しさの種類が違います。(ずっと売れない芸人と一発屋の違い的なね)

だからこそ、停滞することは避けたい。この経験で僕が得た教訓です。

・目標に追いついた感に安堵してしまってはいけない
・教えることはリスクでもあることを自覚しろ
・ちゃんと能力やスキルを拡張できている実感があるか
・やったことある仕事ばかり繰り返してないか
・知っているやりやすい人とばかり仕事してないか

そして、目標とする人の調整も大事です。目標とする人物になれたから更新するのでなく、なれてなくても近づいたなら更新すべきなのです。僕は、2年目に”教えながら能力・スキル拡張している人”を探し出して、目標に据えるべきだったなと少し後悔しています。
目標人物は必ず1人じゃないとダメというルールはありません。大目標・中目標・小目標のように複数設定するのもありだと思います。

停滞や失速を実感したときには、もう既に目標人物との距離に大きな変化が起きているのかもしれません。


5.さいごに

ここまで書いてきたように、スタートダッシュによる高評価と目標人物設定の調整不足による停滞の間で苦しんだ僕ですが、自分のミスに気づいて反省し、その後の3年目では、社内であまり事例のない施策を提案・実施したり(初めてのことだらけで死にそうだった)、ほぼ1人で勝手にやるレベルで色々と動いたり(上長にめっちゃ色々無理言った)、これまで関わることが少なかった他社での経験も豊富な中途入社の人と継続して仕事をしたり(知識レベルに差がありすぎてコミュニケーション大変だった)、となんとか知識・スキルの拡張をしていくことができました。

そんな中転職をする決断をしたのは、やはりさらなる能力・スキルの拡張という面が大きいです。

僕には、社会をより良い状態にしたい。ソーシャルグッドと呼ばれている領域に関わりたい。地方・田舎へ貢献したいという夢・目標があります。
そこに向けて必要な拡張が縦に伸ばすだった場合、僕はきっと転職という選択肢を選びませんでした。しかし、横に広げるという能力・スキル拡張が必要だと判断したことで、今回の転職を決断しました。(もちろんどちらでも目標にはつながっているのですが、僕がどちらをやりたいかという軸で考えました。)

これまで株式会社オプトで”デジタルマーケティングの支援”を軸に仕事をしていましたが、次は株式会社SMSという”事業が動く・事業を作る”現場で仕事をします。これからまた少しずつ組み上げていく段階ですが、自分らしく頑張っていこうと思います。


最後に、これまでお世話になったオプトの皆様、そして一緒にお仕事させていただいた皆様、本当にありがとうございました。辞めてもこれまでと変わらず接してもらえるんじゃないか?と思えるほどまで人間関係を作れたことが自分を唯一褒めてあげたいところです(笑)

またみなさんとお仕事できるようになれば素敵だなと思います。
これからもどうぞよろしくお願い致します。

千賀 亮

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