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「理解する前に行動するのは無責任である」アルフレッド・ジャー展/広島現代美術館
先日、広島現代美術館ではじまったアルフレッド・ジャーの個展を観に広島まで行ってきました。このインタビューを読んで、今年の春くらいから行くことは決めていたのです。
2年前にMAKI FINE ARTSでこちらの作品を鑑賞して以来気になっており、色々調べていた時期もありましたねぇ。そしたら翌年の藝大院試の小論文で出題されるという…。
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この前も東京のギャラリーで拝見することができました。
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アルフレッド・ジャーは僕自身、結構勇気をもらったアーティストでもあります。なぜかと言うと、美術をはじめた当初アトリエで絵画を制作していたのですか、元々外を飛び回っていたので、性格的にアトリエに籠るの向いてないのではと悩んでいた時期もありました。
その時にジャーを知り、彼も(NYにスタジオを構えてはいるが)外に出向いていくタイプであることを公言しています。自分を表現するのではなく、外で起こっている問題や政治的なことをアートとして発表していきます。
あらゆる作品は理解や知識のもとに成り立っています。つまり、リサーチに基づいているのです。私はアトリエで制作を進めるアーティストではないし、ゼロから、もしくは自分の想像だけで作品を創り出していくわけでもありません。私のすべての作品は現実に基づき、具体的かつ特定の現実に反応しています。第一の目的は現実を実際に理解すること。大量の時間をリサーチに注ぎ込み、必要充分な情報を蓄積することで、問題に向き合い、その問題に対する考えを述べはじめる権利、資格、機会を得たのだと感じます。十分な情報量が得られなければ、プロジェクトを始めることはありません。
彼は「99%の思考と、1%で作れ」と語っています。
モノを作るより、考えることの方が好き(得意)な俺からしたら「こんなタイプのアーティストがいるんだ」「俺もこういう風な感じでいいんだ!」と思ったものです。
広島の展示は、せっかくなのでジャー本人がトークショーを行う初日に行ってきました。そこで感じたことや僕からジャーに質問したことなどをまとめていきます。
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「99%のリサーチに基づいて、1%で作品を作る」の意味
さて。先ほども紹介した「99%の思考と、1%で作れ」という言葉はこのトークでもよく言ってました。笑
99%のリサーチに基づいて、1%で作品を作る。
理解する前に動くことはない。というか、行動してはいけない。理解する前に行動するのは無責任であると。責任のある知識が出るまでは動かない。
ジャーは「どのように作るかとかはアートではなく、それはクラフトである」と言います。最も重要なのは「アイデア」だと。
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美大で教える時も、学生たちにモノを作るのを辞めさせて、まずは自分たちの周りで何が起こっているのか、話し合うことをするそうです。
これは日本の美大の弱点かなぁと思います。技術は教える(教えることができる)けれど、肝心の頭を使うところはないがしろにされている気配は感じます。その点、自分のいる学部を上げるつもりじゃないですが、藝大の先端芸術表現科は「考える」ことを優先しています。実際、言語化の授業多いですからね。だから大学院はそこを選んだのですが。
何度も繰り返し「Responsive Knowledge」というワードを使っていたのが印象的でした。
ミニマリズムと日本人作家からの大きな影響
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