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「人を見るためのフレームワーク」で自己評価してみた

「人を選ぶ技術」という本に、「人を見る目」には技術としての型があり、トレーニングできると書いていた。






本の中では、「人を見る」という力を鍛えるための方法として、以下のとおり書いてあった。

「まずはある程度の「型」を、体に入れておくことが近道となる。

(中略)

人を見るための思考の枠組みとなるフレームワークを持ってはじめて、なりゆき任せではない、意志を込めた試行錯誤が可能となり、習得が進むのである。」

小野壮彦「人を選ぶ技術」p76


人それぞれのセンスや思いつきではなく、具体的にトレーニングで身に付けられ、再現可能な技術として、「人を見る」力を捉えていた。


では、「人を見る」ための型とは?

本の中では、「人を見る」ためのフレームワークとして、具体的には、人は以下の「4つの階層」で構成されていると書いていた。 

1、経験・知識・スキル
2、コンピテンシー 
3、ポテンシャル
4、ソース・オブ・エナジー


コンピテンシーとは、
「その人が"どんなシチュエーションで、どういうアクションを取りがちか"という、固有の行動のパターン」だ。

また、重要なコンピテンシーとして以下の3つを上げていた。
・成果志向
・戦略志向
・変革志向


次に、ポテンシャル。
簡単に言うと、器であり、伸びしろということだった。 

さらに、ポテンシャルは以下4つの因子で測ると書いていた。
・好奇心
・洞察力
・共鳴力
・胆力


好奇心とは、「新しい経験、知識、率直なフィードバックを求めるエネルギーの強さと、学習と変化への開放性」

洞察力とは、「新しい可能性を示唆する情報を収集し、理解するエネルギーの強さ」

共鳴力とは、「感情と論理を使って、自分の想いや説得力のあるビジョンを伝え、人々とつながろうとするエネルギーの強さ」

胆力とは、「大きなチャレンジがある課題を好み、困難な目標に向かって戦うことに強いエネルギーを得て、逆境から素早く立ち直る力を持つこと」
ということだった。


そして最後が、ソース・オブ・エナジー
言い換えると、その人の精神性であり、ヒリヒリするような頑張りを生む力。それは、「使命感」であり、また、「劣等感」だと考えると、本の中で書いていた。


人を見るための思考の枠組みは大枠4つの要素(+下に7つの項目)に分解できる、と本の中で書いていた。



自分をフレームワークに当てはめてみる

では、実際この「人を見る」型に当てはめてみると、どうなるんだろう?

気になったので、身近な例として、まずは自分をこの型に当てはめて見てみることにした。

1、経験・知識・スキル


・経験 △
勤めた部署数が少ないため、バリエーションが少ない。産休・育休で2年間の空白期間がある。

・知識・スキル 普通
勤めた部署内では、幅広く学ぶ姿勢が見られる。

2、コンピテンシー

・成果志向 ◯
目標達成は当然としたうえで、さらに付加価値を得ようとする努力が見られる。

・戦略志向 △
個人レベルの戦略、部署レベルの戦略を立てようと努力している。
もっと視野を広げ、自社全体の戦略を立てられるようになることが課題。今後、業界全体の戦力を立てる能力にまで目を向けられるようになるとより良い。

・変革志向 普通
現状を把握し、常に改善しようとする動きが見られるが、行動や結果が伴っているとは言えない。人を巻き込む力があるとより良い。


3、ポテンシャル

・好奇心○
多様なジャンルを開拓し、幅広く興味関心を持ち、学ぶ姿勢は良い。また率直なフィードバックを求める姿勢も見られる。
現状を少しずつ徐々に変えていくことを好むが、新しいことに飛び込むことには尻込みしているため、積極的にチャレンジできるとよい。

・洞察力 △
情報を収集し、分析する姿勢が弱い。

・共鳴力 △
自分の想いを伝えることはうまくはない。聞く姿勢に回ってしまう。人に頼り、人を巻き込む姿勢が必要。

・胆力 ◯
非常時のほうが燃えるタイプ。そういう場面でより力を発揮できる。ただし非常時が終わった後に、燃え尽きてやる気を無くす場合がある。


4、ソース・オブ・エナジー 普通

業界全体に対する使命感を持っていることを自分で自覚している。また使命感と劣等感が結び付いている。
想いを大きなパワーに変えることができると強くなる可能性があるが、今は発揮しきれてはいない。

私の要素をまとめてみると

◯:成果志向、好奇心、胆力
普通:知識・スキル、変革志向、ソース・オブ・エナジー
△:経験、戦略志向、洞察力、共鳴力
ということみたいだ。


好奇心や頑張ろうとする気持ちは強いが、
思考力が弱く、人を巻き込む力が少ない。またそもそも経験が少ない。
ということかな、と思われる。
(うん、思い当たるふしがたくさんある……)


本の中で因子を色で例えるところがあるのだが、私でいうと
熱意みたいな赤は持っていて、分析力のような青、人を巻き込む力のような黄色が足りない
というかんじかなと思う。


また、自分で枠に当てはめてみて、そもそもとして、ソース・オブ・エナジーが普通程度にはある(△ではない)ということは利点であり、伸ばせると強いのではと感じた。
逆に、自分を型に当てはめて考える中で、経験が少ないことを、自分は大きな引け目に感じていることに気づいた。

あくまで自己評価でしかないが、要素に分けて見てみると思うことが結構あった。




「人を選ぶ技術」の中で、こう書いてあった。

「繰り返しとなるが、人を見るということは、欠点をあげつらって非難したり、排除したりすることではない。相手の能力とポテンシャルを冷静に見抜き、それに合った期待値を描き、委ねるべき仕事をデザインすることが本意なのだ。」

小野壮彦「人を選ぶ技術」p281


「人を見る目」を身につけることは、他人を判断する能力として大事だし、自分自身の良さや伸ばすべきところを把握し、自分に合った仕事のやり方を見つけるためにも役に立つと思った。

自己分析、一度やってみたら気付きがあるかも。


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