【伊坂幸太郎好きなあなたに】悪い夏(染井 為人)
中学時代、伊坂幸太郎作品にどハマりし、当時出ていた全ての作品を読んだ。
1年生の後輩が薦めてくれた「死神の精度」をきっかけに(どんな中1?)、「アヒルと鴨のコインロッカー」と「陽気なギャングが地球を回す」で読書の面白さに目覚め、「魔王」でひん曲がった性格の基礎が築かれた。
中学2年生の私の口癖は、「考えろ、考えろ」だった。
魅力的な登場人物たちの独特の言い回し(当時めちゃくちゃかっこよかった)や細かな伏線はもちろんだが、私は特に、終盤にかけての畳みかけるような展開にいつも圧倒されていた。すっげーーー。となっていた。
今回、そんな伊坂幸太郎作品を思い出させる作品に出会ったので、紹介したい。
とある自治体の福祉事務所が舞台の、生活保護をめぐる話。
主人公は福祉事務所に勤める真面目な青年で、あるケースとの出会いから、人生がおかしな方向へ転がっていく。
章ごとに複数の登場人物の視点が描かれ、物語が少しずつ絡み合って、クライマックスに向けて一気に加速していく爽快感は、伊坂ワールドを彷彿とさせる。
ページをめくる手が止まらない。テーマも展開も重たいけれど、エンタメ!って感じ。
ただ、読んでいて基本的にずーっと嫌な気持ち。
やばい人ばっかり。
まったく感情移入できないので、外から展開を追うような読み方になる。
それでもどんどん読み進めちゃうくらい、展開に圧倒される。
伊坂幸太郎作品が好きな方は、ぜひ読んでみてください。
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