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先にお金を得られる不自然さを勘違いしてはいけない。
風俗の仕事は色々な意味で特殊な世界だ。
まず、世の中の理として、どんな物事もやり始めの新人が一番下であるのに対して、
風俗の世界では、何もできない子、接客技術が一切ついていない子にら一番価値がある。
この業界は不思議なことに素人ということに
意味の分からないほど付加価値がついている。
何もできない、分からないことが良しとされていて、仕事なのにそんなこと通用するのかというくらいそんなんでいいんだとびっくりするくらい。
そしてなんの資格も経験もいらず、
よっぽど容姿がその店のらコンセプトに合わないとかじゃない限り、面接したらほぼ入店出来て、すぐさま仕事が入り、その日のうちにお金を手にすることができる。
一般的に、仕事というものは、まず最初は上の人について仕事を覚えたり、カバーしてもらいながら、だんだんと覚えていくものだ。
雇用されていれば給料は出るが、
それも会社からしたら全く仕事ができない人に教えてそして給料を払っている状態は完全な赤字、マイナスである。
さらにこれが自営業やだったとしたら、
最初から売り上げなど全く立たない。
個人でやると、まずは実績を作るために自分のサービスを受けてくれるモニターを募集してお客さんを募り、同時にスキルアップのための勉強や情報収集をしつつ、同業で売れてる人のサービスを体験するために実際に自分がお客さんになってみたりと、お金になるまでは、逆にたくさんのお金を使う=投資するところから始まる。
無料もしくは安価な価格でしばらく提供して実績を作り、ようやく認められてお客さんがつく、
買ってもらえるようになる。
これは、あるインフルエンサーが言っていたことなのだが、全てのビジネスは
まず時間を使い→能力を磨き→人に認められ求められ→それでようやくお金になると。
時間→ 能力 → 評判 → お金
(時間資本)(人的資本)(社会資本)(経済資本)
しかし、風俗の仕事はこれが真逆だった。
まず、お金になる。どんな人間でも、とにかく女でさえあれば、健康な身体があれば、無愛想でも全くスキルがなくても、すぐにお金になる。
どんな日雇い仕事でも手続きに2、3日かかるのに対して、風俗は即日お金になる。
あまりにも早すぎるのだ。
だからやっぱり多くの人が勘違いしてしまい、こういった業界が乱れて健全じゃなくなるのは仕方のないことだ。
そしてこの感覚のままビシネスをやろうとすると痛い目を見る。
引退したキャバ嬢なんかよく社長になるが、大抵痛い目にあって失敗している。
何故なら、みんな最初にお金を得ようとするからだ。
もちろん、ビジネスだし利益を出すためにやるのだから、利益追求は悪いことではないし、むしろ当たり前だしたくさん稼ぐことは大事だ。
だけど先にお金はついてこない。
目先のお金に目がくらむと、絶対におかしなことになってしまう。
絶対に成功する、しないとダメだという強い
覚悟をもってやるのはいいが、最初からお金にしようと、お金しか見えてないのはダメだ。
まず、スキルを身につけるために大量の時間を投入する。そうするとスキルが身につく、能力が高くなる。そうなって初めて求められる人になる。だから仕事がどんどん入ってくる、そうなってからようやく初めてお金になる。
これが正しい順番だ。
風俗の仕事は、これが真逆だから
まずお金を頂いてから→接客していくなかで徐々にお客さんに信頼され→そして評判が立ち、
指名が増えて→スキルが身につき→
そうやって初めて長く続けられる(時間を投資する)仕事になる。
だから風俗の仕事を長く続けられる人は少ない。
先にお金を得られるものは長く続けられない宿命にある。
この順番に多くの人が気付けないから、お金、おお金で次にいけない、次に気づかない、次を磨こうとしない。
私もやっぱり、風俗を辞めてから様々なことに挑戦して、なんでこんなにお金にすることは難しいんだろうって実感した。
だから何度も風俗の仕事に戻りたくなった。
風俗の感覚のままやって、先にお金を取ろうとして焦って失敗したことが何度もある。
信用が得られない人のところにお金は集まらない。世の中の真理であるのに、風俗の世界はズレているから、そこにちゃんと気づけた私は良かったと思う。
逆に、すぐ即金になる仕事はいい面もある。
どうしても困窮して、今日のご飯にもありつけない女性や、その子どもなど風俗はギリギリの
女性たちの救いになっていることも事実だ。
そういった仕事、風俗の仕事も世の中には必要なのだ。
いちばんいいのは、即金になる仕事を持ちながら、やりたいことのための時間を確保し、力をつけていくことだ。
そうすれば勘違いせずに、目先の利益を得たいがために間違った道をいくことはない。
もうどの業界の全ての成功者が、お金は後からついてくる、と口々に言う意味がよく分かる。
世の真理なのだ。
風俗の仕事はその逆を言っているけれど、
その逆を最後までたどっていけば、世の理と同じ場所に辿り着くことは真実だ。
私がただお金を稼ぐことだけを追求しなかったことは、結果的には良かったのかもしれない。私がもしナンバーワンとかになってたくさん稼いでいたら、勘違いしたまま変なビジネスに手を出して破滅していただろう。
そんなことにならなくて本当に良かったと思う。
風俗の仕事はなぜすぐお金になるのか。
そこにはどんな背景があるのか。
改めて考えることで風俗の仕事のまた違った面を見つけられるかもしれない。