「パンドラの果実〜科学犯罪捜査ファイル〜」シンギュラリティが迫ることの警告SFドラマ?追う3人のチームワークが魅力的に描けるか?
まあ、AIを使った犯罪を追求するドラマということで、それなりに期待して観た。まあ、及第点だろう。テイストは、「怪奇大作戦」的なものを感じた。あれが放送された頃は、そんなPCが発達していない頃。それでも「京都買います」で観られたような物質伝送みたいな話が出てきて、子供心にはそんな未来が可能なのか?と色々考えた。それが、今は、量子力学などが研究され、無理でもないように感じてはきている。
このドラマも、シンギュラリティという言葉が出てくるように、現在できることよりも2歩以上先のことを描こうとしているようだ。最初のネタは、人間の脳のデータの全移動。これができれば、体は死んでも、脳は残る。そして、死んでも、研究が継続できるようなことができたり、死んだ人間の詰め込んだデータを活かせると考えたりするわけだ。その研究の果てに、怨恨の記憶も残るのか?という疑問が提示されたりする。それなりに面白かった。でも、結果的には加害者は人間なわけだ。ロボットが人間を殺すような感じにはなっていない。それは、物語を作る人の寸止めというところだろう。喜怒哀楽をロボットがデータとして覚えられるようになったら、自動販売機に悪口を言って、殺されたりもするかもしれない。科学者はそれをとことん追求したい生き物だ。
そういう部分に嫌気を感じて、山奥でうなぎの完全養殖を研究していたのが、ここの岸井ゆきのである。そして、捜査の中心にいるディーン・フジオカが、妻がコールドスリープ状態。科学に興味がないユースケ・サンタマリアと、この3人、なかなかいい取り合わせ。面白い。そして、その上司が板尾創路というのも、アクセントとしては良い。そういう感じで初回はなかなか面白かったし、今後も脚本がどういう事件を送り込んでくるか楽しみなところ。
しかし、ディーン・フジオカに岸井ゆきのという取り合わせが、なかなかうまくいってるのが不思議だった。岸井が最近、ピュアな存在というだけでなく、綺麗になってきているのがそう見せるのか?人に簡単にニックネームをつけるような感じは昔のままなのだが、何か、役をとても強い感じにするパワーが彼女に出てきたように思う。
今回の事件は、結局、ロボットの脳のデータに理性があったということなのだと思う。それを確認して、フジオカと岸井は死ぬのを逃れた感じ。でも、この最後のこの所にユースケがいないのはどうなのだろうか?初回では、結局彼のいる意味みたいなものが見えてこなかった。この辺は脚本がサービス不足。
ある意味、こういう題材で、こういうテーストでドラマを作れるのは、日テレらしさみたいのを感じた。そう考えると、これから、ドラマがあまり盛り上がらないままに続く可能性もあると思えるのだが、まずは次週を期待するところ。