冷やすものは変わったけれど
晩ごはんの後のちょっとした晩酌用に、コップに氷を入れる。そして牛乳、カシス酒とついで混ぜる。そうするとカシスミルクの出来上がり。これって未だに鳥貴族でしか見た事がない。もしかしてとりきのオリジナル?と思いながら、家で作っている。
カシスミルクを作るようになってから、頻繁に氷を買いに行くようになった。大体セブンのロックアイス。氷の入った棚を開けて、ロックアイスを取り出す時、氷をカップに入れる時。いつも過去にも氷を買っていたことを思い出す。
短かった大学時代。単発で入っていた試食販売のバイトでのこと。会社で商品の説明やPRを学んでから、スーパーで1日試食品のオススメをする。勧めるのはお菓子やジュース、コーヒーが多かったけれど飲み物を勧める時はたいてい冷やして冷たい状態で提供する。そんな時に使っていたのがロックアイスだった。
スーパーの裏口から入り、担当者の方に挨拶をする。売り場のセッティングをしてから、試食で使う食品や氷、袋を買う。それから教わった通りのPRや呼び掛けをする。このバイトはあくまで勧める仕事だったので、特にノルマはない。それでもスーパーによってはもっと売ってと言われることもあったり。
1日売り場に立っていると、お昼前と夕方がやはり混んでいる。この時の1番のお客様は親子連れ。たいてい子供があれ飲みたい食べたいと言うと、お父さんお母さんはこちらにやって来る。あとは年配の方がお疲れさまと言いながら、試食したあと買ってくださることもあった。時間帯によってはどんどんさばけて行くので、ひたすら冷やす注ぐ出すという流れになる。これが結構忙しい。それに1日立ちっぱなしなので足にくる、
人が周りにいなくても、ひたすら呼び掛けをする。たまにスーパーの店員さんとまちがえられて、醤油の場所を聞かれたこともあった。そんな時は店員さんに託すとマニュアルにはあったけれど、周りを見渡しても誰もいない。醤油 醤油ですねと言いながら、一緒に探したこともあった。
あとは1度試食に来た子供が迷子になってしまい、私のところに一人で来たこともあった。手を繋いで、店員さんのところに連れていこうとしたらすぐにお母さんが見つかった。よかったよかった。広いスーパーだと迷子になりがちだよね。
6回くらいやって辞めてしまったけれど、今思うといい経験だった気がする。それにスーパーで試食販売の人を見ると、頑張れと心の中で応援してしまう。最近はきっと某ウイルスの影響なのだろう、すっかり見かけなくなってしまったけれども。
試食販売のバイトからすっかり離れた私の家の冷蔵庫には今日もロックアイスが眠っている。