るぱ

るぱです。自分のために書きます。備忘録と創作。

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最近の記事

一人の女が三人の男から一人を選ぶ(あるいは選ばない)話。2。

ほのかな薄明りで、オレンジ色と色香とアルコールが充満している空間に男性と2人で、カウンターに並んで。名前もよくわからない甘いカクテルなんか頼んじゃって。いちごミルクの味がする。 了が見つけてここで飲もうと言った。そう。この人はいつもそうやって言ってくれる。自分から誘ってくれて、わざわざ薫の職場近くまで来てくれる。 そういうところで期待してるんだろうな。ちょっと遠出して、安いスーパーで牛乳やら白菜やらりんごやら、それにビールを半ダース、大量に買い物した日の帰りにばったり会っ

    • 一人の女が三人の男から一人を選ぶ(あるいは選ばない)話。

      無機質でグレーのプラスチックみたいな壁と、グレーの絨毯。LEDの蛍光灯。窓はなし。机は折りたたみ式の白。椅子はやっぱりグレー。蛍光灯の光が充満して息苦しい。真っ白に明るくて、感情がない。 薫が長机の前に一人で座っている。 一人。 ドアをノックする音。律儀に3回。トン。トン。トン。 「どうぞ。」 がちゃ。3人の男が順番に入室する。 「失礼します。」 「失礼します。」 「失礼します。」 そして、お辞儀。ぺこり。ぺこり。ぺこり。 3つ並べられたイスの横にそれぞれ立つ

      • またnoteをはじめてみた。(続き)

        学生時代から走り続けて、青春みたいなこととは縁がなかった。当時は青春に浸らなくても、頑張っていることがあったし、それを頑張っている自分を好きだったし、プライドがあった。だから、羨ましくないと言ったら嘘になるけれど、後悔はなかった。 今いる場所では信じられないほど社交的で、飲み会にも遊びにもたくさん誘われるし、参加している。いわゆる「陽キャ」で、言い方は悪いけれど「カーストの上の方にいる」奴のように振る舞っている。今までの自分を考えたらちょっと信じられない。今日は先輩にキラキ

        • またnoteをはじめてみた。

          ひさしぶりにnoteを開けてみたら、ちゃんと投稿していたのは3~4年前のちょうどコロナ禍でその時も夢に迷っていたなあと思った。 大好きなものがあった。ほかの何よりも、誰よりもいっしょうけんめいになれると思った。いのちをかけられると思った。この人のために命をかけたいと思った人は正直いないし、いたことないし、出会ってない。私は人を信用しないし、今後も出会わない気がする。でも、それには命をかけられると思った。それが世界から消えてなくなるなら(それはたぶん、さすがに、ないと思うし、