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#櫻坂46
君と僕の行方 ~Prologue~
___恋とは、苦しみだ。
しかしそれを得たことのない者は不幸であると思う。
___そして、それを失ったことのない者もまた...不幸であると思う。
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『ごめん、〇〇の事は好きやけん...友達以上には考えられない...これからも友達じゃ...だめ?』
脳内で何度もフラッシュバックする言葉。
今日、ずっと大好きだった人に告白した。しかし結果はこの通り惨
君と僕の行方 第1話
___全ての時が止まったかのように、僕の耳には何の音も聞こえなくなった。
視界が明滅する。今、なんて?
ひかる:私...彼氏...出来た...
〇〇:...そっそうなの!?それで...こんなことしてて...いいの?
僕に抱きついたまま離れない彼女に何とかそれだけ絞り出す。
ひかる:これは...そういうのとは...関係ないけん...〇〇の匂い...安心するんよ...だめ?
そんな上目遣い
君と僕の行方 第2話
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第2話
~窮地とお人好し
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___私達、付き合わない?
麗奈と付き合い始めて1週間が経つが、僕達の関係は今までとさほど変わらない。
相変わらず保健室登校の彼女とは放課後にしか会えないし、帰りは親が迎えに来るので一緒に帰ることもない。
だけど僕は、毎日のこの少しの時間がすごく好きだ。
今日あった出来事を話し、それを楽しそうに聞いてくれる彼女。
__こ
君と僕の行方 第3話
___嘘とは毒である。ついたものの身体に徐々に回り、最期は___
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第3話
治まらない胸騒ぎ
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麗奈:〇〇!次あのお店見たいな!
〇〇:ちょ…ちょっと待って...そんなに急がなくても...
僕の手を引き今にも走り出しそうな麗奈を嗜める。
僕達は今、近所のショッピングモールに遊びに来ている。
遡ること3日前__
麗奈:ねぇ、今度の土曜日空いてる?
君と僕の行方 第4話
麗奈が姿を見せなくなってから1週間が経った。
携帯での連絡にも一切返信がない。
彼女の痕跡は文字通り
__消えてなくなった。
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第4話
君がくれたもの
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〇〇:麗奈...どこ行ったんだよ...
あれから毎日放課後例の空き教室で麗奈を待つ僕にも、そろそろ限界が近付いて来ていた。
ひかる:...〇〇?
〇〇:っ!?...あぁ、ひかる...
隣にはひかる
君と僕の行方 第5話
___何かを得ようとした時、対価に迷うなら諦めた方がいい。
本当に欲しいものは、何を失っても手に入れたいものだ__
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第5話
君との未来
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あれから3ヶ月が経ち、僕は進級して3年生になった。
今年は受験の年。周りからの無言のプレッシャーに悩まされる時期だ。
かく言う僕も例外ではなく、先程行われた2者面談では"もう少し勉強しないと厳しい"などと言われたばかり
君と僕の行方 第6話
__蝉の声が五月蝿い7月。世間は夏休みだと言うのに僕は図書館で真面目にお勉強だ。
高校受験が日に日に近づき、謎の緊張感と闘いながら、ようやく勉強に本腰を入れられるようになったという訳だ。
〇〇:ふぅ...こんなところかな...
一息ついて隣を見る。参考書片手に真剣な表情の彼女。僕はその横顔をしばらく眺めた。
ひかる:...ん?どうしたん?
〇〇:ううん…ちょっと休憩してた。
ひかる:ふ
君と僕の行方 第7話
『それでは、第46回、××中学校卒業式をとり行います』
静寂に包まれた体育館に仰々しいアナウンスが流れる。
そう、今日は卒業式。
京介:しっかしみんな揃って志望校受かって本当に良かったよなぁ...
〇〇:おいおい...式の途中で喋るなよ...
京介:大丈夫だって。どうせ誰も聞いてねーよ。
それより、オレは今日やるぜ。
〇〇:...何を?
京介:藤吉さんに...告白するんだ。
〇〇:
君と僕の行方 epilogue
___信じよ。さすれば与えられん。
厳しい寒さもどこかへ消え、暖かい春がやってくる。
店の窓からもよく見える大きな桜の木は今年も満開だ。
アケミ:...今年も綺麗ねぇ...
カウンターに頬杖をつきながら1人呟く。
あら、ごめんなさいね?自己紹介してなかったわ。アタシはアケミ。この『占いの館』の店長。
性別?そんな事知りたいの?ウフフ♡強いて言うなら『私はどちらだと思われても構わない』と