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適切な食事の摂り方
早食いは体に悪い?早食いのデメリットと改善方法
今回は早食いについてお話ししたいと思います。
早食いは、忙しい現代人の食習慣の一つですが、実は体にとってあまり良くないことが分かってきました。
例えば、忙しい時の昼休みに時間短縮したくてチャチャっと一気に食べてしまってませんか?
一気に詰め込んだりしてませんか?
いわゆる早食いですね。
もちろん、時間がないからといって何も食べないのは…言わずともお分かりだと思います。
早食いは、肥満や糖尿病などの生活習慣病のリスクを高めるだけでなく、消化器や歯などにも悪影響を及ぼします。
では、具体的にどのようなデメリットがあるのでしょうか?そして、早食いを改善するためにはどうすれば良いのでしょうか?
今回は、これらの疑問に答えていきたいと思います。
早食いが体に及ぼす悪影響
肥満
早食いが肥満と関係していることは、多くの研究で示されています。
例えば、平成21年の国民健康栄養調査では、男女ともに肥満度が高い人ほど食べる早さが「早い」人の割合が多く、「遅い」人の割合が少ないことがわかっています。
また広島大学の研究チームが約1000人の男女を5年間追跡調査した結果では、早食いの習慣がある人がメタボリックシンドローム(内臓脂肪型肥満)を発症した割合は11.6%で、ゆっくり食べる人の2.3%、普通の人の6.5%よりも高かったということです。
早食いが肥満につながるメカニズムは、満腹感とエネルギー摂取量に関係しています。
食事をすると、血液中のブドウ糖(血糖)の濃度が上昇し、脳内の満腹中枢がそれに反応して、満腹感を知らせます。
しかし、ブドウ糖の濃度が上昇するまでには約30分から2時間くらいの時間がかかります。
そのため、早食いをすると、この満腹感を得る前に多くの食事を摂ってしまうことになります。
つまり、必要以上にエネルギーを摂取してしまうことで、余分なカロリーが脂肪として蓄積される可能性が高くなります。
糖尿病
早食いは、血糖値やインスリン抵抗性とも関係しています。
インスリン抵抗性とは、インスリンというホルモンが血液中のブドウ糖を細胞内に取り込む働きを十分に果たせなくなる状態です。
インスリン抵抗性が高まると、血液中のブドウ糖が過剰になり(高血糖)、糖尿病の原因となります。
早食いをすると、短時間で大量の食事を摂ることで、血糖値が急激に上昇します。
このとき、インスリンの分泌も急増しますが、インスリンの効果が追いつかないため、血糖値は高いままになります。
このように、早食いによって血糖値の変動が大きくなると、インスリン抵抗性が悪化しやすくなります。
また、早食いによって肥満になることも、インスリン抵抗性を高める要因となります。
消化器の障害
早食いは、口腔や食道、胃などの消化器にも悪影響を及ぼします。
まず、口腔では、早食いによって咀嚼(よく噛む)が不十分になります。
咀嚼は、食べ物を小さくして消化しやすくするだけでなく、唾液を分泌させて口腔内の細菌を減らす働きもあります。
咀嚼が不十分だと、唾液の分泌量も減り、口腔内の細菌が増えて虫歯や歯周病の原因となります。
次に、食道では、早食いによって熱いものや冷たいものを急いで飲み込んでしまうことで、食道粘膜にダメージを与える可能性があります。
特に熱いものは、食道癌のリスクを高めることが知られています。
最後に、胃では、早食いによって消化不良や胃もたれを起こしやすくなります。
早食いで大量の空気を一緒に飲み込んでしまうことで、胃内の圧力が上昇し、胃酸が逆流して胸やけや喉の痛みを引き起こすこともあります。
また、早食いで消化されていない大きな塊の食べ物が胃に入ると、胃の働きが低下し、胃腸の動きが悪くなります。
早食いは癖になってしまっていることも多いのではないでしょうか?
そんな方のために以下に早食いを改善する方法についてまとめてみました。
早食いを改善する6つの方法について
早食いは、消化不良や胃もたれ、肥満などの健康問題を引き起こす可能性があります。
また、食事の楽しみや満足感も減少させるかもしれません。
早食いを改善するには、以下の6つの方法が有効です。
・水分を摂る
食事の前に水やお茶などの無糖飲料を飲むと、胃に満腹感を与えて食べ過ぎを防ぐことができます。
また、食事中にも水分を摂ることで、噛む回数を増やし、食べる速度を遅くすることができます。
・小さなスプーンやフォークを使う
大きなスプーンやフォークでは一度に多くの量を口に入れることになりますが、小さなスプーンやフォークでは少ない量しか取れません。
これにより、一口の量を減らし、噛む時間を長くすることができます。
・食べ物をよく噛む
食べ物をよく噛むことは、消化を助けるだけでなく、脳に満腹信号を送るのに必要な時間を稼ぐことができます。
一般的には、一口につき20回から30回くらい噛むことが推奨されます。
・テレビやスマホなどの画面から目を離す
テレビやスマホなどの画面に集中していると、自分がどれだけ食べたかやどんな味だったかなどの感覚が鈍くなります。
これは、注意散漫食と呼ばれる現象で、早食いや過食の原因になります。
食事中は画面から目を離し、食べ物に集中することで、早食いを改善することができます。
・他人と一緒に食べる
他人と一緒に食べると、会話や笑顔などの社交的な要素が加わります。
これは、自然と食べる速度を遅くし、満足感や幸福感を高める効果があります。
また、他人のペースに合わせることで、自分のペースが早すぎることに気付く機会も増えます。
・ストレスを減らす
ストレスは、早食いや過食の大きな要因です。
ストレスが高まると、自律神経のバランスが崩れて交感神経が優位になります。
これは、消化機能や満腹感の調節機能が低下し、衝動的に食べたくなる状態になります。
ストレスを減らすためには、適度な運動や睡眠、趣味やリラクゼーションなどの方法が有効です。
以上、早食いを改善する6つの方法でした。
早食いは、健康や幸せに影響する習慣です。
少しずつでも改善していくことで、食事の質や量をコントロールし、より良い生活を送ることができます。
まとめ
今回、早食いが体に及ぼす影響についてお話しました。
早食いは体に良くないことは少しは理解できたのではないでしょうか?
この記事を読んでいただいて、「そうは言っても忙しくて早食いになっちゃうよ」「癖だからなかなか改善できないよ」という方もおられるかと思います。
ただ、忙しいから早食いになってしまい体に影響が出て食後の仕事などのパフォーマンスが下がってしまうのは本末転倒ではないでしょうか?
もしかすると、早食いを改善し仕事や日常生活のパフォーマンスがあがることで本当の意味での時短になるかもしれません。
それでも、やはり早食いはやめられないという方は食事の内容を工夫するだけでもしてみてはいかがでしょうか?
この記事をきっかけにあなたの食事への意識が少しでも変わっていただければ幸いです。