
140字小説 「踏む男」
さる国に鋼の如き足の裏を持つ男がいた。熱した鉄も火の上も、難なく歩けるらしい。あるとき、男の噂を聞いた王は、負かすため宮殿に呼びつけ、さまざまな物を踏ませた。剣山の上すら歩く男に対し、王はこの世に踏めぬ物はないのかと問うた。男は少し考え、王の肖像画と答えると、王は褒美を取らせた。
さる国に鋼の如き足の裏を持つ男がいた。熱した鉄も火の上も、難なく歩けるらしい。あるとき、男の噂を聞いた王は、負かすため宮殿に呼びつけ、さまざまな物を踏ませた。剣山の上すら歩く男に対し、王はこの世に踏めぬ物はないのかと問うた。男は少し考え、王の肖像画と答えると、王は褒美を取らせた。