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愛すべき大人世代へ送る一冊「オヤジ改造計画」

今回は同じフィーリングの方がいれば同じような感覚を持つファンタジーと異なり、いろんな年代、立場によって感じ方が違う本を紹介します。

「オヤジ改造計画」は私の父にタイトルを見てオススメした一冊。
小説だと知らなくて、実用書だと思い手に取りました。

あらすじ
定年を迎えた主人公が家にいるようになり家族とすれ違っていく。自らの考えを娘、妻に否定され、残りの人生を快適するにはどうすべきか。家族以外とのかかわりを含めて考えていく話。

冒頭のシーン

定年を迎え、主人公は家にいるようになり娘に「女の幸せは結婚することだ、早く結婚しろ」という。息子夫婦の子供を預かるとき、「母親には母性本能があるから子供の世話ができて俺(主人公)には絶対できないものなんだ」と妻にいう。

それに対して、主人公の娘が「時代遅れ、古いではなく間違っている」と否定する。


私たちはなんとなく時代のせいにしてしまうが、娘さんが古いといわず、違うとはっきりストレートに告げることに感激した。と同時に、ひっとひりつく感じを受けた。物語終盤まで、何度もこの胸がひやひやするシーンが続くのだ。

はじめは、主人公に対してこのわからずやという苛つきが絶えなかった。しかし、私の父は主人公に対してこういう世代もいたよなと言ったのだ。それが衝撃的だった。誇張もなく実在したことに。

父はこんなことも言っていた。離婚していなければ、うちも同じだったかもなと。想像すると怖かった。




”人の振り見て、我が振り直せ”

この本の主人公がもっていた固定概念がどのような人に出会い、どう変わっていくのか。




数十年前の日本の男女分業、日本の食、教育、学費、政策。この本を通して社会の変化に気づかされます。



読者の年代、職種、結婚の有無、教育環境などによって本当に様々な捉え方ができる一冊だと思います。



おまけ。

私自身、社会問題を取り扱った小説を読む機会はそんなにないんですが、読みやすいと思います。だいだい小説は一気に4~5時間くらいで文庫本1冊のペースで読みます。しかし、今回、社会問題を扱っていたため自分の考えというものが浮かんできて止まってしまうことが多かったような気がします。本の種類によってお気に入りの読み方のようなものがあったらぜひ知りたいなと思いました。



ここまでお付き合いいただきありがとうございました。



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