期待の風船、受け取った笑顔

期待は小さな風船みたいに

膨らんではふわふわと漂い

どこかでパチンと消えた

あの頃は、普通を夢見て

普通になれない現実に戸惑って

普通じゃない自分を責めた

励ましの声にすがる日もあれば

その言葉が遠い蜃気楼に思えた日もあった

頑張ればなんとかなる？

でも、頑張らせてたのは私の方だった

いつか、気づいた

息子の笑顔が普通よりも大切だと

通っている場所での小さな話を嬉しそうにする姿が

私の世界を照らしていると

受け入れるという言葉は

決して簡単な響きじゃない

でもそれは、諦めじゃなく

心をゆっくりと解き放つ道だった

今、息子の歩幅に合わせて

私も歩いている

焦らず、背伸びせず、一緒に

風船が消えた空は広くて

私たちの未来を柔らかく包んでいる

それが幸せだと、やっと気づいた

作　奏ルナ

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