もうひとつの平家物語 「龍宮城の巻」
壇ノ浦の戦いで、平家が滅亡すると、建礼門院のようなやんごとなき方の
その後については、知られるところでありますが
名もなき女性たち…。 例えば女官たちが、その後、
どのような人生を送ることになったか…。
お話したいと思います。
皆さんは、「こべけ」という魚をご存じでしょうか。
漢字では、「小平家」と書きます。
昔は、「こべいけ」と呼ばれていたようですが、平家の方々にご遠慮して、「こべけ」と言うようになったそうです。
「こべけ」は、こまこだいとも言われ、金色の鱗に、白い斑点のある小さな鯛(鯛の幼魚)で、7月から8月頃になると、関門海峡の辺りで見ることができます。
この「こべけ」は、平家の女官たちの化身であると、言われています。
壇ノ浦の戦い後、生き延びた平家の女官たちは、現在の下関の南部にある、
彦島や伊崎などに、身を隠していました。
しかし、源氏の追っ手が迫ると、女官たちは、
海に身を投げてしまいました。
その時女官たちは、こう言ったそうです。
「力のない私たち女性は、せめて魚となって、人々に食べてもらいましょう。」
「そして、食べてくれたその人に、私たちの無念な気持ちを宿してもらい、
恨みを晴らしてもらいましょう。」
なんと、すさまじいまでの強さではありませんか。
そして、なんとも…。
悲しすぎる結末ではありませんか。
海に身を投げた女官たちの魂は、龍宮城で、やすらかであると
私は思いたいです。
女官たちの中には、さらに生き延びた者もいました。
彼女たちのお話については、また次回に致します。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
💗感謝💗 天海瑠璃
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