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映画感想文#2 『翔んで埼玉』

 埼玉に関する自虐をこれでもかと詰め込んだ本作品、話題になっていた当時は流行りに乗りたくないなとあえて観ていなかった。
  住めば都という言葉はあれど、便利さ、知名度、刺激の多さなどで絞って見てしまえば、東京という都市にライトが当たることは当然だろう。しかしながら、世の中ではどこまでを東京と呼ぶのかという曖昧な疑問や、東京から見る周りの地域への無い物ねだりのような憧れは、今の時代にますます強くなっていると思う。
  SNSが発達し、より慎重に言葉を選ばなければならなくなった世の中でこの作品が脚光を浴びたのは、歯に衣着せぬ物言いにどこか爽快感を覚えた人が少なくなかったのだろう。
  心の中で毒を吐く、それが身内のノリの中での自虐ネタであるならば声に出してもみんなで談笑していた、そんな世界を今は少し懐かしくさえ思う。

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