だし
お味噌汁をよく作る。
出汁は、昆布といりこでとる。
鰹節より手軽な気がして、そうしている。
たまに鰹節で出汁をとると、黄金色でとてもいい香りがして「うわぁ」と思うけれど、日頃はいりこを愛用している。
出汁がうまくとれると、家族の反応がまるで違う。
手でお椀を包んで満足した顔をしている。
「あぁ、おいしい」と言ってもらえると、とてもうれしい。
和食以外では、あまり出汁からとることはない。
昔、一度だけ鶏のガラでスープをとってみたけれど、あまり記憶に残っていない。
どちらかと言うと、手羽元で鶏鍋をしたときのあの旨みは忘れられない。
おいしい出汁があれば、もうしあわせを手に入れたも同然だ。
なんだろう。
ずっと味わっていたい旨み。
おいしさが複雑に絡み合っているけれど、渾然一体となって口に入ってくる。
とても奥深い。
ラーメンもスープを飲みすぎるのはよくないと分かっていても、おいしさを少しでも分かりたくて飲み続けてしまう。
いや、ただただ味わいたいだけかもしれない。
お店でも何でも、人が作ったおいしいものを食べると、作った人のことを考える。
これまでの人生の中でも、思い出す味はいくつかあって、作ってくれた人のことは大好きだ。
と言いつつ、インスタントやジャンクな味も捨て難い。
ただの食いしん坊の戯言でした。