法の下に生きる人間〈第67日〉
今日も、催事に出すパンに幼虫が混在していたというニュースがあった。
5年前の平成30年6月13日に公布された「食品衛生法等の一部を改正する法律」では、改正の概要の1番目に、「大規模又は広域におよぶ食中毒への対策強化」が謳われている。
いったいどんな対策が、条文に盛り込まれたのだろうか。
まず、第21条の2及び第21条の3において、次のようなことを定めている。
【第二十一条の二】
国及び都道府県等は、食品、添加物、器具又は容器包装に起因する中毒患者又はその疑いのある者(以下「食中毒患者等」という。)の広域にわたる発生又はその拡大を防止し、及び広域にわたり流通する食品、添加物、器具又は容器包装に関してこの法律又はこの法律に基づく命令若しくは処分に係る違反を防止するため、その行う食品衛生に関する監視又は指導(以下「監視指導」という。)が総合的かつ迅速に実施されるよう、相互に連携を図りながら協力しなければならない。
【第二十一条の三】
厚生労働大臣は、監視指導の実施に当たつての連携協力体制の整備を図るため、厚生労働省令で定めるところにより、国、都道府県等その他関係機関により構成される広域連携協議会(以下この条及び第六十六条において「協議会」という。)を設けることができる。
上記のとおり、第66条では、協議会の開催について定めている。
【第六十六条】
(冒頭省略)厚生労働大臣は、必要があると認めるときは、協議会を開催し、食中毒の原因調査及びその結果に関する必要な情報を共有し、関係機関等の連携の緊密化を図るとともに、食中毒患者等の広域にわたる発生又はその拡大を防止するために必要な対策について協議を行うよう努めなければならない。
以上である。
これらの条文に登場する「食中毒患者等」という表現に着目してほしいのだが、これは、第21条の2で説明されているように、「食品、添加物、器具又は容器包装に起因する中毒患者又はその疑いのある者」となっている。
添加物も含まれているのである。
食品添加物で中毒?と思われる方は、ノロウイルスによる下痢などの症状と同じだと思っているから、釈然としないのだと思う。
実は、中毒症状というのは、アルコール中毒と同じように、食べることをやめられなくなる状態も含まれるのである。
普通であれば、何度か同じ物を食べていたら、いつかは飽きが来るはずである。
ただ、その食品に含まれる添加物によって、私たちが知らず知らずのうちに、その食品にハマってしまっていたら、それは「好きな食べ物」というよりは「なくてはならない物」という認識に変わっている可能性はある。
毎週、決まったお店で外食をしていて、ほとんど同じメニューを選んでいる人は、もしかしたら中毒症状の一歩手前かもしれないのだ。
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