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人材派遣営業のコツ② 基礎知識編 part4 「派遣で働くデメリット」
今日のnoteは人材派遣営業のコツシリーズ第二弾、基礎知識編のpart4です。
「ひたすら具体的」というのがこのシリーズの狙いなので、知っておくべきことについて超実践的に解説していきます。
コツコツと積み上げていけば、つらくなく、楽しく貢献できる人材派遣営業になれること、間違いなし!周りに、人材派遣営業をしていて、辛そうにしている人がいたらこのnoteを紹介してください。
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派遣で働くデメリットを知っていますか?
前回、労働者が派遣を使うメリットについてお伝えしました。今回はデメリットについても明確にしておきたいと思います。このnoteを読むと、派遣先企業へのアドバイスに反映できる部分もありますが、派遣で働く方がそのまま働くべきなのかどうかを真剣に考えてアドバイスすることができるようになると思います。
それができれば、派遣会社の都合で嫌々働いてもらうと言ったことが減らすことができて、楽しく派遣営業ができる状態に近づくことができることでしょう。
もちろん、派遣で働くデメリットも、人によるところが多分にあるので、今日は代表的なものをお伝えします。それから、構造的に当然ついて回るデメリットもあれば、派遣会社や業界がそのデメリットを解消するべく努力し、成長していかないといけないモノの二通りがあります。特に後者は、人材派遣に携わる方は心に刻み込んでください。(僕は泣きながら書きます)
※注意:有給が取れないとか、社会保険に入れないとか、ググったら派遣のデメリットとして、個別のひどい会社の例が出てきたのですが、そういったものは今回触れません。あくまで派遣と言う働き方全体について説明します。
派遣で働くデメリット①:収入が不安定
時間給であることが多いため、毎月の給与が稼働日によって増減して、不安定になります。
月給制で雇われる派遣社員の方もいるので一概には言い切れませんが、登録型派遣ですと時給で働くことが多いです。ゴールデンウイークや年末年始、お盆休みなどで勤務日が少ない月は給与が減り、逆に勤務日が多い月は給与が増えます。
時給制を月給制にしたら、年収が増えるという話ではないので明確なデメリットとは言わないのかもしれませんが、僕のように計画的に過ごすのが苦手な人には毎月の給与が変動するのはデメリットになるかもしれません。
また、月給制の派遣先社員が休みが増えて喜んでいる中、複雑な気持ちになるということもあるかもしれません。
派遣で働くデメリット②:雇用が不安定
これが一番わかりやすいデメリットかもしれません。
いわゆる雇止めというものですが、3カ月や6カ月ごとに更新されていた派遣契約が派遣先企業の業績悪化などの理由で終了となり、併せて雇用契約も終了となるということがあります。
もともと期間が定まっている契約(産休の代替や繁忙期応援など)はよほどのことがなければ約束通りの期間となりますが、長期的に反復契約しているような派遣契約ですと、どうしても構造上発生してしまいます。
正社員という働き方と比べて人事権というものを会社に握られていないために自由度が高い代わりに、気に入った職場でも派遣先企業の都合次第で終わってしまうというリスクがあり、これはまごうことなく、”トレードオフの関係”になっています。
定年まで雇用するためには、ある仕事が無くなっても異動してもらって雇用を継続していく仕組みとならざるを得ず、企業が人事権を持つ必要があります。その人事権がない代わりに、その仕事が無くなったらそこで終わってしまうのが派遣と言う働き方だと言えます。
これは法律的にもそう定められており、正社員はその仕事がなくなったとしても人事異動などの手段で雇用を継続できるよう努力をする義務があります。もしも派遣先企業から見て、派遣社員の方のほうが優秀で正社員が不出来であると言う状況があって、業績悪化の際に正社員の方を先に解雇したいと思ったとしてもそれは法律的に実行できず、優秀な派遣社員の方を終了せざるを得ません。
「非正規雇用が雇用の調整弁になっている」と言われることがありますが、日本社会の働き方ということで言えば、不景気にはまず非正規雇用の働き方が減少することになるため、間違いではなく、自由度の高さと引き換えになっているという真実であると言ってよいと思います。
ただし、派遣会社は今の派遣先が終了しても、次の派遣先を紹介する義務があり、ビジネスモデル的にも次を紹介するインセンティブが働くので、他の非正規雇用という働き方よりは安定的な部分もあると言えますし、派遣会社はスムーズに次の仕事へ移れるよう「キャリアデペロップメント」をしっかり意識して支援していかなくてはいけません。
派遣で働くデメリット③:スキルによって給与の差が大きい
派遣と言う働き方は、いわゆる「ジョブ型」であり、仕事に金額が設定されています。そして、スキルがないところから人事異動の繰り返しで一人前に育ててくれる、年功序列、終身雇用の正社員とは違い、基本的に始めからその仕事をこなすスキルがあることを求められます。
したがって、エンジニアなどの専門職で具体的なスキルを身に着けている方は3000円~5000円くらいの時給の方もザラにいます。(僕の担当で言えば宇宙関連の業界なんかで10000円の時給も!)
一方、特別なスキルは必要とせず、比較的どなたにもチャレンジできて、かつ人気の高い仕事になると、時給1000円~なんてことも多くあります。官公庁での一般事務とかになると最低賃金に限りなく近い金額で募集されていることも多々あります。
派遣で働くデメリット④:気に入った職場があっても3年目以上いるためにハードルがある
2021年現在の派遣法では、同じ方が同じ派遣先の同じ仕事に有期契約の繰り返しで派遣として働けるのは、原則3年までとなっていて、3年以上働いてほしい場合は派遣会社が雇用安定措置をするというルールになっています。(ハードルというタイトルにしましたが決してネガティブなものではないです)
雇用安定措置について、詳しくは厚労省のリーフレットを見てほしいのですが、3年を超えて派遣する見込みがある場合、派遣会社への義務として以下の4つが定められています。
1.派遣先企業へ直接雇用を依頼する
2.新たな派遣先を提供する
3.自社で派遣労働者以外での無期雇用を行う
4.キャリアアップを図るための教育訓練・紹介予定派遣などを行う
めちゃくちゃ乱暴に平たく言うと、
3年以上続く見込みがあるなら、絶対に雇用を途切れさせるな!
です。当然、派遣社員は断ることができますが、
3.自社で派遣労働者以外での無期雇用を行う
というのはすなわち、派遣社員の内勤になること(僕と同じ、派遣会社の社員)なので、会社である以上、絶対できますから。(これでルール通り雇い入れて潰れるなら、そんな派遣会社はつぶれるのが正しいということです。)
このルール自体は、
・いわゆる正社員は、3年などの期間でジョブローテーションしていくことでスキルアップをしているのに派遣社員が全く同じ仕事に延々と従事してスキルアップできないのは良くない。いろいろな経験を積んで正社員になりたい人にはそのチャンスがあるようにするべき。
・そもそも無期限に続いていくような仕事は派遣社員ではなく正社員を雇うべき
といった、決してネガティブではない根拠による規制なのですが、気に入った職場で長く勤めたくなった派遣社員にとってはデメリットになるかもしれません。
また、この規制の対象外になるということで派遣会社で無期雇用されるというケースもあります。しかし、そうすると(結局デメリット②に戻る感じになるのですが)、派遣会社に人事権を少し持たれることになります。今の派遣先が継続している限りは問題ないのですが、そこが終了してしまうと次の派遣先に行ってもらわないと給与だけが発生してしまうので、ある一定の範囲で(通勤時間〇〇分で職種は〇〇と××、勤務時間は〇~▲の間・・など)派遣会社からの指示に従って派遣先が変更されることもあるといったような雇用条件になります。
無期雇用であれば、雇用が安定しているということで規制の対象外になるのですが、これはこれで、派遣の最大級のメリットである、「仕事を選ぶことができる」ということが少し犠牲になるのでどのような働き方が望ましいのかを考えるべきということになってくると思われます。
雇用安定措置は非常にややこしく、派遣先企業の意向や状況にもよるため、派遣会社とよくコミュニケーションをとりながら判断していく必要があります。
そして、いづれにしても気に入った派遣先であっても3年目を迎えるタイミングでそういったハードルと言うか転機があるということはデメリットになりうる部分かと思います。
派遣で働くデメリット⑤:雇用差別されがち
これは、派遣会社や業界や営業パーソンが、全てをかけて戦わなくてはいけないデメリットです。僕はもう、泣きそうで書ききる自信がないですが、絶対に忘れてはいけないことを書きます。これを理解していると派遣スタッフの方のサポートの時にもうまく言語化できない悩みが理解できる場面もあると思います。
雇用差別されがちというのは、簡単に言うと
”誰かが罪を犯したときの報道で、派遣社員のAさん(57歳)が・・とか、自称アルバイトのBさん(45歳)が・・などと報道されることはあっても、正社員のAさんが・・・とは報道されないこと”
”親戚から今の仕事を聞かれて、派遣社員だと知ると「何で派遣なんかで働いているの?正社員にはならないの?」と聞かれたり、親や旦那さんから、具体的な根拠に乏しいのに、「できれば正社員で働いてほしい」と言われる”
と言ったようなことです。
今、正直自分にもこの差別的なバイアスある・・・と思った派遣業界のあなた!!
素直で結構!!!人材ビジネスをこれからも志すなら、どうかこれから生涯をかけてそのバイアスと戦っていってください。
僕は、雇用形態が報道されるのを聞くたびに吐きそうなくらい悔しいです。本当はやりたいことがあったり、正直今から正社員になるにしてもスキルとキャリアのバランス的に不利なことも分かっていても、ご家族から心無い言い方をされて、無理に興味のない業界の正社員にチャレンジし続けている人なんかがいると泣きたくなります。(いや、泣いてます)
この、雇用差別は僕は派遣で働く最大級のデメリットであり、これを放置してビジネスをすることは最大級の罪であると思っています。
もちろん、何でもかんでも嚙みついて是正していくのが良いというつもりもないです。正直、正社員至上主義と呼んでもいいこの感覚は、日本人の心の根っこの深くに強く根付いているバイアスです。素敵な人事の方だな・・なんて思う採用担当者様の中にもこういった差別意識がある方はたくさんいます。ましてや、この方は・・・っと思うような人事の方なら・・(以下、自主規制)
まずは僕たちが雇用差別なき世界のために、しっかりと派遣と言う働き方のメリットを言語化して、誇りを持って働いてもらえる派遣契約を少しでも増やし、自分たち自身が胸を張れる派遣サービスを提供することから始めていきませんか。
最後に
総務省の労働力調査によると、2020年12月の役員を除く労働者の数は5,626万人です。そのうち、派遣労働者は145万人で、全体の2.57%です。
派遣と言うのはとても少数派な働き方なんです。
企業側の都合もあるでしょうが、「正社員だけは絶対に嫌だ!派遣でしか働かない!」みたいな人もそんなに見ませんから、そもそも派遣のメリットとデメリットを天秤にかけると、魅力的には感じない人が多いのでしょう。
しかし、それでも2.5%の、派遣に魅力を感じてくれている方がいます。その満足度をより高めていき、派遣と言う働き方をより良いものにしていくのは僕たちです。
最後、妙にエモい感じになってしまいましたが、派遣スタッフと向き合うときには、こういったデメリットを踏まえたうえで、それでも派遣と言う働き方を選んでくれた理由を、頭がちぎれるくらい想像してください。そして、デメリットに気が付いてないようであれば、しっかり伝えてください。
それだけで、頼られる派遣営業になれて、仕事が楽しいものになっていくと思います。
次回は、今回本当は触れたかった、「不本意型派遣」について解説します。前回と今回のメリットとデメリットと併せて知っておくべき内容になりますので初めて「不本意型」というキーワードを初めて聞いた派遣会社で働く方は是非読んでくださいね。
では、また明日!
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