法の下に生きる人間〈第5日〉
今週は、国の最高法規である日本国憲法について、憲法改正や戦争の放棄、天皇の立場について、明治憲法との比較も行いながらみてきた。
天皇の立場は、昭和天皇の没後も、今の上皇様や現天皇陛下が引き続き、憲法の条文に則って、変わりなく維持している。
そうした中で、私たち国民が日常生活において直面する課題は、時代とともに多様化し、また複雑で解決困難なものになってきている。
だが、現行憲法第10条から第40条にわたって、私たち国民の権利と義務は、保障されている。
また、それらの条文をもとに、種々の法律や自治体の条例が改廃されたり、新たに作られたりしている。
警察や消防、国や自治体の職員は、行政サイドにおいて、それらの法律にしたがって、違反者の取り締まりをしたり、役所での日々の手続きに対応したりしている。
憲法は、長い期間ずっと変わっていないが、果たしてこのままでよいのかどうか議論になっている条文の一つに、第24条がある。
国民の権利について書かれたものだが、今国会で大きな話題になっているLGBT法案の成立が実現すると、憲法第24条の存在意義が問われることになるだろう。
実際の条文を確認してみよう。
【第二十四条】婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
② 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。
以上であるが、この条文は、男女平等の考え方が根底にあって作られたと考えれば、果たして「両性」や「夫婦」の表現が、時代の要請に照らして適切なのかどうか疑わしくなる。
今では、女性を意味する「婦」という漢字も使われなくなった。
看護婦は、今では看護師である。
主婦ではなく、主夫もいる。
現代に生きる私たちが、改めて憲法の条文を眺めてみると、「時代遅れ」と感じる部分は、ほかにもあるはずである。
憲法の改正に賛成するにしても、反対するにしても、自分なりの考えを持つことは大切である。
次回は、6月26日である。その頃には、LGBT法案はおそらく可決していることであろう。
そこから世の中がどう変わっていくのか、とりあえず期待したいところである。
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