「競争の番人(第7話)」ネット社会でのランキングの意味とは?
今回は、閑話休題のような話。つまり、杏、演ずる白熊が、公取の仕事で初めて一人で解決した話。そして、話し相手は、ほぼ大倉孝二だけというなかなか面白い設定。
それはそうと、出演者のコートがやっと脱げた。この回は春に撮ったのだろうか?最近は、ドラマ数も多い中で出演者を回すためもあるのだろうが、こういう季節外れのドラマが少なからずある。まあ、公正取引委員会の話ならあまり季節感は関係ないかもしれないが、先週の話は卒業式シーズンの話だったし、それなりに流れ的には季節に合わせてある。が、今は夏である。
今回の話、それなりに出演者は顔見せはしているが、ほとんどが杏と大倉で進めている。言うなれば、スピンオフ的な作りなのである。まあ、スケジュールのせいとか、パンデミックの関係だったりもするのかもしれないが、やはり、この暑い時期に冬のドラマを見せられているのは少しおかしい。それも月9。昔なら、海辺の話が多く見られたところである。こういう季節感のない作り方も、テレビドラマ自体のファンを減らしていく要因になっているのではないか。
まあ、それはそうと、杏が自ら絡んだ話で、自分で調査して、対象者を聴取まで持っていった話はなかなかまとまりはよかった。だが、結果的には、ネット内のランクの操作の話は、その辺、どこまでが許されるのかがいまいち見えてこないのは、ちょっと消化不良の感じはした。
大体、ネットのランキングが金で買えるようなことは、多くの人が知っていて、私もグルメサイトのそういう動きは実際に知っていた。だからこそ、最近は、そういうランキング自体を信じていない人が、SNSの投稿から食べにいく店を決めるような動きになっているわけで、やはりネットの中でも、嘘はバレるし、そういうものは自然淘汰される時代になってきたわけだ。そういう、実際を知っているからこそ、こういう案件で公取はどのような判断をするのか、すごい興味深いのだが、追い詰めるところがないのはとても残念。
しかし、今回の案件の主役の雛形あきこは、このサイト運営の男に、最初から騙されていたわけで、量産することで服の質が落ちることを止められなかったというのは、よくある話?そして、それは日本のものづくりそのものの劣化を語られているような話で、少し寂しい話ではあった。
そう、彼女たちが新しく、最初の持っていた思いをぶつけて、また成功し、嘘ネットを蹴落とすようなところまで見せてくれると、気持ちがいいと思うのだが、今回の主役は、あくまでも白熊さんなのですよね。
そして、最終章に入るという予告的な流れで終わったが、ここに持っていく前に、あまりにも、のほほんとした話でしたよね。こういう連続性のなさというか、まとまりのなさも最近の月9の弱さかな。前作「元彼の遺言状」もその前の「ミステリという勿れ」も似たようなところありましたよね…。