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2022年新作映画レビュー

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2022年に見た新作映画のレビューです。
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2022年7月の記事一覧

「私は最悪。」人生の目の前の事象に流されながらダラダラ生きて後悔する話

そう、主人公は大学で医学を学べるほど、頭はいいのだ。そこで、「私は人の身体よりも心に関心がある」という結論に達する。まあ、どこの大学でも、入ってから「これは私に合わない」と思う人はいるわけで、不思議なことではない。男も、自分にはないアートの才能を見て決めているような、まあ、出たとこ勝負の主人公なのである。悪く言えば目標なしで、ダラダラ生きていく感じ。考えれば、世の中って、こういう人が圧倒的多数だろう。そして、そういう生き方では、なかなか幸せな感覚も、自己承認欲求も満たされない

「エルヴィス」アメリカの象徴を表舞台にフューチャーして描いて欲しかった気がするのは私だけ?

エルヴィス・プレスリーが1950年代にデビューしてから、1977年に42歳で亡くなるまでのストーリー。彼が亡くなって、今年で45年。そんなに経ったのかと思うのと、だからこそ、この映画ができたのだなと思ったりした。と考えると、若者が結構見にきていたが、ほとんど彼のイメージがない人が多いのではないか。 私とて、どちらかといえばビートルズから洋楽を聴いてるような世代だから、その前のロカビリーなどと一緒に一昔前のものという印象がある。だから、彼がなぜにアメリカでもてはやされたか?と

「リコリス・ピザ」ダラダラな70th青春映画で、何を語りたいのか?

ラストシーンは、綺麗にキスで決まった青春映画である。舞台は70年代、ベトナム戦争とかオイルショックとか歴史的な背景も入れながら、高校生と少しお姉さんの彼女との恋愛話をとにかくも、ダラダラと、いろんな人物を交えながら、そして下ネタいっぱいに描き上げる70thムービーである。ファッションと音楽の雰囲気で、その空気感は作り上げられているが、1970年生まれのポール・トーマス・アンダーソン監督にとっては、その空気感はわかっても、当時、若者をやっていたわけではないから、実体験みたいなも