[ショートショート]モーニングルーティーン
朝起きてから必ずやることがある。それが自分のスイッチを入れるために必要なことだと自分でわかっている。毎日やってくる朝という時間の過ごし方は自分を構築するための重要なファクターだ。
まずは腕立て伏せを気が済むまでやる。感情が浮かぶ前に行動する。何か一つの感情が浮かんでしまったら負けだ。自分の目が覚めたと認識した瞬間布団を弾き飛ばす。そのまま無の状態でひたすら腕立て。きついとか寒いとか何か感情が出たところでストップする。
それからカーテンを開けて外の様子を確認する。いつも同じように見える。それが心地いいし違うことがあったら観察する。それも楽しい。朝からワクワクできる秘訣だ。
朝に欠かせないのは紅茶だ。圧倒的に必要なもので自分を作っている一部だ。
自分の体内に流れる1/3は紅茶であると言っても過言ではない。
茶葉の蓋を開けて香りを楽しむ。ほんのり漂ってくるほのかな香りで心が踊る。海外には行ったことないけどイギリスの朝はこんな感じなんじゃないのかな?毎朝紅茶を飲める日本に感謝しないとな。それだけで旅できるんだから。
お湯を沸かしながらポットに茶葉を入れていく。今日は少し濃いめに作ろうかななんて考えながら適当に入れる。適当ってのが大切。あまり朝から余計なことで考える力を使ってしまったら勿体無い。
お湯が沸いたら注いでいく。ドバドバ注いでいく。この時湯気に乗って漂ってくる香りもまた一興。先程より強めの香りで感覚が冴えてくる。この間は香りを楽しむことに全力を注ぐ。
これは一種の瞑想である。紅茶瞑想だな。
仕上げはカップに注ぐ。少し高い位置から注ぐのはある人に憧れてであることは黙っておこう。その人に近づくにはまだまだ時間がかかりそう。
注ぎ出した瞬間部屋中に紅茶の香りが広がる。自分の周りの環境を動作ひとつで整えられる。これほど素晴らしいものはないのではないだろうか?
最初はストレートでそのまま愉しむ。口の中でフルーティーな香りがふわぁ〜って広がる。濃すぎず薄すぎない絶妙なポイントを見極めるのが楽しみの一つ。
紅茶を飲む傍らで本を広げる。朝に読書は優雅だな〜て自分を褒めるの忘れない。というか本は好きだからただ好きなことやってるだけなんですけどね。
2杯目はミルクを入れてミルクティーに。ミルクのまろやかな口当たりで飲みやすさUP。時間が経つとポットの紅茶も濃くなるのでおすすめ。
朝ご飯は毎日決まったものを食べる。
お米
納豆
味噌汁
これはどんな時でも変えることはない。毎朝何を食べようか考えるのはとても疲れてしまう。毎日食べるものも決めておけば習慣の力で考える必要がない。
もちろん毎朝美味しいものを食べられる。幸せ。
そのあとはお風呂掃除。これが意外と大変であることは多くの人が体験していると思う。だからこそ毎朝行うことで自分に自信がつく。
これも何か思う前に掃除道具持ってお風呂場に入ってしまう。人間不思議でそうするとやるかって気持ちが出てくる。そうなったらあとは綺麗にすることに全集中!
毎日同じことを繰り返す。一見つまらないように映るかもしれないけどこれがまた心地良い。非日常も大切だと思うけど毎日を構築する日常も同じくらい大切に出来たら人生は格段に良くなる。
そんなことを考えながら今日1日を過ごすための準備をする。
そして今日も素敵な1日になる予感を感じながら玄関を開けるのであった。
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