秋から冬にかけてハーフマラソンやフルマラソンで大幅に自己ベストを伸ばすために夏場にやって欲しい4つのこと
皆さん、こんにちは!
ウェルビーイング株式会社代表取締役の池上秀志です。
弊社ウェルビーイング株式会社も皆様のおかげさまで創業5年目を迎え、コロナとともにスタートした激動の時代において、のべ7000人のお客様をお迎えさせて頂き、その過程において60歳を過ぎてから走り始めてサブ3やサブエガを達成された方、たった一年間でマラソン3時間16分から二時間半くらいまで記録を伸ばされた方、陸上歴50年で60歳を過ぎてからもう一度800Mの記録が伸びてマスターズの日本一を目指されている方、中学滋賀県チャンピオン3人に、40何年振りの近畿高校駅伝出場を目指して、一年間で3000Mの記録を1分以上伸ばしている高校生たちなど、本当に10代から70代まで、800Mからフルマラソンまで男性女性問わず、レベルを問わず、様々な方が大幅に記録を伸ばしてきました。
しかし、冷静に考えてみてください。これって普通に考えたらおかしくないでしょうか?
人間関係一つをとっても、男性と女性では違うし、60歳以降の方と中学生、高校生ではコミュニケーションの取り方が異なります。世代間における価値観も人生観も全然違います。
にもかかわらず、距離が全く異なる800Mとフルマラソンの両方を教えられるっておかしくないでしょうか?
一体距離が何倍違うんだという話です。
コミュニケーションに関して言えば、まだ同じ人間が意思の疎通を図るだけなので、何となる部分も大きいですが、身体的な違いは10代と60代では圧倒的に異なります。
にもかかわらず、なぜ両方教えられるのでしょうか?
答えは簡単で土台の部分は同じだからです。別の言葉でいえば、基本は同じだからです。基本的にはフルマラソンが速い人は800Mも速いです。
確かに、日本一になろうと思えばだいぶ専門性が異なると言わざるを得ません。ただ、断言できるのは日本のトップマラソンランナーの中で、800Mだけは素人レベルという人は一人もいないということです。男子であれば、例外なくせめて一分台では走るでしょう。
そのくらい基本の部分は同じなのです。なので、基本といっても良いのですが、あえて土台と本ブログ記事内では書かせてください。なぜならば、土台という言葉の方がしっくりとくるからです。
基本と言われるとなんとなく、技術的なことを思い浮かべてしまうのですが、私が言う土台というのは技術的なことよりも体の基礎的な強さのことです。
そして、この基礎的な体の強さに専門性を加えていくことで、その人に合った練習計画、そしてその先にある大幅な自己ベストの更新というものがあります。基礎的な体の強さに上に積み上げていく、逆に言えば、それがなければどんなに頑張ってもその上には積みあがっていかない、そういったことを踏まえると土台という言い方がやっぱりしっくりと来るかなと思います。
そして、土台とは何か一言でいえば、疲れにくいかどうかと壊れにくいかどうかです。
えっ?
そんなの年齢で決まるんじゃないの?
若い方が疲れにくいし、ケガもしにくい、歳をとれば疲れやすいし、ケガもしやすい、それだけのことじゃないの?
そんな風に思われる方も多いと思います。そして、お気持ちは分かります。それが世間の一般的な考え方ですし、実際に加齢とともに体はケガをしやすく、疲れやすくなっていきます。何もしていなければ・・・
そうです。何もしていなければの話です。
基本的にはトレーニングを積めば、年齢を重ねても疲れにくく、故障しにくくなります。これは加齢を抑えるとかいう話ではなく、文字通り若返ります。なにも運動していない22歳よりも、日々トレーニングしている50歳の方が疲れにくく、壊れにくい体になります。少なくとも、長距離走、マラソンにおいてはそうです。
私は不摂生をしたことがないので、徹夜をしても耐えられるのかどうかということに関しては知りません。ただ、長距離走、マラソンに関して言えば、何もしていない22歳よりも日々トレーニングしている50歳の方が疲れにくく、壊れにくいです。
そして、これは同年代を比較しても同じことであり、基本的には競技能力とはこの疲れにくさと壊れにくさによって決まると言っても過言ではありません。
なぜならば、中長距離走とは速く長く走らなければならないからです。800Mにしろ、フルマラソンにしろ、距離の長さが違うだけで、どちらも0.1秒でも先着した方が勝ちというルールに違いはありません。
ですから、そのための練習もやはり基本的には速く長くに準じます。
ですが、壊れやすく疲れやすい体では日々の練習の量や質を増やすことは出来ません。そして、日々の練習の量や質を増やすことが出来ない選手はレースでもやはり好結果は出せません。
すべては疲れにくく壊れにくい体を作ることからスタートするのです。
では、そもそも疲れにくく壊れやすい体とはどういうものでしょうか?
まずは疲れにくい体の方から見ていきましょう。
疲れにくい体は1そもそも高負荷な練習をしても疲れないという部分と2トレーニングからの回復が速いという二つの要素から構成されます。
ここでいう高負荷な練習とはその人にとって高負荷かどうかではなく(内在的負荷の話ではなく)、相対的な話です(外在的な負荷の話です)。
例えばですが、あなたは1キロ4分ペースで10キロ走ることはきついでしょうか?
もしも、10キロの自己ベストが40分半であれば、かなりきついでしょう。ほぼ全力でしょう。
一方で、私にとっては低強度に分類される練習となります。せいぜい低強度から中強度といったところでしょう。心拍数で言えば、130か130を少し下回るくらいに収まると思いま
では、この違いは一体どこにあるのでしょうか?
要素はいくつかありますが、一言で言えば単位時間あたりに酸素を使ってどれだけエネルギーを生み出せるのかという能力の差です。単位時間当たりにという言葉が分かりにくければ、一分間にどれだけ酸素を使ってエネルギーを生み出せるのかということです。
体重60キロの物体を10キロ移動させるのに必要なエネルギー量は変わりません。問題はそれを速く動かそうとすると単位時間あたりにより多くのエネルギーを必要とするということです。ゆっくり動かそうが速く動かそうが60キロの物体を10キロ移動させる際に必要なエネルギー量は約600キロカロリーです。
問題はこれを50分で移動させようとすると1分当たり12キロカロリーを生み出す必要があるし、40分で移動させようとすると1分当たり15キロカロリー生み出す必要があるということです。
この時に、1分間に最大で20キロカロリー生み出せる能力がある人と1分間に16キロカロリー生み出せる能力のある人を比較すると前者の方が余裕があるという話です。
そして、もう少し掘り下げて考えてみると、先ほど私は単位時間あたりに酸素を使って生み出せるエネルギー量という指標を用いましたが、そうすると「酸素を使わない方のエネルギーシステムも使えば良いじゃん」と思った人もいると思います。
使っても良いのですが、酸素を使わないエネルギーシステムを使うと代謝に負の変化が生じます。具体的に言えば、代謝の過程で乳酸と水素イオンが生じ、血液が酸性化します。組織が酸性化すると人間の体は正常には動かなくなります。代謝が阻害され、生み出せるエネルギー量が減少します。
また、酸性化されて血液によって組織のイオンバランスが崩れ、筋肉疲労を感ずるようになります。要するに、疲労するのです。
この話をすると「昔は乳酸は疲労物質とされていたが最近の研究では乳酸はエネルギーになるからその考えは間違っている」という人がいますが、これは二つの点で間違っています。
まず第一に、乳酸がピルビン酸に再変換されエネルギーとして使われているのは最近の研究ではなく、もう半世紀も前から分かっていたことです。2009年あたりに八田秀雄という東京大学の教授が「乳酸をエネルギーとして使う」ということを言い出しましたが、今更何を言っているんだというのが一点と、血中乳酸濃度が練習強度の客観的指標としてある程度有用に使えることや理屈はともかく著しく血中乳酸濃度が上昇するペースを長時間維持できないことは現場レベルではよく知られている話なので、現場=現実を非常に軽視していると言えるでしょう。
現場からすると、乳酸が疲労物質かはどうでも良いことであるし、そもそも八田さんの主張するようにすべてを乳酸で解決しようともしておらず、ただ血中乳酸濃度が著しく上昇するような強度を長時間維持することは出来ず、トレーニングによって今までならば血中乳酸濃度が上昇するようなペースで走っても、血中乳酸濃度が上昇しなくなったら、競技能力は実際に向上するという現実があるだけです。
第二に、乳酸がピルビン酸に再変換されエネルギーとして使われるのはミトコンドリアの中のATP回路(クレブス回路もしくはクエン酸回路とも呼ばれる)の中においてです。つまり、有気的代謝においての話です。高強度なトレーニングをした後に軽いジョギングをすることで、乳酸を除去できるのは有気的代謝において乳酸を分解除去することが出来るからです。
つまり、いずれにしても無気的代謝を多く使うとそれに応じて乳酸と水素イオンが生じ、それによって組織が酸性化し、酸性化することによって代謝が阻害されたり、細胞のイオン濃度のバランスが崩れたりするので、筋肉疲労の原因になります。
したがって、酸素を使わないエネルギーシステム=無気的代謝は使いたくないのです。
そんなこと言われても酸素を使うエネルギーシステムと酸素を使わないエネルギーシステムを切り替えるスイッチがどこにあるのか分からないという方もいらっしゃるかもしれませんが、安心してください。
決して、右の乳首を右に3回、左の乳首を左に2回回したら切り替わるというような複雑なものではなく、酸素を使うエネルギーシステムでエネルギーをまかなえなくなったら、自動的に酸素を使わないエネルギーシステムも動員するように我々の体は出来ています。
ここで多くの方が勘違いされるのは、酸素を使うエネルギーシステムから酸素を使わないエネルギーシステムへと完全に切り替えられると思っている人が多いのですが、そうではありません。
切り替わるのではなく、酸素を使うエネルギーシステムは依然として使い続けるのですが、それだけでは足りないので酸素を使わないエネルギーシステムも動員するということです。
電気でいえば、火力発電だけでは足りなくなったから、原子力発電所も稼働させようということです。この時に、電力不足だから火力発電を止めて、原子力発電所を稼働させようと私が言ったら馬鹿ですよね?
電力が不足しているのであれば、両方稼働させないと意味がありません。
よく短距離走のように運動強度が上がると酸素を使わないエネルギーシステム=無気的代謝だけを使っていると思っている人がいますが、それは大きな勘違いです。どんな強度であっても酸素を使うエネルギーシステムは常に使います。無気的代謝はあくまでも足りない部分を補っているのです。
そして、酸素を使うエネルギーシステムがすぐれていればすぐれているほど、体に負担をかけずにより多くのエネルギーを生み出すことが出来るので疲れにくいのです。また、この時に同時に抑えておきたいのは、酸素を使うエネルギーシステムがすぐれていればいるほど、最大下運動をしたときに余裕があるということです。
例えばですが、無気的代謝を使わないという意味合いにおいてのみ言えば、私にとっては1キロ3分半ペースでも、1キロ4分半ペースでも同じ負荷と言えそうです。
ですが、実際にはやはりそうではありません。何故なら、1キロ4分半ペースの方が一分あたりに必要なエネルギー量が少なく、私のエネルギーシステムからすると余裕があるからです。
詳しくは後述しますが、筋力的にも当然楽です。
では、具体的に言えば酸素を使うエネルギーシステムはどうなっているのでしょうか?
酸素は鼻や口から吸って肺に入ります。そして、肺でヘモグロビンと結びつきます。ヘモグロビンと結びついた酸素が血液にのって全身をめぐります。そして、酸素が筋肉の中にあるミオグロビンという筋酵素に受け渡され、最終的には筋細胞の中にあるミトコンドリアの中でエネルギーを生み出します。
ミトコンドリアと書くと「あー、あの理科の実験で顕微鏡で観察したやつね」という人がいるのですが、それはミドリムシです。
ですから、血液を全身に流す心臓の筋力や持久力、ミトコンドリアの機能や数、それから全身にくまなく酸素を運ぶには毛細血管の数や密度が重要になります。ですから、生理学的に言えば、これらの要素が大切です。
あとは酸素を受け渡す筋酵素のミオグロビンの数や機能も重要です。機能に関して言えば、ヘモグロビンと酸素が離れてミオグロビンに結びつく能力のことを酸素乖離能力といったりします。
それから、血液がサラサラであることも重要です。そうしないと、ヘモグロビンが血液中を流れにくいですから。
そして、筋肉内でエネルギーを生み出しても最終的に動くのは筋肉です。
ですから、筋肉も疲れにくい、つまり筋持久力がないといけません。筋持久力は言うまでもなく、質×量であらわされます。ものすごく重たいものを一回だけ持ち上げても筋持久力があるとは言えないし、めちゃくちゃ軽いものを何千回と持ち上げても筋持久力があるとは言えないのと同じで、短距離が速いからといって筋持久力があるとは言えないし、1キロ8分ペースで5時間走れるからと言って筋持久力があるとは言えません。
少なくとも、サブ3やサブエガをするのに必要な筋持久力があるかどうかはそれだけでは分かりません。
そもそも一回の練習において疲れにくいかどうかは酸素を使ってどれだけのエネルギーを生み出せるかと筋持久力によって決まります。
そして、トレーニングからの回復速度を決めるものはなんであるのかということですが、実はこれも要素的には一回の練習で疲れにくいかどうかの要素と同じで、ミトコンドリアの数や機能、毛細血管の本数や密度によって決まります。
これは単純な話であり、我々が生きていく上で必要な生物学的エネルギーは酸素を使ってエネルギーを生み出すことでまかなっているからです。もちろん、材料は酸素だけではなく、炭水化物や脂肪、ごくたまにたんぱく質を使います。だからこそ、腹が減っては戦は出来ぬなのですが、そういった材料を使ってエネルギーを生み出しているのは各細胞内のミトコンドリアです。
ですから、ミトコンドリアの機能が向上したり、数が増えれば疲労の回復も速くなるのです。そして、酸素を含むそれらの材料を運搬したり、代謝の過程で生じた老廃物を運搬するのも主に血管なので、毛細血管の数が増えたり、毛細血管密度が向上すると疲労の回復が速くなるのです。
ですから、体が疲れにくい、疲れたとしても回復が早いということに関して言えば、酸素を使ってエネルギーを生み出す能力を高めること、筋持久力を高めることによってほぼ決まると言って過言ではありません。
では次に、体が壊れにくくなる方を見ていきましょう。
ここでいう壊れたというのはいわゆる故障するということです。厳密な用語でいえば、スポーツ内傷の方です。スポーツにおいても、外部から力がかかって怪我をする場合にはこれをスポーツ外傷と呼びます。
例えばですが、野球の死球で指の骨を骨折したとかラグビーのタックルで鎖骨を骨折したとか、あるいはバスケットボールでジャンプをして足をつくときに捻挫して靭帯が断裂したとか、その手の類です。一般的には、これらはケガと呼ばれることが多いです。
一方で、スポーツ内傷とは内部からの力によって痛めることを言います。
例えば、野球ひじのようにボールを何回も投げることで痛めるとか、ジャンパーズニーのように何回もジャンプをすることで膝を痛めるとかその手の類のことです。基本的にはテニス肘、野球肘、ゴルフ肘のようによくあるスポーツ内傷については特定の名称がついているのですが、私の経験から言えば、特定の診断名をつけることはあまり意味のないことです。
それがハムストであろうとふくらはぎであろうと大殿筋であろうと足底筋膜であろうと、自分の体にかけた負荷が自分の体の耐久性を上回れば故障します。
もちろん、細かいことを言えば様々な要素を考慮にいれなければなりません。その日の体調や筋肉の状態、路面、シューズ、走り方など様々な要素を考慮に入れないとすべてを解き明かすことは出来ません。
しかしながら、基本的な考え方としては自分の体にかけた負荷が自分の体の許容範囲を超えたということに過ぎないのです。
ですから、逆説的ではありますが、練習量が少ない方が故障しやすいという現象はよくあります。特に、素質のある練習量が少ない人はかなり故障の割合が高いです。
素質があるから、ちょっと練習すれば普通の人以上に走れるのですが、体の耐久性は人並みなので通常以上に負荷がかかってすぐに故障するという人がごくまれにいます。ごく稀にしかいないのは単純な理由で、そもそも素質のある人はごく稀にしかいないからです。
私がこれまで数千人のランナーさんを見てきた中で思い当たるのは、4人だけです。数千人のランナーさんを見てきてたった4人だけです。ちなみに、私はそのうちの一人ではありません。特別優れている訳でもなければ、特別劣っている訳でもないごく普通の存在です。
そして、数千人の99%くらいはこのカテゴリーに入ります。いわゆる「ごく普通の人」です。
ロマンがないかもしれませんが、人間そんなもんです。
さらに言えば、その素質のある4人のうち、私よりも上のレベルに到達した人は一人もいません。逆に、その4人に入っていないけれど、私よりも上にいった人も結構います(マラソン2時間10分切り、ハーフマラソン61分台、62分台など)。
高校記録を出すとかそういうのでもなければ、つくづくあまり素質は関係のないスポーツなのではないかと思います。
話が少しそれましたが、壊れにくい体を作るには段階的に、骨格筋、靭帯、腱、骨を強くすることです。この場合も、質×量の両面から考えられなければなりません。
例えばですが、平均1キロ6分ペースで月間1200キロ走っても大丈夫だからと言って、平均1キロ4分ペースの月間600㎞に体が耐えられるとは限りません。ある程度自分が必要とする質と量が必要な競技です。
また、質×量を考えるにあたっては最大筋力も一定程度重要です。
例えばですが、マラソンを2時間6分で走るとなると100Mが18秒ペースです。この時に、全力で走って100Mが13秒台の人と100M11秒台の人を比べると、若干ではありますが、100M11秒台の人の方が最大筋力は高い訳です。つまり、同じ100M18秒ペースで走った時の筋肉、靭帯、腱、骨にかかる負担が理論上はやや少ないのです。
これはあくまでも理論上の話であって、フルマラソンを走るとなると質×量の量の部分の方が重要になってくるのですが、ここで重要なのは最大筋力が衰えると少なくとも故障をしやすくなるということです。
あるデータによると30歳以上の人口の98%は一年間で一回も全力で走らないそうです。このデータを見て確かになと思いました。
実業団の長距離選手ですら、全力で短距離を走ることは実はほとんどありません。最大筋力に到達しようと思えば、少なくとも距離を200M以下に設定し、出来れば100M以下に設定する必要がありますが、この距離を全力で走ることは確かにほとんどないです。
高校時代に体育祭でリレーを全力で走ると夏場には一日30キロ、40キロと走りこんだ長距離部員の大半が筋肉痛になりました。
なので、私的にはこの98%という数字でさえも怪しいです。果して、2%も全力疾走する人がいるのでしょうか?
ジョギング人口は結構多いですが、短距離を全力疾走する機会がある人は実はかなり少ないです。
これが意味することは、意識的に全力で走る機会を設けないとどんどん最大筋力が衰えていくということです。そして、最大筋力がどんどん衰えていくと故障しやすくなるということです。
長距離ランナーにとっては重要とは言えませんが、たまに坂ダッシュを入れたり、走らなくても良いので、ジャンプ系のトレーニングを入れたり、バウンディングを練習に取り入れることは良いことだと思います。
さて、ここまで長々と書いてきましたが、秋から冬のマラソンでマラソンサブ3やサブエガを目指す人にやって欲しい夏場の土台作りとは上記のような生理学的適応を体に引き起こせる練習です。
具体的にやって頂きたいことは下記の3つです。
やって欲しい練習その1:中強度の持久走の頻度、距離、ペースを向上させる
中強度の持久走とは心身ともに疲労感なくコンスタントにこなせる最も速いペースです。このように書くと、具体的にそれはどのくらいですかとよく聞かれるのですが、それは逆に私があなたに聞きたいことです。
「あなたにとって週に3回から5回ほど疲労感なく、翌日に疲労を残さずにこなせる最も速いペースと距離はどのくらいでしょうか?」
もちろん、距離が短くなればややペースは上がるでしょうし、距離が長くなればややペースは落ちるでしょう。また、この暑さも考慮に入れてやや落とす必要もあるでしょう。さらに、起伏があればややペースを落とす必要があります。
いずれにしても、様々な微調整を加えながらも、この夏にやって欲しい筆頭の練習は中強度の持久走です。
やって欲しい練習その2:起伏や不整地を使った走り込み
脚筋力を養うのに良いのはやはり起伏や不整地を走ることです。登りは登りで斜面下向きに働く重力に抗い自分の体重を持ち上げなければなりませんし、逆に下りは斜面下向きに働く重力に体がもっていかれないようにしっかりと支える必要があります。
下り坂に関しては、アスファルトで斜度のきついところをあまりにも勢い良く走ると故障の原因になるので、慎重にやる必要がありますが、登り下りを使うと脚づくりには良いです。
また、登り坂を使って心肺機能に負荷をかける練習もおススメです。苦しい割にはペースが上がらないので、故障のリスクが非常に低いのが特徴なのと、この季節はもしそれが山であれば、気温も幾分低いのでおススメです。もしくは気温が同じでも体感的には涼しく感じられるはずです。
そもそも論ですが、地球温暖化、地球温暖化と言われますが、実は田舎の平均気温はほとんど上がっておらず、都市部の平均気温を中心に上がっており、二酸化炭素などの温室効果ガスが原因ではなく、ヒートアイランド現象というのが本当のところではないかと主張する研究者も多いです。
そして、実際に京都駅からわずか3キロほどしか離れていな将軍塚という、まあ小さな山というか丘があるのですが、その山を登るだけで気温が数度下がるのです。プラス、アスファルトの照り返しも非常に少なく、涼しく感じられます。
私は夏場にはよく低強度走で将軍塚に登ります。往復20㎞で、約3㎞で200M登るコースは私にとってはちょうど良いコースです。
故郷の京都府亀岡市にいたときには、もっと起伏がきつく、途中は絶景ポイントがあるようなしっかりとした山の中を走っていました。
また、不整地の方はこれも良い場所があればの話ですが(もはや日本にはなかなか良い場所がないのですが)、芝生や土の道の方がグリップも悪く、アスファルトほどの反発は得られないので、しっかりと自分の脚の力を使って地面を押す必要があります。これによって、しっかりと脚筋力が鍛えられます。
しかしながら、下が柔らかい分、接地の衝撃は少なく、故障の予防にもなるので、非常におススメです。
残念ながら、私の家の周りにはあまり良い場所がないのですが、ジョギングくらいは足場の悪い土の道で走ったり、芝生広場でバウンディングをしたりします。
夏場にやって欲しいことその3:補助的練習
補助的練習とは体幹トレーニング、坂ダッシュ、バウンディング、サーキットトレーニング、技術練習などのいわゆる走るのとは違う練習です。レースが近づいてきたら、むしろ新しいことをやらない、体の反応が読めないようなことはやらない、結果を判断するにあたって不確定要素になるようなことはやらないということの方が大切ですが、レースから遠い時期にはむしろ積極的にいろいろな補助的練習に取り組むと良いと思います。
これは良いなと思ったものがあれば、積極的に取り入れると良いでしょう。
夏場にやって欲しいことその4:高強度な練習の負荷を下げる
これはやって欲しい練習というよりはやって欲しいことですが、高強度な練習の負荷は下げてください。土台作りの時期に大切なことは一回の練習で高負荷をかけるよりも、中強度前後の練習を高頻度で実施することです。
そうすると、高強度な練習の負荷は下げないと、上手くいきません。高強度な練習の負荷を下げても、力はついていきますし、むしろ本当に力がついていくのはこの時期です。高強度な練習はレースが近づいてきたら、調味料程度に使用して状態を上げていき、レースにピークを合わせていきます。これがピーキングです。決して、レース前にちょこちょこっと練習を軽くして、疲労を抜くことがピーキングではありません。
さて、今回は無料のブログだけで1万字に達してしまったので、もう結構おなかいっぱいだという方も多いと思うのですが、土台作りについてもっと詳しく学びたいという方、もっと具体的な部分について学びたいという方の為に約3時間半の講義動画「土台作り講座」をご用意しております。
講義の詳細は以下の通りです。
はじめに(15分44秒)
本講義のテーマ
本講義で知っていただきたいこと
第一章 マラソンランナーにとっての土台づくり(49分51秒)
・土台づくりとは何か?
・あえて土台づくりをすることの意義とメリット
・市民ランナーにも土台づくりは必要なのか?
・土台づくりはどういう時期にやるのか?
・土台づくりとは何をするのか?
・土台づくりを行う上での注意点
第二章 走り始め時点での土台づくり~未経験から半年程度~(39分9秒)
・走ることに慣れ親しむ段階
・二つのパターン
・スピード面からいくパターンの土台づくり
・持久面からいくパターンの土台づくり
・実例:深澤の初マラソン(3:16)までの土台づくりの流れ
第三章 2時間32分に到達するまでに行ってきた土台づくり(1時間16分44秒)
・22年12月以降で取り組んだこと
・練習密度と練習頻度の向上
・中強度のレベルアップ
・距離走の量・質のレベルアップ
・鍵を握るのは、距離走の「質×量」
・最終的に一番重要なこと
・基礎構築期では、もはや脚が重くならない状態を目指す
・実例:深澤のマラソン(2:32)までの土台づくりの流れ
第四章 土台づくりを促進するおすすめ練習方法(32分32秒)
・坂道を使った練習
・不整地を使った練習
・コンスタントに20kmの持久走を入れる
・補助的トレーニング
・2部練習の導入
・シューズの使い分け
最終章 最後に(10分22秒)
・強靭な土台が作れさえすればマラソン終盤の問題の多くは解決する
・最も鍵を握るのは基礎構築
※約3時間30分の講義動画と講義資料のパワーポイントをPDF形式でご提供予定
あなたがこちらの講義を受講して頂くメリットは、以下の通りです。
・2ヶ月、3ヶ月後にマラソンの記録が伸びる
・長期的(1年以上)に見てもマラソンの記録が伸び続けるようになる
・一夏超えたら周りのランナーさんからびっくりされる(まるで別人になったね!と)
・むしろ練習が楽になる(基礎体力がつくから)
こちらの講義動画、実は講義者は私池上秀志ではありません。弊社副社長の深澤哲也です。深澤は洛南高校陸上競技部時代の私の一つ下の後輩であり、京都府高校駅伝では区間賞を獲得しています。
そのあとは8年間全く走っておらず、普通に立命館大学を卒業し、阪急阪神ホテルズで働き、わが社に来る前には喫煙もしていました(セブンスターの14㎜タール)。
やったことのある人は分かると思うのですが、長距離走ほど昔取った杵柄の無いスポーツはありません。実業団でやっていた人でも1年間走らなかったらただの人です。若者言葉でいうところのパンピー(一般peopleの略)です。8年間走らないとどうなるのかというと、5㎞ジョギングするだけで筋肉痛、みたいなそのレベルまで落ちます。
基本的に、故障や病気で練習を休んでいたら、休んだ日数と同じだけかけて戻していくというのが基本原則なのですが、その理屈でいえば、8年間休んでいたら8年間かけて戻していく必要があります。
さすがに、それはちょっと言い過ぎかもしれませんが、いずれにしても本人も5㎞をキロ6で走って筋肉痛みたいなところからスタートして、去年はフルマラソンで2時間32分、ハーフマラソン68分をマークしました。
いずれも、土台を作って、レースに向けて仕上げて結果を出してということを数シーズ人に分かって繰り返した末の好結果です。そして、やっぱり一番力が伸びる時期は土台作りの時期なんです。あとは、土台を元にレースで結果を出すための練習を入れて結果を出していくというイメージです。
本講義ではその深澤が実際にやった土台作りの練習内容を具体的に本人に解説してもらいます。
ちなみにですが、自分がやることと人に教えることはまた別物です。果して、深澤は他人に教えることが出来るのかということですが、ご心配には及びません。
深澤は過去三年間で滋賀県の中学チャンピオンを3人も輩出している敏腕コーチです。もちろん、ほかにも入賞者や入賞は残念ながらできなかったけれど、大幅に記録を伸ばした選手がいます。
これだけの内容が詰まった講義がたった5000円の自己投資で受講していただけます。講義はユーチューブ上に限定公開させて頂いており、インターネット環境さえあれば、いつでもどこでもご視聴可能です。
お支払い方法はクレジットカード、ペイパル、銀行振り込みよりお選びいただけ、クレジットカード、もしくはペイパルをお選びいただいた方には自動返信メールで、銀行振り込みをお選びいただいた方には、私が振り込みを確認してから手動にてメールでURLをお送りさせて頂きます。
また、こちらの講義動画には全額返金保証をつけており、万が一受講後にご満足いただけなかった場合には理由を問わずに全額返金させて頂きます。
ですが、そのようなことにはならないでしょう。他のオンラインスクールの受講生様の半分程度の満足度でも絶対に、絶対にご満足いただけるのですがいかがですか?
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よくある質問
質問:講義者は誰ですか?
回答:講義者はウェルビーイング株式会社副社長の深澤哲也です。洛南高校時代には京都府高校駅伝区間賞を獲得し、高校引退後8年のブランクを経て今は自身も市民ランナーとして真剣に走りながら、真剣なランナーさんが劇的成長する為の情報発信、メールサポート、練習会の運営などを手掛けています。自己ベストは、マラソンは2時間32分18秒、ハーフマラソンは1時間8分21秒、自身が運営するYouTubeチャンネルらんラボ!は34,000人以上の方にチャンネル登録いただいております。最近は中学生の陸上部員の指導も行い、直近3年間で全国大会出場者2名、滋賀県チャンピオンを3名(男子2名、女子1名)育てています。
質問:今回も全額返金保証はついていますか?
回答:今回も全額返金保証をつけております。万が一、受講後にご満足いただけなければ理由を問わずに喜んで全額返金させて頂きます。ですが、そのようなことにはならないでしょう。弊社の他のお客様半分程度の満足度でも絶対にご満足いただけます。
質問:講義はどのような形で受講するのでしょうか?
回答:お申込み下さった方にはメールにてPDFファイルをお届けさせて頂きます。そのPDFファイルの中に講義動画の中にURLが記されておりますので、そちらをクリックしてご視聴ください。
質問:倍速再生は出来ますか?
回答:はい、出来ます。
質問:ウェルビーイング株式会社とはどのような会社ですか?
回答:ウェルビーイング株式会社は、かつてプロランナーとして大阪マラソンを日本人トップで走った池上秀志が2020年に立ち上げた会社です。
オンラインにランナーの為の日本一の学び場を作り、無料コンテンツは月間数万人の方にご利用頂き、有料コンテンツは過去3年間でのべ5000人以上の方にご利用いただき、ロンドンオリンピック男子マラソン代表の藤原新さんを筆頭に「ここでしか学べない質の高い講義」との好評価を頂いております。
ウェルビーイング株式会社のスタッフは大阪マラソン日本人トップの池上代表取締役をはじめとし、京都府高校駅伝で区間賞を獲得し、800mの滋賀県中学チャンピオンの佐藤煉君を育て上げた深澤哲也副社長、経理担当には1500mの千葉県チャンピオンでマネージャーとして名城大学女子駅伝部の二年連続全日本大学駅伝優勝を支えた早乙女晴香(現斎藤晴香)がいます。
質問:講義内で分からなかったところは深澤に質問出来ますか?
回答:はい、出来ます。お申込み下さった方にはメールアドレスをお渡しいたしますので、疑問点はいつでもご質問ください。
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