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社会化された芸術至上主義 : 「ボイス+パレルモ」展を見て
埼玉県立近代美術館で開催中の「ボイス+パレルモ」展。「社会彫刻」の概念を提唱したことで知られるヨーゼフ・ボイス(1921-1986)と、ボイスに学んだブリンキー・パレルモ(1943-1977)を並列的に検証する企画となっている。
本展はボイスとパレルモの「一見遠いようで近い」関係にフォーカスし、その「近さ」の象徴として、ボイスの(花瓶に挿された)薔薇(《直接民主制の為のバラ》1973)とパレルモ
線引きの破れ、または見境のなさ――マーティン・スコセッシ監督『グッドフェローズ』
マーティン・スコセッシ監督『グッドフェローズ』(1990)を観た。ずいぶん前に観たことがあったのだが、同監督の『カジノ』(1995)を先日観たのを良い機会に、再見することにしたのだった。両作品にはロバート・デ・ニーロ、ジョー・ペシという共通する2人の俳優が出演しているのだが、筆者を『グッドフェローズ』の再見へと駆り立てたのは、前者ではなく後者の方だった。小柄な背格好と荒い気性、興奮した猫のような声
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