22歳の欅(けやき)です! 雑多に綴るかも

22歳の欅(けやき)です! 雑多に綴るかも

マガジン

  • 欅の木洩れ日[ショートショート]

    ショートショートを集めました。是非立ち寄ってみてください。

  • 欅の木下で[小説]

    私が書いた小説をまとめていきたいと思います。 良ければ立ち寄ってみてください☺️

最近の記事

掃除道具は白いまま

学校では終業式の日には大掃除がつきものだと思います。普段よりもしっかり掃除をしようと、先生たちも雑巾や洗剤などたくさんの掃除道具を用意してくれます。 また、家では年末になれば1日かけて家中の掃除をする。家具を動かして普段は見て見ぬふりをしてしまう場所にも手を伸ばす。 加えて、年末は持ち物も整理して、いわゆる断捨離なんてこともしますね。 大掃除の時には雑巾を真っ黒にすることや、ボロボロになるまで床を磨くなんてこともしていました。だるいわ〜って言っている子もいましたが、自分

    • [ショートショート]図書館

      いつからか笑う回数が減っていった。昔は活発で小学生の頃は誰とでも仲良くなるとどの担任の先生からも言われていた。親はその話を聞いとても喜んでくれていた。 「あなたはいい子だね」そう言われて育ってきたからそこから踏み外して落ちてしまうのが怖かった。親の期待に応えられなくなった瞬間に今の自分の立場は無くなってしまうと子供ながらに恐怖を感じていた。 家の中でいい子でいるためには、学校でもいい子でいなくてはいけなかった。学級委員をやって誰にでも声をかけてクラス全体を見ていた。席替え

      • 「ショートショート」夏休み

        今年もこの時期がやってきてしまったと車の窓からの景色を眺めて翠はため息を漏らした。お盆になったら実家に帰省するのが小さい頃からの我が家のルールなのは知っているが、私はもう18歳で、今年は受験生だ。 父親はいたって普通のサラリーマンで母はパートでスーパーのレジというテンプレートみたいな両親のもとに生まれた。そんなテンプレートのような親から生まれてきたのが私で周りからは優しいとしっかりもののレッテルを貼られて、がんじがらめの人生を送っている悲劇のヒロイン… そこまで悲観的には

        • [ショートショート]名もなき花

          一見綺麗に見えるこの世界にも欠点は存在している。いつもと違う世界だからついつい勘違いしてしまい、綺麗な表面だけが強く写ってしまう。 よーく見るとそんな不都合な真実にも気がつくことができるがほとんどの人はそんなことをしない。目に見える表面だけを都合よく汲み取って満足して帰っていく。 そんな世界でも表面の綺麗さで満足しようとたくさんの人が訪れて帰っていく。訪れてくれる人たちの中には欠点に気がついてくれる人たちもいる。 その人たちは欠点を美しさと表現する。表面上の目に見える範

        マガジン

        • 欅の木洩れ日[ショートショート]
          18本
        • 欅の木下で[小説]
          3本

        記事

          [ショートショート]人との出会い方

          「今日は楽しかったよ!ありがとう!」 「僕も今日はとっても楽しくてあっという間だったよ。」 「じゃーまた。」 「うん!」 そう言って彼女はたくさんの人が溢れる駅の方へ歩いていった。今日は彼女との初デートだった。 彼女とは同僚の勧めで始めたマッチングアプリで出会った。初めは疑心暗鬼だったしアプリなんかってバカにしていてたけど、始めてみると結構面白かった。 今まで無意識だったが自分は意外と人気があるみたいだったことに気がついた。今までは男子が多い環境で生活してきたからか、異

          [ショートショート]人との出会い方

          「未来」を読んで

          こんばんは。 欅です。 今日は初めての試みなのですが本の感想を書いてみようと思います。 投稿時間が遅くなってしまったのはその本を一気読みしていたからです。本当に面白い本に出会ってしまうとご飯食べることもトイレに行くことも忘れてしまいます笑 今回読んだ作品は湊かなえさんの「未来」という作品です。 あらすじ ある日20年後の自分から手紙がくるところからお話が始まっていきます。その後は手紙形式で時間が進んでいきその後それぞれの登場人物の過去や背景が明らかになっていきます。

          「未来」を読んで

          [ショートショート]その瞳

          いつもと違う帰り道で帰っている一人の少女がいた。その背中はどこか悲しげで脆く崩れそうな繊細さを持ち合わせているように見えた。その瞳は何かを見ているような様子は無く、ただただ景色が写っているだけに感じられる。 あっ!自己紹介が遅れましたね。私この少女の守護霊です。この世界では生まれた瞬間から死ぬまで一人につき一体の守護霊が生涯を共にしています。しかし、人間側にはほとんど認識されていません。たまに私たちを見ることができる人間もいますがそれはほんの一握り。 もちろん私たちはお互

          [ショートショート]その瞳

          [連載]私の好きな人

          気がつけば彼と帰り道の途中で合流するのは当たり前になっていた。普通の仲良しなら学校から一緒に帰るもんかもしれないけど、この普通は私たち二人には通用しない。 いつものように河原で話していたら急に彼が黙り込んでしまった。何か彼を不機嫌にさせる言葉を言ってしまったか、なんて普通の人なら考えるかもしれないが、自分勝手な私はそんなこと微塵も思い浮かばなかった。自分が話している最中に彼が黙り込んでしまうのなんて初めての経験だから何をどうすればいいのか全く理解できなかった。私はいつも通り

          [連載]私の好きな人

          [連載]私の好きな人

          「会いたいないな今すぐ会いたいな〜」 気がつくといつも口ずさんでいる。一人でいるときは常に頭の中でリピートされている。お気に入りの歌を見つけたらずっと聞いていてしまう。小さい頃からの私の癖だ。好きなものができたらとことん一つに集中してしまって、周りのことは全く見えなくなってしまう。それが私の、よくも悪くも周りからの評価だった。 だから小学生の頃はよく先生に、「周りを見なさい!」と何度も注意された。なんせ授業中でも放課でも給食の時間でだって好きなものにはまり込んでいたのだ。

          [連載]私の好きな人

          [ショートショート]引退。最後の言葉

          「この先お前たちにはたくさんの可能性が待っている。待っているという表現は正しくないかもしれない。それはお前たちが自分から掴みに行くものだからだ。お前たちは人からもらったチャンスを生かすことはもちろんできる。そんなの当たり前だ。その上で自分がやりたいと思ったことに対しては貪欲に食らいつくことができる。3年間みてきた俺が保証する。ここにいる誰一人として現状に満足することなく常に上を目指してきた。それを俺は誇りに思う。それとありがとう。ここまで来れたのは俺の力じゃない。俺はお前たち

          [ショートショート]引退。最後の言葉

          [ショートショート]ライン

          ピコン。 通知が来たから慌てて画面を確認する。目的の相手からのでは無くて少し落胆する。 部活の業務連絡なんて今はどうでもよかった。 私が今待っているのはあの人からの返信だけ。 そう思って天井を見上げたら携帯がなった。急だったためにびっくりして携帯を落としそうになった。 画面をパッと見たら目的の相手からだった! (やった!返ってきた!!!) 心の中で飛び跳ねる。だって心は自由だから。 話しているのは大した内容でもない。お互いに下らない冗談を言い合っているだけだっ

          [ショートショート]ライン

          [ショートショート]干渉

          他人に干渉されることは避けられない。他人の干渉なしに生きていくにはこの星をでなければいけないと思う。 仮に森や砂漠に逃げ込んだとしよう。その中でも他人の干渉を完全に断ち切ることは出来ない。 今の森は元々住んでいた人々が長い時間をかけて作ってきたもの。良かれ悪かれ人間が影響を与えている。 砂漠も人間の影響もあって砂漠なのだ。その中で生きていくのはとてもじゃないが厳し過ぎる。 となると他人から干渉されないように生きたいと願った場合にはやはり他の星しか無いのかも。 どこか

          [ショートショート]干渉

          [ショートショート]不安

          久しぶりに会った友人の背中はいくぶん小さくなったように感じた。昔は水泳で鍛えてはりのあった背中は筋肉が落ちただけでは説明がつかないくらい似ても似つかなかった。 「お久しぶり!元気…な訳はないよな。」 「悪いな来てもらって。」 そう答えた友人の顔はとても憔悴仕切っていた。目頭のシワが目立つようになって、全体のたるみも見受けられる。加えて肌の乾燥がとても酷い。まるで砂漠の中で1日歩き続けたんじゃないかくらい乾いている。とても同い年とは思えなかった。ただ、そんな気持ちは心に押し

          [ショートショート]不安

          [ショートショート]気持ち

          誰かを好きになるってどんな気持ちなのだろう。 好きって感情は一体何を意味したのだろうか? 好きになるってどんな状況? どんな状態になったら好きになるの? 答えは出てこないまま時を重ねる。 人を尊敬することは理解できる。 好きになるってその延長線上なのか? アイドルの推しに熱狂するのはまた別? そんなことを考えると堂々巡り。 結局答えは出ない。 でも、ひとを好きになるって素敵なことは理解できる。

          [ショートショート]気持ち

          [ショートショート]

          夜中になると必ず目が覚める。 しかもきまったじかんにだ。誰かに促されるでも支持されるわけでもなく自分の意思である事は間違いない。潜在意識に潜り込んでいるのかもしれない。 「今日も目が覚めてしまった。」 デジタル時計を見ると1:27を表示していた。ここ2週間毎回同じだ。そう思いながら重い頭を振りながら起き上がる。また目を閉じても寝れないのは最初の3日間で学んだ。もう同じことはしない。 いつものように適当な服に着替える。黒の上下のスウェット。これも2週間変わっていない。

          [ショートショート]

          [ショートショート]いつもの

          この街に来てからもう3年になる。 新しい土地にもそろそろ慣れてきた。その中で囁かな楽しみが最近増えてきた。 行きつけのお店が何軒かできた。元々自炊ができない自分なので外食が基本だった。 ずっと昔から憧れていた「いつもの」がようやく通じるようになってきた。元来影の薄い自分にはハードルが高かった。だからいつ使っていいかも分からなかった。 毎回次こそはと思いながらサバの味噌煮定食と言ってしまう。 今日こそはと決心して暖簾をくぐった。 「いらっしゃいませ〜いつのものでいい

          [ショートショート]いつもの