【読書感想文】アイスをのせたクッキーを食べながら読みたいお話
Marbleコミュニティのとあるメンバーから住野よるさんの作品『また、同じ夢を見ていた』を紹介していただいた。その本は私のリクエスト(ネタバレにつながるのでリクエストの内容は秘密)に合わせて選んでいただいたものだ。
読み終えた率直な感想は「幸せ」だった。まるでとびっきり甘いプリンを食べ終えた後に味わう幸福感に全身が包みこまれていた。正直この感覚を言語化することすらももったいないと思っている。
物語の中では一貫して人生とは何か、幸せとは何かと問われる。塞ぎ込むことが多かった中高生時代に考えたものの導き出された答えは決して胸躍るものではなかったはずだ。
けれどこの本の中で提示された答え(もちろん無数に存在するであろう答えの一つだが)に私は大いに納得させられた。そして同時に人生においてその答えを何度も考え、見つめ直さなければならないことにも気づかされた。たとえ忙しない日々を送っていたとしても。
ともかく今後誰かに本をおすすめする、もしくはプレゼントとして贈る機会があればこの本にしよう。その人にも「お菓子」をおすそ分けする気持ちで。