ピンピンコロリとネンネンコロリ【第5章①】
このシリーズも、残すところあと3週間である。9月25日を最後の回にする。
まず、エリザベス女王のご冥福をお祈りしたい。最後は家族に見守られ、スコットランドの自然に囲まれたバルモラル城で安らかにお眠りになったことだろう。
ああいう死に方に、憧れるものである。
歴史上の人物に、西行法師という歌人がいたが、西行が自分の死ぬ日と死に場所を歌に詠んで、ほぼそのとおりに亡くなったという話は有名である。
願わくは 花の下にて 春死なむ
その如月の 望月のころ
西行は、平安時代末期のいわゆる「末法の世」に生きた人で、お釈迦様の入滅の日と同じ陰暦2月の満月の日に死にたいと願った。
陰暦2月は、今で言えば春にあたり、桜の花も満開になる。
平安時代の人にとって、満月の夜に満開の桜の木の下で死ぬとは、ぜいたくな死に方だったことだろう。
西行は、誰にも看取られることなく、自分の望んだ日と場所で、静かに息を引き取ったと想像できるだろう。
孤独でも、大好きな自然に囲まれて最期を安らかに迎えるのもよいだろう。
さて、あなたは、自分の最期(季節はいつで、どこで、どのように死にたいか)をイメージしているだろうか。
ちなみに、現代も、末法の世は続いており、末法元年は1052年である。