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「競争の番人(第6話)」競争を守るという事が事業を栄えさせることだという本質を描く

このドラマ、全て2〜3回で一事案かと思ったら、そうではなかった。原作に、それなりのボリュームの差異があるのだろう。今回は一回でまとまる話。まあ、テレビドラマにしたら、こういう方が視聴者にはありがたい。続きものは、前を見ていないとわからないしね。今期のドラマの視聴率が軒並み悪いとの記事もあったが、もはや、ネット配信もしてる中で、視聴率でもないだろうし、その後にどれだけリピートされるかの競争にもなってきているのだろうから、ドラマ自体の1回1回のエンタメ性というのは実に大事なのだろうなと思ったりするわけですよ。

そして、今回、呉服屋の大手が小さな呉服屋を潰そうと動いてるという話が公取に持ち込まれ、その大手呉服屋のオーナー(真飛聖)と公取の小池栄子が7年前に、取り締まれなかった事があり、小池自身が、いつものクールな感じではなく、感情的に動き出すという話。

今回も、坂口健太郎の、個人的な頭の中でさまざまな事がまとめられて行って、結果的には、彼一人でこの事案のカラクリを暴くという話である。そういう意味では、ドラマのおおよその部分が、坂口の頭の中で行われ、他の公取のみんなが動いているのが無駄な感じになってるのは、どうにかならないものか?今回は、寺島しのぶも出てこないし、無理やり大倉孝二が取ってきた立ち入りの許可も無駄になった(実際は独禁法違反がない事がわかったので意味はあるが)わけで、色々と、無駄な見せ場みたいなのが多い感じはドラマとしては弱い感じがした。坂口が小池にある程度の情報を流して、小池にもう少しうまくやらせたらとかなかったのでしょうか?

大体、公取が、事案を振ってきた真飛の弟子である、萩原みのりが、質の悪い着物を販売してることを、坂口以外も早く気づくべきなのですよね。そういうところは、公取はプロでなくてはいけないのでは?萩原の自分がのし上がりたいがための悪巧みは、色々とバレやすい状況にはあったわけで、坂口以外が全く気づかないのもおかしいですよね。でも、真飛を訴えようとして、結果的には自分が危機を背負うことになった萩原の完敗で、その危機を真飛が、ものの見事に処理してしまう姿は、ドラマ的に面白かった。

とはいえ、今回は、真飛聖の貫禄ある、呉服屋の女将っぷりが見応えありましたね。本当に、この人、見た目よりすごく器用な女優さんだと思います。演技としても、店で社員を怒る姿、お客さまへの顔、萩原をなんとか育てたいという顔、それぞれにニュアンスを変えて演技していて、観ていてもその心根観たいなものがよくわかる。宝塚出身で基礎は学べても、こういう振り幅の広さを持った人は、これからも貴重でしょうね。

今回は、「質の良いものは重い」という概念が最後に確認されていましたが、先週までやっていたPCなどは、「軽くて質がいいもの」が求められているわけで、公取って、さまざまな世の中の商品や事業に精通していないとできない仕事だったりするということが伺えますよね。そういう、世の中の知識のスーパーマン的な部分も話の中に入れてほしい気はします。

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