デルタ株との戦い《第2章》
私たちは、よほどの恐怖心が植え付けられない限り、行動変容を行うのは難しいのだろう。
映画『バイオハザード』のように、ウイルスに体を蝕まれたゾンビが出てきて、次から次に周りの人間がゾンビ化していく。
そして、自分もまた、ゾンビに追われる身となり、咬まれたら終わりという状況に置かれてしまう。
自分の身を守るために、拳銃などの武器を携帯し、身の危険を感じたら、たとえ友人がゾンビ化しただけでも容赦なく撃ち殺す。
こんな世の中になることはまさかないだろうと、誰もが思っていることだろう。
しかし、コロナウイルスが拡散して次から次に新規感染者が出てくるのは、さながらバイオハザードのゾンビ増加のようである。
違うのは、感染者が豹変しないところである。
混雑したエレベーターに平気で乗る、長い列を作ってエスカレーターの動きに身を任せて移動する。
この状況がいかにリスキーであるかを理解しないと、気づいたときはもう手遅れかもしれない。